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CO2排出実質ゼロ、電源政策変革と財政支援必要=自工会会長


[東京 17日 ロイター] - 日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は17日会見し、日本政府が2050年の達成を目指す二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」に関して、「国家のエネルギー(電源)政策の大変革なしではなかなか難しい」と述べた。さらに、達成には巨額のコストがかかるとして、政府に政策的な財政支援を要請する意向を示した。

豊田会長は、自工会として国の政策に貢献するため「全力でチャレンジすることを決定した」と説明。ただ、「画期的な技術ブレークスルーなしでは達成は見通せず、サプライチェーン全体で取り組まなければ国際競争力を失う恐れがある。たいへん難しいチャレンジ。欧米中と同様の政策的財政支援を要請したい」と語った。

これは「国のエネルギー政策そのもので、ここに手を打たないと、この国でものづくりを残し、雇用を増やし、税金を納めるという自動車業界のビジネスモデルが崩壊する恐れがある」とも強調した。

カーボンニュートラルへの取り組みは車の走行時だけでなく、生産時や電気自動車(EV)を走らせる発電時なども含むサプライチェーン、ライフサイクル全体で考えるべきと豊田会長は指摘する。

トヨタの小型車「ヤリス」で考えると、CO2排出量の多い火力発電の電源構成比率が日本より低いフランスで生産するほうが環境に良い車になり、「日本ではこの車がつくれないということになってしまう」と発言。そうなると雇用に影響してくる、との見方を示した。

急速なEV普及推進にも懸念を示した。試算によれば、乗用車400万台をEV化した場合、夏の電力使用ピーク時には電力不足で発電能力を10─15%増やす必要があり、原発では10基、火力発電では20基必要になる。保有車すべてをEV化すると充電インフラの投資コストが約14兆─37兆円かかる。EV生産時も電池供給能力が今の約30倍以上必要で、能力増強コストは2兆円かかる。充放電を調べる完成検査時には年産50万台の工場でみると各家庭の1日当たり5000軒分の電気が必要という。

電動化が進んでいない軽自動車の行方も注目されているが、豊田会長は「軽自動車しか走れない道が日本には85%ある。一歩、地方に出れば、完全なライフラインだ」と指摘。「電動車を構成するハイブリッド車、燃料電池車、EVの中でどう軽自動車を成り立たせていくのか。このミックスで達成させていくことが日本の生きる道だと思う」として政治家へ理解を求めた。

(白木真紀)

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