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「生物学上の父親ではないけど僕のお金で…」未婚の母と赤ちゃんに月40万円…44歳独身男性の“リアルパパ活” パパ活当事者それぞれの変容 #2 - 秋山 千佳

お手当は1万円に…パパ活女子が語る、40代既婚男性と1回6万円「関係あり」デートに起きた“劇的な変化” から続く

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 女性が食事やデートに付き合う対価として、男性から金銭を受け取る「パパ活」。対面でないと成立しづらく、景気に左右されるこの活動に、新型コロナウイルスの影響が直撃している様子を今年5月、「アフターコロナのパパ活 #1」としてレポートした。

 コロナ禍が長期化する中、継続して取材してきたパパ活当事者の男女それぞれに話を聞くと、この半年間でパパ活だけでなく、生き方そのものが変容しつつあった。(全2回の2回目/#1から続く)


©iStock.com

◆ ◆ ◆

新宿伊勢丹で「リアルパパ活」

「最近よく行くのは新宿伊勢丹の6階です。赤ちゃん用品売場があるんです。周りから見たら本当のパパに見えるでしょうし、僕は『リアルパパ活』と呼んでいます」

 経営コンサルティング会社を経営する雅之さん(44)の声は明るく弾んでいた。6人の女性に月にして計150万円ほどのお手当を渡す「パパ」として、「文藝春秋」2020年1月号および「文藝春秋digital」記事(「2020年の『パパ活女子』 援助交際と何が違う?」)に登場した独身男性だ。半年前にはソーシャルゲームにハマる一方で「パパ活は面倒くさい。もう手を広げるのはやめたい」と語っていたが、その思いは激変していた。

 一度は関係の切れたパパ活相手、真奈さん(30)がコロナ禍で出産。未婚の母になり、再び雅之さんを頼ってきたのだ。以前は多い時で月100万円、総額1500万円のお手当を渡していたが、現在は月20~40万円。体の関係はないが、「だいぶ安くなりましたね」と雅之さんは意に介さない。

「子どもはマジでかわいいと思います。生物学上の父親ではないけど、僕のお金で生活しているという意味では、僕も一緒に育てています。子どもが生まれていなかったら真奈ちゃんとの関係は戻っていなかったでしょうね」

 取材中にも、真奈さんから「布団乾燥機がほしい」とLINEが入った。「買おうか」と返信した雅之さんは「大盤振る舞いです」と笑う。雅之さんの会社はコロナ禍で一時的に業績が下がったものの、今ではすっかり持ち直して心身の余裕が出たようだ。

ほぼ引きこもりになった女性の社会復帰をサポート

 半年前には25歳の由紀さんだけが定期的に会う相手だった。「ステイホーム」の生活でのめり込んだソーシャルゲームに仲良く興じていたが……。

「由紀ちゃんは緊急事態宣言の頃は元気だったんですけど、美容関係の仕事を業績悪化で解雇されて今はニートです。ほぼ引きこもりで、体の関係も半年近くないです」

 でも続いてはいますよ、と雅之さんは続けた。由紀さんの自宅の賃貸契約が切れるタイミングで、雅之さんが13万円の“駅チカ物件”を借りてあげることになった。加えて月10万円程度を渡すことに。雅之さんが新たな会社を立ち上げて由紀さんを社長にあてる予定で、パパ活のお手当ではなく報酬と位置づけ、「社会復帰をサポートしたい」という。

 由紀さんとの関係の変化を反映するように、緊急事態宣言下で月100万円ほど課金していたソーシャルゲームの熱は冷め、今では課金ゼロになった。

 代わりに、新たな「本命」の登場で夢中になっていることがある。

「本命」の影響でヴィーガンに

「彼女はめっちゃマジで超いい子なんですよ! 優しくて、動物に愛があって。動物を殺したくないというので、僕も賛同して“ヴィーガン”になりました」

 彼女とは、現在のパパ活の「本命」、玲緒さん(29)だ。ヴィーガンとは完全菜食主義者のこと。雅之さんは玲緒さんの影響で、肉、卵、乳製品を断つようになった。特にコロナ以前は高級肉をはじめ外食中心で美食の限りを尽くしてきた雅之さんだが、今は自炊が中心だ。

「ヴィーガンは話のネタとしても面白いし、体調が良くなった気がしますね。男性機能も菜食の人の方が色んな面で優れているという研究結果があるんです。僕はこれまで肉を食べなきゃという強迫観念があったんですけど、外食産業がどれだけ牛を殺しているんだという話ですよ。飼料となる穀物にしてもそのまま人間が食べるより遥かに必要だし、ハンバーガー1個分の牛肉を作るのに必要な水の量にしても……」

 ヴィーガンの話題になると止まらない。そして「玲緒ちゃんと料理を作るのは楽しいし、一緒にヴィーガンを勉強して体の関係もあって、充実しています」と語る。

「玲緒ちゃんや彼女のお母さんに家を買ってあげたい」

 玲緒さんは新顔ではない。1年前に雅之さんを取材した際には、交際クラブを介して知り合ったうちの一人という程度の位置づけだった。その後一度は距離が空いたが、近所に引っ越してきたことを機に秋頃から急接近。毎週会うようになって彼女の良さを実感したらしい。玲緒さんは会社社長の愛人をしたりクラブで働いたりしてきたが、コロナ禍で仕事がなくなり、再会当時は、酒席に参加して金銭をもらう「ギャラ飲み」で稼いでいた。

「玲緒ちゃんは人が良すぎて騙されやすい」と心配する雅之さんは、現在月50万円超のお手当を渡しているが、さらに先まで見据えている。

「僕の今の目標は、5年以内に10億円稼いで、玲緒ちゃんや彼女のお母さんが健康で幸せに暮らせる家を買ってあげることなんです」

それでもお相手を玲緒さん一人に絞らない理由

 それほど惚れ込んでいるなら、お相手を玲緒さん一人に絞らないのだろうか。そう尋ねると、雅之さんは「うーん」と唸った。

「玲緒ちゃんのことは好きですし、正式に付き合いたいですけど、僕は真奈ちゃんと由紀ちゃんを自立させきれていないし、このままでは彼女たちが路頭に迷う。今後どうなるかはわからないですね。玲緒ちゃん一人で僕を支えるのは大変でしょうし……」

 以前から雅之さんは、自身のパパ活の背後に、不安や自信のなさがあると語っていた。30代半ばで婚約破棄したトラウマから結婚や同世代に近い女性が怖くなり、こんな自分を一人で支えてもらうのは忍びないので、複数の女性で分業制のようにしているのだ、と。

「仮に結婚しても、他の人と恋愛することも許します」

 ただ、こうした点にも心境の変化が生じていた。

「もう相手の年齢にはこだわりません。それに玲緒ちゃんとなら結婚するかもしれない。ただ、仮に結婚しても、他の人と恋愛することも許します。幸せのためには自由が大切だと思っているので」

 雅之さんはそう言った後、最近クッキーを焼いた話をしながら「ヴィーガンになって性格が穏やかになっちゃったと思います。つまらなくなっていたらすみません」と笑った。

(秋山 千佳/文藝春秋 digital)

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