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医療現場は限界寸前…「2月に緊急事態宣言」でコロナを乗り切るための“4つのポイント” - 鳥集 徹

 新型コロナウイルスの感染者の増加に伴い重症者が増え、東京、大阪、北海道などでは医療体制の逼迫が伝えられています。このままでは、すべての重症者の命を救うことができず、命の選別をせざるを得ない事態に陥るかもしれません。

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 そんなことにならないためにも、一つ政府や国民のみなさんに提案したいことがあります。もしこのまま感染の蔓延が続くようなら、年明け2月、政府に2度目の「緊急事態宣言」を出してもらい、みんなで「巣ごもり」をしませんか?

「医療ジャーナリスト風情がなにをバカなことを言っている」と猛反発を食らうかもしれません。自粛要請が出されたら、再び大きな経済的ダメージを被る可能性があります。「今度こそ破産してしまう」と恐れる人も多いでしょう。


©iStock.com

2月なら経済的ダメージを最小限にできる

 ですが、2月なら経済的なダメージを最小限にできるだけでなく、むしろ工夫次第では例年より経済を上向きにすることも可能だと思うのです。「自粛要請」というと後ろ向きなイメージがありますが、みんなで楽しく「巣ごもり」をすれば、明るくこの危機を乗り越えられるのではないでしょうか。

 なぜ私が「2月」の自粛要請を提案するのか。それは、この時期は家計からの消費支出が大きく落ち込むからです。忘年会、歳末セール、大晦日、迎春と年末年始に多くの人が贅沢をします。その反動で、毎年、正月休みが終わった頃から人びとの財布の紐が堅くなり、消費が落ち込むのです。それに、この時期は1年で一番寒いので、みんな外に出たがりません。

 このように、もともと2月は消費が冷え込む時期なので、自粛しても多くの業種で書き入れ時よりダメージが少ないと考えられるのです。といっても、経済をさらに冷え込ませるのはよくありません。そこで、これから自粛が始まるまでの1ヵ月余りをかけて、各業界を苦境に陥らせないために、巣ごもり需要を掘り起こす様々な仕掛けを仕込んでおくのです。

 たとえば、こんなキャンペーンが考えられます。

(1)ネット通販で「巣ごもりの日」セールを行う

 中国では11月11日、ネット通販会社アリババが仕掛ける「独身の日」セールが行われます。今年は11日間で、なんと7兆円を超える売り上げがあったそうです。これにならって2月に、「巣ごもりの日」セールを実施します。

 このセールでとくに力を入れてほしいのが「食材」です。営業時間短縮要請などで外食産業の需要が減り、高級食材が売れ残っていると伝えられています。全国各地の生産者を守るためにも「巣ごもり時期こそ家族でプチ贅沢をしよう!」と呼び掛けてはどうでしょうか。ふだんは家で食べない特産品や地酒などを注文すれば、自粛期間を楽しく過ごすことができるでしょう。

(2)GO TO EAT ならぬ EAT TO STAY を行う

 自粛要請で大きなダメージを受ける業種の一つが外食産業です。そこで「食べに行く」のではなく、「テイクアウト」あるいは「出前」にポイントを付与するのです。感染リスクが減るだけでなく、自粛期間中、家族のために毎食ごはんをつくる手間も省けます。お店の方や配達員の方には感染予防対策をしっかりしていただく必要はありますが、内食需要を喚起することで雇用を守ることもできます。

 もう一つ、外食産業を守るために提案したいのが「プレミアム食事券の事前販売」です。1月から2月の間に、3月から使える食事券を自治体が販売しておけば先に現金収入を得ることができ、そのお金を自粛期間中に事業者に回すことだって可能です。そのうえ自粛明けの外出需要を喚起することもできるので、一石二鳥です。

(3)GO TO TRAVEL ならぬ TRAVEL TO STAY を推奨する

 もう一つ、自粛要請で大きなダメージを受けるのが観光業界です。「GO TO トラベルをやめろ!」と叫ぶのは簡単ですが、ホテル・旅館業や旅行会社などだけでなく、鉄道会社、観光バス会社、日本を代表する航空会社であるJALやANAでさえ、このままでは持たないかもしれません。

 そこで、家族やカップルなど少人数での2週間以上の長期滞在の旅行、すなわち「巣ごもり」のためのホテル・旅館利用だけを認めるのです。外食は原則禁止で、3食ルームサービスか出前、テイクアウトですませる約束にします。そうすれば感染リスクを減らせますし、リモートワークだって可能です。

