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足元の株高に違和感あり 景気回復でも日銀は苦しくなる

日経平均株価がバブル後の最高値を更新したが、違和感しかない。コロナ禍、外食産業をはじめ実体経済は疲弊し「あきらかに不景気」だ。中央銀行が国債を買い取り、お金をばらまいた行き先が、株に向かう形で、実体をともなっておらず、投資するには先行き不安だ。

先日ニッポン放送で、参議院時代の同期であり、元モルガン銀行東京支店長で伝説のディーラーと呼ばれた藤巻健史さんと電話対談した。

藤巻さんは、コロナ禍で世界中が財政出動する状況で景気は良くなるが、「日本株も米国株も能天気に買ってはいけない」と警告する。

「バイデンバブル」は、大きな政府を掲げる民主党の財政出動の期待や、ワクチン開発、景気好転を、相当先買いをしている感がある。

かねてから日銀の債務超過を主張してきた藤巻さんだが、その危機は「明日おきてもおかしくないし、世界の景気が良くなったときも危険だ」と指摘する。

実際に景気が良くなり米国の長期金利が上がると、日本の長期金利もつられて上がり、大量の国債を持つ日銀が莫大(ばくだい)な評価損を抱え、日銀が債務超過に陥りかねない。円に対する信用がなくなれば、円安や、インフレになる。ハイパーインフレもあり得る。その場合、公務員や年金生活者など支給額が決まっている人があおりを受ける。

私は11月24日の連載で「公務員ボーナス削減幅0・05カ月」と指摘した。一部の公務員の方から「コロナ禍、一生懸命働いている」ときびしいご意見があった。表現が足らなかった。医療現場をはじめコロナ対応にあたる公務員の方へはしっかりと敬意と感謝を申し上げたい。

一方、議員時代、財政破綻した北海道夕張市を視察した際、公務員の平均年収3割減、市の職員数も半減という事実を目の当たりにした。財政破綻を起こしたら、公務員は大きな被害を受ける。そうしたことは絶対にあってはならない、そうした国家財政全体を「俯瞰(ふかん)した」警鐘が指摘の本意だ。

最近の首長選挙の風潮として、コロナ禍で「1人何万円給付」と耳のいい公約を掲げ、現職を倒し、当選し始めている。12月2日の朝日新聞朝刊の社説も「ばらまき公約」を問題視している。

藤巻さんは「30~40年前の金融マンがタイムマシンで来ると、今の状況に腰を抜かす。私は古いタイプの金融マンですから」そう言った。私は古い新しいではなく「正しい」金融マンだと思う。

赤字国債を刷りそれを日銀が引き受ける。政治家はばらまき政策を掲げる。こうしたことを続けることが「俯瞰して、正しい」ことなのか。全国民が考えるべきだと思う。

【夕刊フジ】「渡邉美樹経営者目線」(毎週火曜日連載)より

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