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【読書感想】2025年を制覇する破壊的企業

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2025年を制覇する破壊的企業 (SB新書)

2025年を制覇する破壊的企業 (SB新書)

  • 作者:山本康正
  • 発売日: 2020/11/06
  • メディア: 新書


Kindle版もあります。



2025年を制覇する破壊的企業 (SB新書)

2025年を制覇する破壊的企業 (SB新書)

  • 作者:山本 康正
  • 発売日: 2020/11/05
  • メディア: Kindle版

コロナでテクノロジーの進化は10年早まった!

2020年1月、Amazonはアレクサとガソリンスタンドを交信するサービスのデモをテクノロジーの年次祭典CESで発表した。
これまで家の中のものとしか交信しなかったアレクサを屋外と交信させたこの発表は、Amazonが都市全体のデータを取り、ビジネスを広げていこうという意思を示している。
テクノロジーの進化がビジネス、はたまた我々の生活自体を大きく変えることはいうまでもない。
本書は、Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft、Netflix、テスラ、クラウドストライク、ロビンフッド、インポッシブル・フーズ、ショッピファイという、2025年の世界に大きな影響力を持つ世界最先端11社を分析することで、5年後を読み解く未来予測書である。

 これから、「来る」のはどの企業なのか?
 GAFAと称されるGoogle、Amazon、Facebook、Apple(+Netflix)が、ずっと世界のプラットフォームを支配していくことになるのだろうか?
 これを読むと、どの企業の株を買ったら将来上がるかわかるんじゃないか、などという若干の色気を持ちつつ読みました。
 冒頭の「2025年の生活」を描いたエピソードには、正直「なんなんだこのポエムは……と思ったんですよ。僕が小学生の頃、雑誌に「2001年の世界」っていう題材で、街をエアタクシーが走り回り、週末は簡単に宇宙旅行、みたいな「未来予想図」が高頻度で載っていたけれど、現実には、2001年どころか、2020年になっても、宇宙に行けるのはごくひとにぎりの人間だし、街を走っているのはガソリン車が多いのです。スマートフォンという小型のコンピュータを一人一台持ち歩くようになったことだけは、的中したと言えるかもしれません。

 とはいえ、読み進めていくと、「これからの企業や仕事のやり方は、どこへ向かっていくのか」のヒントが得られたような気がします。

『グーグル』の項より。

 グーグルが次に我々の生活をどう変えようとしているか。それは自身がこれまでメイン事業としてきた「検索」自体を不要にしてしまうことです。
 いま皆さんは自分がほしいモノや情報を求めネットで検索をします。しかし、検索などする前にほしいものが提示されたら、どんなに便利でしょうか。そんな「検索前」の世界に進出しようとしているのが今のグーグルです。
 たとえば、毎週金曜日の夕方になると、「レストラン」というキーワードを検索するユーザーがいたとします。そしてその傾向を、グーグルはデータとして持っている。その結果、金曜日の夕方にブラウザを立ち上げると、自動でおすすめのレストランをグーグルが紹介してくれる。
 技術的に十分可能なサービスであり、このようなサービスこそ「情報を整理して使えるものにする」という、グーグルのミッションそのものでもあると言えます。

 また、グーグルは検索以外にも、数多くの事業を手がけてきました。そしてその多くの事業をM&Aで手に入れてきました。「検索前」の世界に進出できるのも、このような複数の事業のシナジーによるものです。
 これまでの買収先は200社以上、投資金額は3兆円以上にもなります。特徴的なものは、成長企業を囲い込むようなかたちで買収してきた点です。
 たとえば2000年に買収したユーチューブ。当時、グーグルもユーチューブと似たような動画サービスを内製していましたが、ユーチューブの成長スピードがあまりに早かったため、買収した方が得策だと考えたのでしょう。買収金額は日本円でおよそ2000億円。思惑どおり、その後ユーチューブは爆発的に世界に広がっていきました。

