自民党は憲法改正案の策定を取り止めたようだが、これはこれで結構だろうと思っている。
安倍前総理の時代に自民党が提案した憲法改正4項目は、本格的な憲法改正論議を避けてとりあえず憲法改正はした、と示すだけの言わばアリバイ作りのためのものでしかない。
真面目に憲法改正の議論をしようと思っている人から見れば、本気で検討の対象としたくなるような代物ではない。
安倍前総理が言っているから、皆、お付き合いしただけで、あれが本当の自民党の憲法改正案だなどと言ったら、長年にわたって真剣に憲法改正議論をしてこられた先人から呆れられたはずである。
安倍前総理が言及した改憲4項目は、国会で行われていた議論とは別のところから唐突に持ち出されたものだろうと思っている。
国民民主党が盛んに憲法改正論議を展開しているが、こちらの方が、かつての国会での様々な調査結果や議論を踏まえたオーソドックスな憲法改正論議になっている印象である。
内容については異論がある方も多いとは思うが、議論の対象の選び方や議論の運び方には大方の賛同が得られるはずである。
支持率は相変わらずパッとしないが、憲法改正論議では自民党の一歩先を行っていることは間違いない。