
[北京/シンガポール 8日 ロイター] - 中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)の郭樹清主席は8日、シンガポールで開かれているフィンテック関連イベントに動画を通じて出席し、中国は自国の金融テクノロジー業界の急成長に「前向きで慎重な」アプローチで対応すると述べた。
また業界の「大きすぎてつぶせない(too big to fail)」問題に留意するとした。
郭主席は「一部の大手ハイテク企業は1つ屋根の下での金融とテクノロジー事業でセクター横断的な運営している」と指摘。「新たなシステミックリスクを防ぐためにこうした複雑化したリスクの波及を密接に追跡し、時宜にかなう的を絞った措置をとることが必要だ」と述べた。
また、銀行取引の90%はオンラインで行われているため、フィンテック企業の独占禁止への監視を深め、サイバーセキュリティーを強化するよう呼びかけた。
さらに、データ所有権の将来は政府にとってもう1つの主要な懸念分野だと指摘。「フィンテックは勝者総取り業界だ。データ独占の利点がある中、大手ハイテク企業は公正な競争を阻害し、過剰な利益を求める傾向にある」と述べた。