 といっても、1日中部屋に監禁状態では心身が持ちません。そこで少人数での散歩やスポーツ、買い物などはOKとします。たとえば鄙びた温泉旅館に長期滞在して、気ままな散歩や部屋での読書を楽しめば、文豪気分が味わえます。十分な感染予防対策を取りつつ、北海道でウインタースポーツを楽しむのもいいですし、沖縄の海辺のリゾート地でセレブ気分を味わうのもいいでしょう。

 また、2月は受験シーズンです。厳冬の時期くらい学校は休校にしていいと思いますが、受験生たちは試験会場まで行かねばなりません。そこで遠方から試験を受けに来る受験生向けに格安で「長期滞在受験生パック」を販売します。これならホテルで追い込みの勉強をして、本番に臨むことができます。自粛期間中なら電車も空いていますし、試験会場でも対策を十分に取れば、感染リスクも下げられるでしょう。

(4)テレビは「巣ごもり特番」で社会を元気づける

 1回目の緊急事態宣言の期間は、テレビをつけると「コロナ、コロナ」で、とくにワイドショーが社会不安を煽ったと批判されました。もちろんコロナについて報道することも大事ですが、それより「お笑い番組」「歌番組」「感動バラエティ」「映画」など楽しい特番を増やして、明るく自粛期間を過ごせるよう社会を盛り上げるべきです。

 また、ずっと家にこもると運動不足になるだけでなく、人と接しなくなるために不眠症や認知症、うつ病が増えると指摘されています。これを防ぐために、みんなで一緒にエクササイズをしたり、頭や体を使ったりする番組を増やすといいのではないでしょうか。経済を落ち込ませないために、ネット通販やEAT TO STAY、TRAVEL TO STAY等を後押しする放送もしてほしい。とにかくテレビは、自粛期間中に社会を冷え込ませないことが一番大事です。

医療関係者の疲弊を防ぐために……

 このように楽しく巣ごもり期間を過ごしつつ、自粛明けの明るい春を待つのです。3月、4月は新生活がスタートするシーズンでもあります。それに向けて新春セールを仕込んでおけば、さらに経済をアップさせることも可能でしょう。

 もし1年でコロナが終息しないのなら、毎年2月は「巣ごもり期間」として、恒例にすればいいのです。そうすれば、インフルエンザやノロウイルスなど冬に流行する他の感染症も抑えることができるでしょう。突然の緊急事態宣言だから、みんなどうすればいいかわからなくなってしまうのです。2月に自粛要請が出るとわかっていれば、社会全体で備えることができるはずです。

 また、一定期間自粛をすることで、コロナ闘病の最前線で奮闘している医療関係者の応援にもなります。今、医療関係者のみなさんが疲弊しているのは、重症者が増えたことだけでなく、コロナとの闘いに終わりが見えないことも大きいと思うのです。「2月になれば感染者が減る」という希望が見えれば、医療関係者の方々の励みにもなるのではないでしょうか。

経済を破壊することなくコロナ禍を乗り越える

 一方、年末年始から自粛期間中にかけて、政府や自治体は医療体制の崩壊を防ぐために、コロナ病床、療養病床の確保、ナース・ドクター、保健所職員などの人材確保に全力をつくすべきです。

 欧米より一桁も二桁も感染者・重傷者が少ないのに医療が逼迫するのは、日本の医療システムが硬直しているからだという指摘があります。どうすれば医療崩壊を防ぐことができるのか、政府、自治体、地域医療の責任者たちは知恵を絞り、自粛期間中に汗をかくべきです(森田洋之「『医療崩壊』を叫ぶほどに見えなくなる『日本医療の根本の問題』」アゴラ2020年12月9日)。

「そんな都合良く行くか」と多くの人からお叱りを受けるかもしれません。しかし、私は具体的な提案もせず、ただ批判ばかりするのは好きではありません。それに「経済よりコロナ対策を優先すべき」「コロナ対策より経済を優先すべき」というどちらの主張も、極端な意見であり、非現実的だと思います。

 どうすれば経済を破壊することなくコロナ禍を乗り越えることができるのか、みんなで知恵を絞り、政府に実行を迫るべきではないでしょうか。

(鳥集 徹)

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