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「私怨フェミニズム」の罪

上野千鶴子氏がインタビューで、自分がフェミニストになった理由は男性(社会)への「私怨」からだったと語っている。「完全に私怨です」上野千鶴子はなぜフェミニストになったのか(PRESIDENT Online)」

その語り方もいつもの上野節でこのように揶揄する。

私がフェミニストになった理由はね、私怨よ。

【田房】おおー!

【上野】私的な恨みつらみ!「私怨でフェミになるなんてけしからん」とか言う人も時々いて、「フェミニズムとは、男も女も共にジェンダーの正義を求めて闘うこと」だとか(笑)。

同記事で上野氏は、 大学紛争時代に上野氏ら女子大学生がいかに男子大学生から差別されてきたかを具体的に思い出している。

その結果「私怨」を抱きフェミニズムに走ったわけだが、まあそれはよくあることであり、またいつもどおりの上野氏的単純明快さ(そこには男性全般へのルサンチマンが見え隠れするため独特のネガティブさを含むのだが)があるので、読んでいるこちらは「あ、そう」というこれまたいつもの気分になる。

だが、よく考えると上野氏も終活を考える年齢となり現役時代は過ぎた。東大教授時代も謳歌し、80年代前半に提唱した女性の地位向上はだいぶ前進したはずだ(もちろん性暴力をはじめ多くの女性差別は残る)。

根強い女性差別は残るものの、一方では「私怨」が渦巻いた50年前と現在とでは、女性をめぐる状況は大きく変化している。それらは以下のようなものだ。

1.「アイデンティティ・ポリティクス」効果により、女性関連の予算が格段に増えた(その括り方に賛否両論はあるが、女性関連予算で8兆円に及ぶ「男女共同参画費8兆円、男女平等に国防費より多い税金」はミスリード。ネットで拡散、その実態は?(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース」

2.「女性」に焦点化するあまり、家族内の真の当事者である「子ども」が潜在化されている(「離婚技術」としての虚偽DVと、子どものアブダクション/拉致の蔓延。その結果、子どもと「別居親」との関係が疎遠になる)

3.「男性/父」のもつポジティブな効果(広い意味での自然教育やその「ゆるさ」が醸し出す情操教育等)が注目されず、オトコの典型的な暴力性(上野氏インタビューに出てくる大学紛争時代のオトコたちのようなあり方)のみに執着する

4.「女」は実は、他にさまざまな「私怨」を抱える。その代表は「母親」への私怨だが、上野氏的「私怨/昭和フェミニズム」はそれらを省略し、「男」一般へと私怨を縮約する。その「縮約」のシンプルさが、一部の女性には救いではあるが、そこにハマることができない大勢は「暴力」と映る

5.上野氏の影響力はメディアと行政に大きく残っており、その影響を受けた人々がメディアと行政をマネジメントする立場に現在なっているため、子どもや父の実態が把握されず報道もされない

このように、軽口で「私怨」を語り、その恨みを「男」や「男社会」に縮約する「私怨フェミニズム/昭和フェミニズム」には、令和2年現在、大きな「責任」が生じている。

それは、カネを握り、メディアを制し、行政施策に大きな影響を与えているからだ。

つまり、「女性」は未だに性暴力被害を受けながらも、同時に「権力」にもなっている。男性はもちろん今も権力ではあるが、女性は「第2権力」になっている。

権力には「責任」が生じる。少女のように私怨を語るその姿は、言葉の正確な意味で「偽善」だと思う。

責任をもつ権力者として、フェミニストには発言してほしい。

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