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勝利の本質 アメリカ超成長企業に学ぶ新マーケティング戦略 (レジス・マッケンナ)

リンク先を見る 「勝利の本質」は、ハイテクマーケティングの権威として有名なレジス・マッケンナ氏が1980年代に書かれた書籍です。

 かなり前に読んでいたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。

 レジス・マッケンナ氏については、Marketing Voiceというポッドキャストで初めてインタビューを聞いて感動したことがあるのですが、意外に彼の本は日本語訳が出版されていないため、この本を買ったという経緯があります。
 なにしろ、80年代の本ですから、インターネットとかが形も見えない時代の書籍なわけですが、今読んでも実は「グランズウェル」や「マーケティング3.0」などの最近の書籍と根底で通じているように読めるので不思議です。

 ドラッカーやコトラーの本を読んでも同じような感覚を覚えることが多いですが、マーケティングにおける本質というのはネットやソーシャルメディアによってそれほど変わってないんだなと言うのが改めて分かります。
 最近のトレンドではなく、一歩引いてマーケティングを考えてみたい方には参考になる点がある本だと思います。


【読書メモ】

■この社会では、情報はもはや使い捨てになってしまっている。
 情報を与える代わりに、私は市場を把握し、市場とともに動き、良好な人間関係を確立させるという手段をとる。情報はあっという間に消えてしまうが、人間関係には永続性があり、この変わり身の速い社会では非常に強力な武器となる。

■「マーケティングを教育のプロセスとみなす」よう企業に直言している。

■新しいビジネス環境で成功するには、全部門の社員がマーケティングを念頭に置いておかねばならない。

■ダイナミックな地位確保戦略
・第一段階 製品の位置づけ
・第二段階 市場での製品イメージの定着
・第三段階 企業の評価確立

■売りつける商法と買わせる商法の決定的な差
・売りつける商法の基盤は、広告とプロモーションである
・買わせる商法では、優秀な製品を開発し、市場の構造を理解し、市場の主要人物や企業と手を組むことに焦点が合わせられる。


■四つの支柱
・マーケティングは、市場の変動に合わせてダイナミックに展開する必要がある
・マーケティングにおいては、市場分割ではなく市場創出に焦点を合わせなければならない。
・マーケティングは、プロモーション活動ではなく建設活動である。
・マーケティングは、量の問題ではなく質の問題である

■製品の個性を際立たせる四つの黄金律
・企業は市場のトレンドや動向を知らなければならない
・企業は、つかみどころのない「無形の」要因に焦点を合わせなければならない
・企業は製品ターゲットを特定の層に絞るべきである
・企業は試行錯誤を恐れてはならない

■ソフトウェアクライシス
 アンディ・グローブ会長はこの現状を見て取り、これに「ソフトウェアクライシス」という新語を与えた。そしていかにインテルの製品がこの危機の緩和に役立つかを説き始めた。彼は、インテルが開発した数個の新しいシリコンチップに話題を集中させた。

■IBMのFUD戦略(Fear,Uncertainty,Doubt)
 IBMは、顧客の不安をあおる方法をビジネス戦略の中核に置いてきた。
 予測の断たない激動するビジネス環境にあってはIBMこそが唯一の安全な会社だと説明する

■製品の信頼性を高める3つの秘訣
・著名人・著名企業のバックアップを得る
・他人の口を通してPRする
・目に見える成果を大々的にアピールする

■製品の市場での信頼性確立のための5つのノウハウ
・口コミの威力を最大限活用する
・市場のインフラストラクチャーを味方に引き入れる
・企業間提携を戦略的に追求する
・適切な販売ターゲットを選択する
・マスコミに正しく対処する

■口コミは、他のコミュニケーション手段とは根本的に違っている
・口コミは経験に裏付けられた手段である
・伝えたいメッセージを相手に合わせて変えられる
・口コミ情報は瞬間的にフィードバックされる

■90%対10%
 世の中の90%は、残りの10%によって支配されている

■小企業は常に、パートナーである大企業の計画のどこに自分が位置しているか留意すべきである。大企業のお情けにすがらないかぎり生き残れない、という事態は断じて回避しなければいけない。

■正しい対マスコミ戦略
・企業はジャーナリストの役割を理解することが必要
・あまり早く新聞社、雑誌社にかけこんではいけない
・間違ったイメージを刷り込まない
・市場のインフラストラクチャーへの根回しも重要
・ジャーナリストたちを教育するという観点も忘れてはならない
・マスコミとは長くつきあう心構えが肝心
・ビジネス上の不祥事が起こったら、あくまで正直になることも大切
・マスコミとの接触においてはトップの管理者を使うべき

■市場の統計値は、変化の速い業界ではほとんど意味を持たない。

■非常に伝統的なマーケティング法の問題点は、予測の断たないものを正確に予測しようとするところにある。

■戦略会議は三段階に分ける
・入力段階:最初の1時間では、座っていろいろな発言にじっと耳を傾ける。
・分析段階:自分の意見をいくつか黒板に書く
・統合段階:ここでは数値もグラフも使わない。必要なのはアイデアだけである。

■企業をゆさぶる目に見えない10の敵
・変化
・変化に対する抵抗
・製品に対する世間の知識
・顧客心理
・大量生産主義
・大企業病
・ビジネスの鎖の破壊
・視野の狭さ
・業界をおそう突然の変動
・自分自身

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