11月28日深夜、東京・恵比寿の高級ラウンジ「X」で従業員女性A子さん(20)が亡くなった。警視庁渋谷署によって死因は事故として処理されたが、A子さんは亡くなる直前に“ある客”からの提案でテキーラ瓶の一気飲みをしていたようだという噂がSNSを中心に広まり、いま大きな波紋を呼んでいる。
なぜなら、その“ある客”がZOZOTOWN創設者の前澤友作氏(45)や、実業家の堀江貴文氏(48)、前田祐二氏(33)らと交流が深い有名実業家の光本勇介氏(38)だったからだ。光本氏は「実験思考 世の中、すべては実験」(NewsPicks Book、幻冬舎刊)というビジネス書も出版している。担当したのは有名編集者の箕輪厚介氏だ。
「実験思考 世の中、すべては実験」(NewsPicks Book、幻冬舎)
「光本氏は事業を立ち上げ、売却することで財を成した起業家です。持ち物をすぐに現金化できるサービス『CASH』を展開していた株式会社バンクをDMMに約70億で売却しています。しかし事業が上手くいかず、その後に光本氏が約5億で買い戻したことも話題になりました。
著書『実験思考』は読者が買値を決めるという斬新な方法で発売し、1カ月半で約1億円を売り上げています。そのサービスを提供する株式会社価格自由には、取締役会長に幻冬舎社長である見城徹氏(69)が、代表取締役に光本氏と箕輪氏が名を連ねています」(経済紙記者)
光本氏本人が語った「私が提案したわけではない」
NewsPicksにもよく登場していた光本氏の名前はSNSで一斉に広がり、一時はTwitterトレンドにもランクイン。事態が大きくなったことを受け、12月10日、光本氏はニュースサイト「デイリー新潮」の取材に応じ、A子さんが亡くなった直前の様子を明かしている。
「女性急死のテキーラ事件 渦中の100億円『起業家』は『私が提案したわけではない』」と題された記事では、A子さんがその場でテキーラ1瓶を飲み干すことに挑戦したことを認めながらも、あくまでA子さんが自ら進んで行ったことであると、自身の関与を否定している。
《ただ、これは私が提案したわけではないのです。今回、残念ながらお亡くなりになった女性が、自ら志願してきたものです。「私、お酒に強いのでやってみたい」と》
「A子が志願するなんて信じられない」友人の悲痛告白
しかしA子さんの友人は、目元に涙を浮かべながら、悔しそうにこう語る。
「A子はお酒があまり強くないこともあり、自ら進んで深酒をするタイプではありません。すぐに顔が赤くなるし、一緒に飲んでいてもお酒を飲み残すことが多かった。それにA子は実家暮らしですし、お金に困っている素振りを見せたこともありません。ラウンジ勤務はあくまでアルバイトで、お客さんとアフターに行ったこともない。そんなA子が10万円欲しさに『私、お酒に強いのでやってみたい』とテキーラを一気飲みするなんて……。信じられません」
光本氏はインタビューで現場となったラウンジ「X」には11月27日の午後11時半頃に行き、VIPルームの個室に案内されたと語っている。煌びやかな高級ラウンジの密室で、何が起きていたのだろうか——。
「A子さんは性格がよくてちょっと天然な、嫌味のない美人」
ラウンジ「X」の関係者が、絶対匿名を条件に重い口を開いた。
「A子はお父さんが外国の方でとにかく可愛い。昼はアパレルの仕事をして、週1、2回ほど『X』でアルバイトをしていました。性格も良くて、A子からはお客さんの愚痴や同僚の悪口を聞いたことがない。
店内にある1、2段の階段を上がったところに女性従業員が待機するスペースになっていた一番大きいテーブルがあるのですが、A子はその待機テーブルではなく、なぜかいつもバックヤードの控室の端っこにいました。なぜそこにいるのか聞くと『ここが落ち着くんだよね』と笑顔で話していた。綺麗で性格がよくてちょっと天然で、まさに嫌味のない美人でした」
A子さんは若いこともあり、男女問わず従業員から妹のように可愛がられていたのだという。そんな可憐な女性の人生は、11月27日に来店した光本氏らの席についたことで暗転する。
「その日、光本さんのグループは確かに個室で飲んでいました。その席にA子もついていた。その日、A子は珍しく随分酔った様子で、0時頃にはトイレの前でうずくまっていたところが目撃されています。それでもまた個室に戻り、しばらくして光本さんらが退店しました」(同前)
その後、A子さんは姿を消していたという。
「A子は段ボール箱に頭を突っ込んで倒れていた」
「閉店時間の午前3時。女性従業員らはその日の給料をバックヤードで受け取って帰り支度をするのですが、そこにA子の姿がなかったんです。みんな不思議に思っていたようですが、『何か用事があったのかな?』くらいで、特に問題視していませんでした。しかし、A子は光本さんたちが退店した後は空いていた個室にいて、段ボールのような箱に頭を突っ込む形でぐったりし、酔い潰れてしまっていたようなんです。
営業中、女性従業員はそれぞれのお客さんの席についていたので、多くの子はA子がそんな状態になっていることには気がつきませんでした」
A子さんは極度の酩酊状態にあったようだ。しかし、光本氏はA子さんの様子について、デイリー新潮の取材にこう語っている。
《彼女が気持ち悪そうだとか苦しそうな顔をしていたというような記憶はありません。終始楽しそうにしていらっしゃった》
《本当にちょっと吐いただけという感じでしたし、お店の方がしっかり介護している様子を見届けてから1時半頃に帰りました》
「A子の具合はかなり悪そうでした。しかしまさか亡くなるとは……。一緒に個室についていた女性従業員らが『A子がかなり飲まされていた』と話していたので、『テキーラチャレンジ』をさせられたんだろうなと思いました」(同前)
そもそも「テキーラチャレンジ」とは、15分以内にアルコール度数の高いテキーラをボトル1本飲み干すという、光本氏が発案した“ゲーム”だという。
実際、A子さんは亡くなる前にテキーラチャレンジをしており、光本氏はインタビューで《750ミリリットルくらいのテキーラ1本を制限時間の15分以内に飲み干せたら、10万円をご褒美としてもらえるという内容》《楽しくお酒を飲んで盛り上がりたいという、他のよくある飲み会ゲームと同じ趣旨のレクリエーション》などと説明している。