
[北京 9日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は9日、シンガポール・フィンテック・フェスティバルにビデオ出演し、2060年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標達成を後押しするため、環境ファイナンスの基準を改善する方針を明らかにした。
習近平国家主席は9月に温室効果ガス排出の増加を2030年までに食い止め、60年までに排出を実質ゼロにする炭素中立(カーボン・ニュートラリティ―)の実現を目指すと表明。
易総裁によると、中国国内の、資金の使途を環境に配慮した事業に限定するグリーン融資の残高は6月時点で11兆元(1兆6900億ドル)超と世界最大規模に上り、同様の縛りがあるグリーン債は1兆2000億元と、世界第2位の規模にあるという。
総裁は、ビッグデータや人工知能(AI)、ブロックチェーン(分散型台帳)を含む金融工学がグリーンファイナンス推進でますます大きな役割を果たすことになると予想した。
また、中国は環境や気候が金融安定に及ぼし得るリスクに関する研究を強化する方針だと述べた。