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不倫相手と“露天風呂付き部屋”に泊まる常連も…旅館の女将が明かす「ヤバい客」へのおもてなし 『女将は見た 温泉旅館の表と裏』より - 山崎 まゆみ

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 緊急事態宣言下での休業や閉館、さらにはGo Toトラベルキャンペーンの実施など、2020年は宿泊業に大きな注目が集まる1年だった。ステイホーム中に「コロナが落ち着いたら、ゆっくり温泉にでも行きたい……」と思った人も多いはず。そうした温泉旅館に欠かせないのが、日本の「おもてなし文化」を支える“女将”たちの存在だ。

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 長年温泉旅館を取材し続けてきた山崎まゆみ氏による『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)は、そんな女将たちの知られざる日常と“本音”に迫った1冊。同書の中から、5人のベテラン女将たちが“旅館の裏側”を明かした「匿名座談会」の一部を抜粋して公開する。

A:中部地方の温泉旅館に嫁いだ50代女将。

B:関東の温泉旅館の跡取り娘として育った40代女将。

C:関東の温泉旅館を営む50代女将。

D:東北の温泉旅館に嫁いだ40代女将。

E:関東の老舗旅館に嫁いだ40代女将。

◆◆◆

困ったお客様は「いますね〜」

――毎日たくさんのお客様を迎えていますが、困ったお客様はいますか?

一同:いますね~(笑)。

C:お客様から「お風呂から出て来たら、脱衣所に置いておいたお財布を持っていかれた」と言われました。「すごい高価なものなの」と半べそかいて、「私の後に大浴場へ人が来たはず。顔を見ればわかるから」と、ご自身がチェックアウトする際に「見張るので、玄関にいる」と言い張られて、もう大騒ぎでした。もちろん、お断りしましたので、ものすごくお怒りになってお帰りになったんです。でも、帰宅されてから電話がありまして、「うちにありました」と、さらりと言われました。


©iStock.com

A:(笑)。でも電話してきて下さるだけいいじゃない。

C:お客様同士で喧嘩することもあります。消防士の方の宴席だったんですが、殴り合いになって怪我をされて、もう血だらけ。そうした場合は、私たち宿の者は関わらずに、すぐに警察を呼びます。

 喧嘩でもうひとつ。男女でお泊まりのお客様が、深夜にもめたんです。女性が男性に殴られてしまって、「警察を呼んで!」とおっしゃるので、その通りにしたんです。そうしたら翌朝、男性に「警察なんて呼びやがって」と怒られてしまいまして。女性はお帰りの際に「タクシー代を貸してほしい」と言われましたけど、それはお貸ししませんでした。

早朝に警察がやって来て……

A:以前はお客様同士の喧嘩がたくさんありましたが、最近のお客様はおとなしくなりましたよね。

 警察と言えば、早朝に警察の方がいらっしゃって「この人が泊まっていますよね」と、女性の写真を見せられました。うちは宿ですから、お客様のことを言っていいかどうか分からなくて。まずは事情を聞くと、どうやらその女性は駆け落ちしていて、ご主人から奥様の、まぁその女性ですよね、捜索願いが出されているんだそうです。

 警察の方から「旅館の敷地を出るまでは何もしないので、ここにいていいですか」と、ロビーの隅で待機したいと言われまして。じっとコーヒーを飲んで待っていました。車はパトカーではなくて、普通車でしたね。そのお客様が精算を終えて、外に出て行ってから、警察が追いかけるように宿から出て行きました。その先は見ていませんが。でも、どうしてうちの旅館に来ていたのが分かるのかしらね......。

――やはり、宿には男女のもつれもあるのでしょうか。

B:うちはあまりないんですよね。客室数の多い大型旅館で、団体客を受け入れていますので。

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