記事

インフルエンザについて

以下は推測の部分も多々あるので、医学的解説というよりも医学的推考、どちらかというと「エッセイ」に近いものと思って読んでいただきたい。

インフルエンザの発生件数が非常に低い。なんでも、「ツインデミック」みたいなものを喧伝したメディアもあったようだが、2020年初頭にインフルが非常に少なかったのと同様、この冬はインフル発生は少ないままであろう。

理由はいくつか考えられる。

1.夏の南半球のインフル発生が非常に少なかった(COVID-19対応のため)。よって、冬の北半球にウイルスがほとんど循環していない。

南米のチリ、オセアニアのオーストラリア、アフリカの南アフリカいずれもインフルはほとんど発生しなかった。南半球で循環するインフルエンザウイルスの多くが冬に北半球で流行することを考えれば、当然北半球でもインフルは少なくなる。

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6937a6.htm

2.北半球のCOVID-19対策もインフルを減らしている。

インフルエンザもCOVID-19も感染経路はほぼ同じであり、飛沫感染と接触感染だ。感染経路を遮断すれば感染症は流行しないのであり、コロナ対策そのものがインフル対策になっている。

https://www.mhlw.go.jp/content/000701414.pdf

では、COVID-19が暴れまわっている米国ではどうかというと、例年よりも低い状態だが、インフルの発生はそれなりに確認されているようだ。

赤三角が今シーズンで、たしかに低いのだが、極端に低いわけではない。

https://www.cdc.gov/flu/weekly/index.htm

コロナ対策イコールインフル対策であれば、コロナが増えまくってる国ではインフルも増える道理だが(ツインデミック?)矛盾するように米国でそれが起きていないのは南半球のお陰なのかもしれない。

3.その他(ワクチンなど)

まあ、一般に自然界の事象に対するシングルアンサーはないことが多く、しばしば複数の要因が複合的に現象をもたらすことのほうが多い(だから、「〇〇が原因で✗✗になる」とか「なんとかするためのたった一つの方法」みたいな本は信用しないほうが良い)。インフルの循環も拙著「インフルエンザはなぜ毎年流行するのか」で書いたように、南半球由来、赤道周辺由来、年中日本にいるやつと、いろいろかつ複合的なので、「これが理由だ」と単一解を求めるのは不可能だろう。

とにかくこの冬は例年よりもインフルは少なくなると考えるのが道理なのだが、米国のデータでもインフルは少ないながらも増加傾向だ。よって、基本的な感染対策を怠り、そこにウイルスが入ってくれば、やはりインフル流行は起きうるのだ。油断大敵ということだ。

あわせて読みたい

「インフルエンザ」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。