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欧州の航空産業に亀裂、英国が対米報復関税停止へ


[パリ/ロンドン 9日 ロイター] - 英政府は8日、航空機補助金を巡る対立からボーイング製の航空機など米製品に適用している報復関税を来年1月1日に停止すると発表したが、業界関係者やアナリストによると、ライバルのエアバスは、今回の決定に衝撃を受けており、航空産業への投資を巡り英国と欧州連合(EU)の溝が広がっている。

英政府は、航空機補助金を巡る米・EUの対立を和らげることが今回の措置の目的だと説明。EUの貿易政策から距離を置き、米国との関係強化を目指す狙いがあるとみられる。

これまで英国、フランス、ドイツ、スペイン政府は、エアバスを保護するため、団結して対米報復関税を導入してきたが、今回の措置で足並みが乱れることになる。

米通商代表部(USTR)は9日遅く、英政府の決定を歓迎すると表明した。

複数の業界関係者によると、エアバスを支援するEU諸国は、今回の英国の決定をエアバスに対する「裏切り」と認識。英国の航空業界団体のトップも、英政府が米国に見返りを求めずに一方的に行動したと批判している。

エアバスは英国で1万4000人を雇用。エアバスの大株主はフランス、ドイツ、スペインで、英国は株主ではないが、エアバスの航空機の翼は事実上ほぼすべて英国で生産されており、英政府は一定の発言権を持っている。

複数の関係筋によると、エアバスは、今回の措置を受けて、新型航空機の翼をどこで生産するか検討を迫られるとみられる。

エアバスの工場の大半は、フランス、ドイツ、英国、スペインにある。

エアバスは、英政府の決定について、航空機補助金を巡る問題を交渉で解決するという目標に変わりはないと表明。

米・EUは航空機の補助金を巡って16年にわたって争いを続けており、外交筋によると、双方は問題の解決に向けて「真剣な」交渉を進めている。

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