「ふざけんな!」メリーさんを怒らせたガラス破壊……独立から26年、田原俊彦がジャニーズ退所の後輩に“ビッグな金言” から続く
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「芸能界ってのはさ、『自由もないしもういいよ、こんなキツイの嫌だよ』って思って出ていく人もいれば、『ここでしか生きられない』って居座る人もいる世界。隙あらば自分の居場所は奪われるし、ハッと気づいた時はもう手遅れ。だから僕も、『田原俊彦』をブランドにするために、意外と毎日コツコツやってるんだよね」
そう語るのは、今年デビュー41年目の“永遠のアイドル”田原俊彦。来年2月に還暦を迎えるが、いまなおトップアイドルであることにこだわって人生を謳歌している。時代がアイドルに要求することの変遷を、彼ほど客観的に見つめてきた人はいない。そんな田原俊彦の、知られざる私生活と、「理想のアイドル像」に迫る。
田原俊彦 Ⓒ文藝春秋
友達は女の子しかいないから
――現在でも美女とのデート姿を度々キャッチされていますね。
田原 もう連載だね。僕は友達は女の子しかいないから。そりゃ男とも飯は食うけど、女の子と飯食ったほうが美味しいじゃない。中年の星になるよ、僕は(笑)。「トシちゃん、楽しそうだな」みたいな。まあそれはそれで、それぞれ楽しくやればいいんじゃないですか、うまくね(笑)。
――ジャニーズ時代は、10年以上完全なオフの日はほとんどなかったと聞きました。当時、女の子と遊びに行こうっていう時はどうしてたんですか?
田原 当時はまだ「THE・アイドル」で、なかなか厳しい時代だったよね。今なんて「お付き合いしてます」とか言っても、下手すると「かっこいい」とか、「幸せになってください」とか賞賛してもらえたりするじゃない。でもあの時代はまだ閉鎖的というか、アイドルが誰かと恋愛するなんてとんでもないっていう雰囲気だったよね。だからこそ僕が32歳で結婚したことも良く思われなかったし。
しかも当時は遊び方の情報とかも入ってこない。だって携帯がない時代だよ、想像できないでしょ? それでも20代の頃はよく合宿所を抜け出して、寝ないで遊んだね。朝の8時ぐらいから仕事して、帰ってくるのは深夜12時。それからポルシェで六本木とかに出動しちゃう。ドラマのセリフも覚えなきゃいけないから、睡眠時間3時間ぐらいだよ。それがほぼ毎日。僕はバブルにおぼれた男だね(笑)。
――そんなに売れていても、合宿所生活だったんですね。一人暮らしをしたい気持ちはなかったんですか?
田原 合宿所も居心地がよくてさ、18歳から26歳までいたから、僕が一番長くいたぐらいじゃないかな。風呂一番、飯一番。部屋は一番でかいけど、帰って寝るだけ。バタンキューだから。夜な夜な遊びに行って、朝に帰ってきて、「ジャニーさんの部屋閉まってるな」って、バレないようにサーッと通ってね(笑)。「ヨッちゃんは? 実家か」「おっ、マッチもいないのか」って(笑)。
あの空間は、誰も邪魔できない自由な場所だからさ。それでも、仕事に穴開けたことは一度もない。それでジャニーさんも黙認してくれた。
「まあ、それなりに恋愛はしてました」
――田原さんといえば、芸能人の方から一般の女性まで数々の熱愛が報じられてきましたが、当時と今ではどう違うと感じますか?
田原 僕も、付き合ってることがバレちゃいけないなとか、バレたくないっていう気持ちはもちろんあったよ。でも、ちょいちょい遊びに行っちゃうからさ。週刊誌にはよく撮られたよ。困ったら「田原がどうせ何かしてるだろうから撮りに行け」みたいな(笑)。
それに僕は逃げなかったからね。その女の子と初めてのデートの日に撮られた時はさすがにビックリしたけどね。帰り道で「罠だったのかな?」って思っちゃうよね。
まあ、それなりに恋愛はしてました。ただ、それは公にしちゃいけないし、公にしづらい時代だった。アイドルといったって若い子たちですから、それはみんな恋もしたいし、遊びたい。それは昔も今も変わらないでしょ。そういう時期はみんなあると思うよ。
「今は不倫とか、やっつけられちゃうんだろ?」
――そう考えるとあまり変わっていないのかもしれません。近年はまたアイドルにクリーンさを求める雰囲気が強まってきた印象があります。
田原 ただ、僕がジャニーズにいた頃は遊ぶことがある程度許された時代で、今は不倫とかだと、みんなやっつけられちゃうんだろ?
ジャニーズ事務所を出たら出たで大変だけど、残ったら残ったなりに大変ってことだよ。後輩たちの手本にならなきゃいけないとかね。僕みたいに一匹狼で戦ってる人は周りから噛まれっぱなしだけど、それも段々慣れてくるんだよね。
――そんな一匹狼の田原さんですが、爆笑問題の2人とは「爆報!THEフライデー」(TBS系)を一緒にやられていますよね。また、別の形でテレビのバラエティーやドラマに出演する予定はありますか?
田原 ドラマのお父さん役とかでオファーはあったりするけど、なかなか判断が難しいんだよね。絶対にドラマに出ないわけじゃないけど、本当に今なのか、と思ってしまう。僕の中で、やっていい仕事とやっちゃいけない仕事のこだわりがある。そこに田原俊彦がいる必要があるのか、田原俊彦の場面を作れるのか、という。
やっぱり僕は歌手・田原俊彦だと思ってるから、それ以外の世界に飛び込むのは大変。「爆報!THEフライデー」は爆笑問題とのつながりで実現したけど、だからと言って何か他のものに出たいっていうわけでもないんだよね。