[ベルリン 14日 ロイター] - ドイツのバイオ製薬会社キュアバックは14日、開発中の新型コロナウイルスワクチン候補の後期第2相および第3相臨床試験を開始したと発表した。
臨床試験は欧州と南米の成人被験者3万5000人を対象に実施する。
ハース最高経営責任者(CEO)は「これまでに収集されたデータでは、ワクチンの安全性と免疫原性効果は明らかだ。引き続き臨床試験でその効果を確認し、新型コロナウイルス感染症の予防に役立つと期待している」と述べた。
キュアバックのワクチン候補は独政府が開発の支援を行っている3種のワクチンのうちの1つ。欧州委員会はすでに、最大で4億0500万本の供給契約を結んでいる。
キュアバックが開発するワクチンは、遺伝子物質を利用する「メッセンジャー(m)RNAワクチン」。米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンのほか、米モデルナのワクチンもこの技術に基づいている。
米国はこの日、ファイザー製ワクチンの接種を開始。ハースCEOは、米政府が他社のワクチンをすでに十分に確保しているため、キュアバックはパンデミック(世界的大流行)収束前に米国で自社のワクチンを導入しないと表明。収束後に販売承認について米食品医薬品局(FDA)と協議する可能性があると述べた。
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