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「桜を見る会」前夜祭

7年8か月も「前総理」と呼ばれてきましたが、ようやく私も「元総理」の仲間入りを果たすことができました。持病が悪化して9月に総理を辞職した安倍前総理は、体調もかなり回復し再々登板説まで流れていましたが…。

安倍前総理の後援会が「桜を見る会」の前日に都内ホテルで主催した前夜祭を巡り、前総理の公設第1秘書らが東京地検特捜部から事情聴取されていたことが明らかになりました。前総理側は、昨年までの5年間で開催費用の不足分約8~9百万円余(報道にバラツキがある)を補填していたといいます。

ということは、安倍前総理は何十回も国会で虚偽答弁を繰り返したことになります。しかも、堂々と雄弁に。秘書の虚偽説明を鵜呑みしたからであって、本人は何も知らなかったという説もありますが、私は賛同できません。事実を知っていながら、臆面もなくいけしゃあしゃあと嘘をついていたのではないでしょうか。

1人5千円の会費では足りず、不足分を補填した8~9百万円もの資金の出所が問題です。秘書が独断で右から左へ動かせる金額ではありません(少なくとも零細な野田事務所ではありえません)。裏帳簿や隠し口座があるのか、前総理のポケットマネーを充当したのか。いずれにしても前総理本人の関与があったとみるのが自然でしょう。

安倍氏側が政治資金収支報告書に政治団体として支出しながら記載していなかったわけですから、政治資金規正法違反(不記載)容疑は濃厚です。公職選挙法違反(有権者に対する利益供与)の疑いもあります。そして、秘書の立件だけで終わるのか前総理にまで及ぶのかも焦点になってきます。

まさに、検察捜査の行方が注目されるところです。「桜を見る会」前夜祭問題が浮上したのは昨年でした。そして、年が明けて今年1月末に、東京高検黒川検事長を検事総長にするための前例のない定年後の勤務延長が、なり振り構わず閣議決定されたのでした。安倍政権は検察人事に介入し、黒川総長の下での穏当な対応を期待したのでしょう。黒川氏が賭け麻雀で辞職した今、政治とカネの不正を摘発する検察の独立性が問われています。

厳しくその使命が問われているのは国会も同じです。国権の最高機関で一国のトップが真っ赤な嘘をつくことを許せば、議会制民主主義は成り立ちません。嘘をついたら偽証罪となる予算委員会の証人喚問で、安倍前総理に改めて説明を求めるべきです。

疑惑の幕引きを許さずコロナ対策についてもさらに議論を深める必要から、野党は国会の会期延長を強く求めました。しかし、政府・与党は臭いものに蓋とばかりに、国会を閉じてしまいました。菅総理が逃げっ放しの41日間の臨時国会でした。

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