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トヨタが新型ミライ発売、水素普及の旗振り役に 性能向上で価格抑制


[東京 9日 ロイター] - トヨタ自動車は9日、水素で走る燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の新型車を発売した。世界初の量産型FCVとして注目を浴びた初代から6年ぶりの全面刷新となる2代目。航続距離を延ばすなど性能を高めつつ、初代から価格をやや抑えた。前田昌彦執行役員は、新型ミライは「本格的な普及の出発点」と指摘。水素社会の旗振り役を担い、拡販を目指す。

FCVは水素を燃料とし、走行中に水しか出さずCO2を出さないため、トヨタは「究極のエコカー」と位置付けている。約5億円の建設費用がかかる水素ステーション整備の遅れなどにより、初代は思うように普及が進まなかった。2代目で普及させられるか正念場だ。

新型の販売価格は710万円からで、初代の約740万円からやや下げた。トヨタによれば、エコカー減税や補助金などにより約140万円の優遇を受けられる。航続距離延長のほか、ハンドルに触れずにスイッチを押すだけで自動で縦列駐車ができる運転支援機能も搭載。一般家庭が日常で使う電力量の400W消費時で約4日間電力供給できる給電システムなども備えた。

開発責任者の田中義和氏は「確かに価格は高いが、(水素ステーションが少ないなどの)制約があっても欲しいと思える車を出すことが普及につながるのではないか」と述べた。

新型は車台を刷新し、燃料電池(FC)スタックなどの基幹部品も新たに設計、前輪駆動から後輪駆動に変更した。乗車定員数も初代の4人から5人にした。水素タンクを2本から3本に増やし、水素搭載量を約20%拡大。FCスタックの発電効率も改善し、航続距離を約650キロメートルから約850キロメートルと約30%延ばした。水素の補給なしで東京から広島まで走行できる。

初代は手作業での組み立てだったが、新型は通常の量産ラインで生産する。ミライと基幹部品を共有する車種も増やし、量産効果を狙う。初代の生産能力は直近で年3000台だったが、今後はトラックなども含めて年3万台規模を見込む。

2014年に発売した初代の累計販売台数は世界で約1万1100台にとどまる(9月末時点)。新型の販売目標は掲げないが、初代同様に日本、北米、欧州で投入する。

今回は生産能力を約10倍に引き上げたことで、田中氏は「注文が3万台あれば3万台出すことができる。あとはお客様のニーズ次第だ」と語った。前田氏はまた、「初代では想定より商用車用途が多いことも分かった。今回は乗用車の普及だけでなく、商用車でも拡大することを期待している」と話した。

*内容を追加しました。

(白木真紀 編集:内田慎一)

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