- 2020年12月08日 09:10 (配信日時 12月07日 11:15)
「大手私鉄16社がすべて赤字」決算発表で浮き彫りになった"最もヤバい2社"
1/2大手私鉄16社の中間決算では、全社が大幅な減収を記録し、赤字を計上した。中でも赤字幅が大きい2社が、西武ホールディングスと京成電鉄だ。ジャーナリストの枝久保達也氏が解説する——。
報道陣に公開された西武鉄道の新型特急車両「Laview(ラビュー)」(手前)。奥は現行の「レッドアロー」=2019年2月14日、埼玉県所沢市 - 写真=時事通信フォト
関東は西武、関西は近鉄が大幅赤字に
大手私鉄16社の中間決算は、新型コロナウイルス感染症の影響で大幅な減収減益となり、全社が経常赤字となった。各社の中間決算の概要を見ていこう(図表1)。

関東圏では西武ホールディングス(HD)の約346億円の経常損失が最大。東京メトロが約265億円、小田急電鉄が約220億円で続いた。関西圏では近鉄グループホールディングスの約438億円が最大で、阪急阪神ホールディングスが194億円、京阪電鉄が約60億円の経常赤字。
一方、赤字額が少なかったのは関東圏では相模鉄道、関西圏では南海電鉄だ。連結売上高に占める経常損失の割合でみると、西武HDの22.4%が最大で、京成電鉄が20%、東京メトロが18.9%、近鉄GHDが15.5%と続く。西武HDと近鉄GHDはホテル・レジャー部門の赤字が、京成と東京メトロは鉄道部門の赤字が影響した。
緊急事態宣言の発出があった第1四半期と比べて、第2四半期は各社とも赤字額は縮小しており、南海電鉄は黒字化、京阪電鉄も黒字目前まで来ている。南海電鉄は大手私鉄では唯一、2021年3月期の業績予想が黒字の見込みだ。
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