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18歳意識調査「新しい食」―38%の食糧自給率を約6割が問題視―

新型コロナウイルス感染のパンデミック(世界的大流行)で3月以降、ロシアやインドなど世界の約20カ国・地域で農産物の輸出が制限され、世界食糧農業機関(FAO)など国連3機関が「自由な貿易の流れを保障する努力が必要」などとする共同声明を発表したと報じられている。ちなみに日本の食糧自給率は2019年度カロリー換算で38%(生産額換算では66%)、25年度の自給率を45%とした達成目標は5年遅れの30年度に延期されている。

こうした日本の現状をどう見るか、10月中旬、「新しい食」をテーマに第31回目の18歳意識調査を行った。この結果、回答を寄せた17〜19歳1000人のうち約6割(59.8%)は「問題だ」と答え、「問題ない」(10.9%)を大きく上回った。理由として「食料不足になったときに対処できない」(77.9%)、「国際情勢の変化により物流がストップする可能性がある」(47.8%)=複数回答=などが挙がっている。

わが国は、主食のコメは自国生産で充足している。小麦や大豆は主要輸出国である米国やオーストラリア、フラジルで輸出を制限した場合、国内農業への影響が極めて大きく現状では考えにくい。従って現時点では、一部の輸出制限の動きを心配する必要はないと考える。ただし、コロナ禍で国際的な流通が滞り、食糧輸入が一時的に止まる事態は想定され、それなりの備えは必要だと思う。

調査でも、「第一次産業の立て直し」、「消費者意識を変える」、「食料生産のための労働力の確保」など食料不足に対する備えの必要性を指摘する声が23.6%〜11.2%に上っている。自由記述では「外国産の安価な食材が国産の食材の需要を奪っている」といった懸念も指摘され、その一方で「自国の食糧を優先するのは当然」などとして過半数(52.2%)が一部の国・地域の輸出制限に理解を示している。食糧の確保は、どの国にとっても“要”というわけだ。

国連推計によると、世界の人口は今世紀半ばにほぼ100億人に達する。これに伴い食料や資源の枯渇、温暖化が進むと懸念する声も多い。こうした中で、食とITを融合させたフードテックや新たなタンパク源として代替肉や昆虫食の開発も進んでいる。

ただし、「フードテックを知っている」人は10人に1人弱(9.7%)にとどまり、「代用肉や昆虫食が未来の食材になるか」の問いに対する答えも、「思う」、「思わない」、「わからない」が29.8%〜37.6%に割れ、現時点の評価ははっきりしない。

その一方でフードテックの将来に38.6%が「可能性を感ずる」としているほか、代替肉に対し43.3%、昆虫食に関しては16.2%が「食べてみたい」と関心を示している。数字にバラつきはあるが、なんとなく時代とともに「食」が大きく変わる可能性もうかがわせる調査結果と受け止めた。

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