 
 もちろん、グーグルのさまざまな買収劇は、必ずしも成功に終わったものばかりではありません。
 しかしながら、著者は、それらの「失敗したM&A」も、グーグルにとっては「貴重な顧客のデータが得られれば十分なのだ」と述べています。
 ユーチューブのような成功例の割合は少なくても、爆発的な成功を得られれば、総投資金額以上のリターンはあるし、ライバルの伸張を予防もできるのだから。

 とはいえ、スマートフォンのスケジュール帳や目覚ましのアラームなどで経験している人は多いと思うのですが、グーグルやアップル(iPhone)が、こちらの行き先やアラームの時刻を「おすすめ」してくるのは、便利ではあるけれど、ちょっと気持ち悪いところもあるんですよね。

 「自分のニーズに合った(と人工知能が判断した)ものがお薦めされるのだとしても、AIに自分が操作されているような生活になりそうな感じがします。
 「あなたはこうしたいのでしょう?」と、選択肢が常に示されていることに、僕は耐えられるだろうか? 
 慣れたらやっぱり便利、っていうのはあるんですけどね。目覚ましのアラームとは、よくセットし忘れそうになるし。一週間のうちで早番の日は、しっかりそれに合わせた時刻でお薦めしてくれるのだから、自分自身より頼りになります。

 スマートフォンのアプリで簡単に投資ができる『ロビンフッド』は、ものすごく便利ではあるけれど、簡単すぎるがゆえに若者が投資にハマりすぎるリスクはあると思いますし、『ショッピファイ』と世界最大のスーパーマーケットチェーンの『ウォルマート」の提携に関しても、著者はウォルマートのネットサービスの先進性を高く評価しているのですが、ウォルマートはアメリカで低賃金のワーキングプアを大勢生み出しているという現実もあるんですよね。

 この本に書かれているのは、あくまでも、「投資する側」からの視点なのです。
 それでも、これまでは「資本」がなければ素晴らしいアイデアがあっても実現困難だったのに、現在は、世界中に「何か有望なアイデアがあったら、そこに投資をしたい」という余裕資金を持った投資家たちが大勢いて、「自分はお金持ちじゃなくても、資金を得て挑戦できる」ようになってもいるのです。

 著者はテスラのモデル3に乗っているそうなのですが、その特徴についても語っています。

 特に便利なのが半自動運転機能です。ガソリン車にも備わっていますが、精度がまったく異なります。ガソリン車の半自動運転機能は、どこか違和感があるというか、レーンからはみ出すことはありませんが、スムーズではないのです。
 一方、テスラの半自動運転はまるで人が運転しているかのようにスムーズです。これはハンドル操作に限らず、アクセルやブレーキの操作でも同じです。そのためテスラであれば、高速道路に入り半自動運転を設定。あとは何もすることなく、それでいて快適に高速道路を降りるまでの運転をほぼ代行してくれます。

 なぜ、ここまで違うのか。車を開発するそもそもの発想が、テスラと旧来の自動車メーカーでは異なるからです。これまで自動車メーカーは、車両にコンピュータを載せることで自動化などの機能を備えていきました。

 ところがテスラは真逆です。コンピュータに車輪をつけているとの考えだからです。このような考えですから、ソフトウェアの処理が抜群に優れているのです。運転席まわりもメーター類はなく、あるのはタッチパネルだけ。無駄な装備が一切なく、このあたりはアップルのデバイスに近いです。
 グーグルの元会長、エリック・シュミット氏が興味深い発言をしています。「車とコンピュータは出てくる順番を間違えた。どう考えても正解は、コンピュータに車輪をつけることだ」と。

 既存の自動車メーカーは、車両という機器の製造や開発に関しては、大きなアドバンテージを持っているはずです。しかしながら、これまでの歴史や伝統の積み重ねがあるがゆえに、思い切った発想の転換が難しいところがあるし、これまで貢献してくれている技術者を見捨てるわけにはいかないのです。
 
 そして、いま「先進的」だと思われている企業も、すでに「その次を担う存在」に追いかけられています。

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