草津町で起きた新井祥子氏への議員解職は、一体、いつの時代なんだと思わせるような異様な光景でした。
町をあげての解職賛成に投票しようという呼び掛けは、村八分の様相です。
地方に行けば行くほど、こうした村八分は厳然と存在しているのでしょう。都市部との違いをまざまざと見せつけてくれました。
「「町議リコール」連呼の町 性被害告白→解職されるまで」(朝日新聞2020年12月7日)
こんなことをやっていたら、若い人などが転入してくることもないだろうし、町の若い人たちも出て行ってしまうことでしょう。人口減少と高齢化が加速していくのも、よくわかります。
しかし、だからといって草津町に対する嫌がせ行為は、言語道断です。
滋賀県草津市がそのとばっちりを受けているようですが、群馬県草津温泉も有名ではなくなってしまったのでしょうか。
「「群馬の草津じゃありません」滋賀の草津市、お門違いの爆破予告受ける 町議リコールめぐり」(弁護士ドットコム)
爆破予告も草津市ならダメで、草津町ならいい、という話ではなく、相手がどうあろうと、やったらダメなものはダメなのです。
こういった事件こそ、警察は本腰を入れて、立件すべきです。
やっていることが卑劣です。草津町の異様さとは、全く別の異常性があります。陰湿です。
以前からもこうした陰湿さはありました。
餃子屋に対して、難癖をつけた堀江貴文氏の投稿に触発されて嫌がらせの電話を掛けていた人たちは、本当に最低の最低レベルの人たちです。
「堀江貴文 餃子店1千万円支援に苦言「もういいよ」と呆れ声も」(女性自身2020年10月28日)
日本社会が病んでいるということを私たちは、もっと自覚した方が良いです。
草津町は病んでいるというより、八つ墓村の世界を彷彿させる昭和の異臭を放っている時代錯誤の集落を思い起こさせるものです。

2020年11月23日撮影
ところで、このリコール問題ですが、新井氏の主張が矛盾だらけだから、それをおかしいと判断したのが草津町民の判断だという弁護士による主張(解説)がありました。
(コメント欄でご紹介頂きました)
「草津温泉リコール問題を検証する。ある弁護士から見た、今回のリコールの原因となった町民の判断とは?草津町民の判断は正しい。」
この主張自体も机上の議論の話だし、絶対に新井氏の主張が虚偽だと決めつけるだけのものとは思われません。不自然、不合理という点だけでいえば、医師による強制わいせつ事件の控訴審での逆転有罪事件には正直、びっくりしました。犯行が行われたにしては、不自然な場面設定だったからです。
「準強制わいせつ罪に無罪判決 被害者代理人の主張に疑問」
この控訴審判決が正しいのかどうかはともかく、町民が決めつけ、クロ認定をして解職に賛成する行動は冷静なものとは言い難いものがあります。
住民投票で町議失職「お騒がせ」「町長は独裁」賛否の声https://t.co/EEElCmZHIy
— 朝日新聞デジタル (@asahicom) December 7, 2020
町長からの性被害を告発した群馬県草津町の新井祥子町議が失職しました。町民の中では、「弱いモノいじめ」のようの感じたという人や、「訴えが本当かどうかは分からない」と違和感を感じる人もいました。 pic.twitter.com/6UbUUEW2ut
町民の意思だから尊重せよというのも誤りです。その判断も批判の対象にはなるからです。
そうした批判にも耐えうるものでなければならないものです。
もちろんだからといって前段で述べたような爆破予告などのような嫌がらせが正当化されるものではないし、犯罪の領域にまで踏み込んでいるのですから、いかなる意味においても正当化されることはありません。
「草津町議会議員のリコールによる住民投票 少数派の排除にしかみえない」