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「教皇は確信犯か?」―ハンセン病の差別発言―

これまで3度の教皇のハンセン病に対する差別発言に対し、その都度書簡を差し上げてきました。しかし効果がなく、作戦を変更して日本財団とバチカンの共催で2016年6月、バチカンにおいてハンセン病差別問題についての国際会議を開催し、その結論としてハンセン病を悪い例え話として使用しないことが決議されました。

私は教皇に直訴したこともありました。しかしまた同様の発言があり、4回目の抗議となってしまいました。信者12億人を有する教皇の発言は、誠に残念至極であります。

過去の発言は下記の通り。

1回目 教会の出世主義はハンセン病のようなものだ。
2回目 ご機嫌取りは教皇制度のハンセン病だ。
3回目 小児性愛はカトリック教会に伝染しているハンセン病だ。
4回目 汚職は真のハンセン病である。

以下は今回の抗議文です。

****************
2020年11月24日付

ローマ教皇フランシスコ台下
バチカン宮殿、バチカン市国

教皇台下

東京より謹んでご挨拶申し上げます。

先般、教皇台下が「ラテンアメリカ:教会、教皇フランシスコ、そしてパンデミックの段階」と題したセミナーの参加者に寄せられたメッセージを拝聴しました。
汚職に関する幅広い議論のなかで、汚職は教会を病ませ、死に至らしめる真のハンセン病である旨のご発言があったと理解しております。

私はこれまでにも、ハンセン病が汚職や他の病や悪の比喩として使用されることによって、ハンセン病患者、回復者が受ける苦痛についてお手紙を書かせていただいたことがありますので、再びこのようにお伝えすることを躊躇しておりました。しかし、ハンセン病差別撤廃の国連特別報告者をはじめとして、ハンセン病患者、回復者が直面する偏見や差別をなくすための懸命な取り組みが今もなお進められていることを考え、この問題について、改めて教皇台下にお手紙をお送りすることに致しました。

2016年6月にバチカンにて、シンポジウム 「ハンセン病患者・回復者の尊厳の尊重と総合的なケアに向けて」が開催されました。承認された勧告には「ハンセン病という言葉を比喩として使用することは避けるべきである」と明記されております。今後、ハンセン病に対する偏見を助長する言及をお控えいただきますよう切にお願い申し上げます。

毎年約20万もの人々が新たにハンセン病と診断されています。ハンセン病患者が、差別を恐れることなく一歩を踏み出し治療を受けることは極めて重要であると考えており、この点においては教皇台下も同じお考えをお持ちであると確信しております。

ご検討いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

笹川 陽平
日本財団会長
WHOハンセン病制圧大使
日本政府ハンセン病人権啓発大使

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