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中国・武漢での初確認から1年 「春の緊張状態を保ち続けるのは難しい」中で必要なことは

 中国・武漢で最初に新型コロナウイルスが確認されてから、8日で1年。日本国内では再び感染が広がり、東京都では5日に過去最多となる584人の感染を確認した。死者数も増えていて、11月1~7日の38人から11月29日~12月5日には196人と、約1カ月で約5.2倍となっている。

【映像】武漢のナイトクラブには多くの若者の姿

 1年が経ってもなお“第3波”ともとれる状況が続いていることについて、臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏は「コロナが始まった春のような緊張状態を今も保ち続けるのは難しい。そもそも、緊張して不安な状態が続けば続くほど人の心身にはマイナスの影響を与えるので、ある程度環境に適応した結果ともいえる。現状のように感染者数や死亡者数が増えたとしても、良くも悪くも春とは異なる緊張状態だということ」と指摘する。

 政府の分析はそうした人々の心理の影響を踏まえるべきだとし、「コロナとの向き合い方が感染拡大のひとつの変数になることは確かだと思う。でも専門家会議には医療と経済の専門家しか入っておらず、なぜ心理や行動の専門家が入っていないのか。日本では、自粛は“その人の気持ち次第だ”という考え方が根付いていることもあって、行動形成や維持の面で対策を講じるという発想に乏しい。国の政策に疑問を感じる部分もある」とした。

 その上で、藤井氏は3つの提言をした。

 「ひとつは、陽性者の現実についてもっときちんと伝えられるべきだと思う。例えば、テレビなどで重症者の人のドキュメンタリーが流されるなど数字以外のリアルなエピソードが示されることは危機感を高める。自分や自分の身近な人が重症化したらどうなる可能性があるのか、多かれ少なかれ考えさせられることにつながるからだ。個人情報には配慮しつつも、そういうことは定期的に知れるようにするべきだと思う。

 2つ目は、啓発が続けられること。一人ひとりが当事者意識を持つためにどうすればいいかというと、例えば“コロナ啓発リーダー”のような、SNSを通じて啓発に関与できる人を一定数任命して、その人が啓発のための情報を流したらポイントが貯まるような、そういったことにお金を使うやり方もあるのではないか。国や行政からの発信も意味があることには間違いないが限界もある。情報の内容ももちろん大事だが「誰から伝えられたか」という意味では、やはり身近な人から聞いたことは人の心や行動に大きな影響を与えるので、集団の同調性を前向きに活かした工夫も大事だと思う。

 3つ目は、基本的で正しい情報を継続して伝え続けること。スーパーコンピュータによる分析結果がメディアに出たり、マスクも不織布と布とウレタンでは飛沫の飛び散り具合が違うというデータも出ている。マスクの付け方や手の洗い方など基本的な情報ではあるが、伝える続けることは大事だと思う。すでに十分に知れ渡っていることでも、意識下に置かれなければそれは時に確実性の低い無意識のルーティンと化してしまう。手を替え品を替え刺激を提示し続けることが、人の心理・行動を作っていくことに繋がる」

(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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