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《トライアウト挑戦》新庄剛志の全盛期を支えた元妻が明かす「最後に何か掛けてあげたい言葉?何もない…」 『人を輝かせる覚悟 『裏方』だけが知る、 もう1つのストーリー』より - 大河内 志保

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 日本野球界への復帰を目指したトライアウト参加表明やRIZINの榊原信行CEOからの総合格闘技参戦オファーへの応酬……引退から10年以上が経つ現在もなお、世間をにぎわせる新庄剛志氏。常に破天荒なイメージがつきまとうが、最も近くでその姿を見ていた元妻は彼とのかつての生活、そして現在について何を思うのか。

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 現在もモデル・タレントとして活躍する大河内志保氏の著書『人を輝かせる覚悟 『裏方』だけが知る、 もう1つのストーリー』より、元夫新庄剛志との出会い、そして知られざる素顔を引用し、紹介する。

◇◇◇

第一印象はシャイな人

 私たちが出会ったのは、1992年の11月、船上でのことでした。テレビ番組の「船上クルーズ対談」という企画で、クルーザーに乗って沖縄の石垣島を航海しながら、彼にインタビューする仕事です。

 当時、私はクラリオンガールの任期が終わるころ。この仕事のために羽田空港に向かっているときには、その出発が私の人生を大きく変えるものになるとは1ミリも予測していませんでした。

 当時の私はいわゆる野球音痴。知っていたのは父がテレビで熱心に見ていた巨人のことだけ。「野球ってなんで10回までじゃなくて9回なの?」「セ・リーグとパ・リーグってどう違うの?」というレベル。当然、阪神って何?という状態でした。


©iStock.com

 阪神の選手たちは、そのとき、ちょうど石垣島で自主トレ中。私も前日から石垣島に入って、阪神の選手たちが宿泊するホテルの別棟に泊まることになりました。事前にインタビューのお相手は、ピッチャーの方と伺っていたので、自分なりに父に話を聞き、専門誌を読んで下取材。しかし当日急に、新庄剛志選手の取材許可が取れたとスタッフが騒ぎ始めました。

 彼は1992年のシーズンで亀山努選手とともに亀新フィーバーを巻き起こしたばかり。スタッフは大喜びですが、私は彼についての予備知識がほぼゼロの状態。慌ててスタッフさんが書いた質問事項を渡されました。

第一印象は「田舎のジャニーズ」

 スラッとした体型に茶髪でうつむきながら歩いてきた入団3年目、20歳の彼は、まだあどけない顔で、年下のように見えました。スタジャンを羽織って、でも足元を見るとヴェルサーチのメダルがついた革靴。ちょっとちぐはぐで、第一印象は「田舎のジャニーズ(ごめんなさい)」でした。

 今思えば、まだ発展途上な彼らしい姿だったのかもしれません。

 前日の深夜、宿泊していたホテルでのどが渇き、ロビーまでジュースを買いに行ったら、遠くから指をさして「志保ちゃんだ!ほら志保ちゃん」と叫んだ人がいたことを思い出しました。すぐに仲間に引き戻されてどこかへ行ってしまったので、誰だろう?と心に残っていたのです。

はにかみながら一生懸命話す新庄剛志

 目の前にいるのはまさにあのとき、私を呼んだ声の持ち主。暗い場所で、あんなに離れたところから見えるなんて、さすがに野球選手だけあって目がいいなあ、と感心してしまいました。

 当時、私が出演しているクラリオンのCMがフジテレビの『プロ野球ニュース』の合間に流れていたこともあり、野球選手たちの間ではわりと知られていたようです。

 対談が始まると、昨夜の大胆さとは対照的にとてもシャイ。はにかみながら一生懸命、話をする人でした。

 10月生まれの私と1月生まれの彼とは、生まれ年は違うものの同級生です。それがわかると互いに親近感が増し、友達のように会話が弾みました。

「付き合っている人はいるの?」

 対談が終わってクルーザーが岸に近づいてきたころ、小さな声で「付き合っている人はいるの?」。「いないけど」と答えたら「俺もいないんだ」と、とてもうれしそう。会話はそこで終わりました。あとで聞いたところによると、この企画があると知って彼は自分から志願したのだそう。ホテルに戻ってからも視線はずっと感じていて、ロビーの遠くの方から見てるな~と思っていました。

 その日の夜のこと。スタッフの皆さんと食事に出かけると、そこには亀山選手の姿が。ご挨拶をすると「新庄が志保ちゃんのことを気に入っているみたいなんだけど、熱があって来られないんだ。あとで戻ったら会ってやってくれないか?」とのこと。

 ホテルに戻り裏口へ向かうと、暗闇の中、チャックを閉めたジャンパーの中に腕をしまい、袖も通さず走って来る彼の姿が。途中、つまずいて顔から転んでしまいましたが、そこは見て見ぬフリをしつつ……。それから色々とお話をしました。話題がお互いの誕生日になり、私が先月21歳になったことを話すと「プレゼントをあげたいんだけど」。私が「別に物はいらない」と伝えると、「それなら試合を見に来て欲しい。チケットを送るから誕生日に連絡して」と、互いの住所と電話番号を交換しました。

好きなタイプではなかったけど…

 ちなみに後から知ったのですが、その日の彼は本当に体調が悪く、私と別れてから病院に運ばれインフルエンザと診断されたそうです。転んでしまったのも、きっとフラフラだったからなのでしょう。

 それからはしばらく連絡はありませんでしたが、約束通りに彼の誕生日に電話をしてみました。

 彼はすぐに出て「ずっと待っていたんだよ!」と大喜び。私が教えた電話番号にかけてもつながらず、NTTに問い合わせまでしたところ、住所は合っていると言われて、嘘を教えた訳じゃないと思っていたとのこと。そのころ私は引っ越したばかりで、自分の電話番号を間違えて伝えてしまっていたようなのです。

 彼はそのとき友達とお寿司屋さんにいたのですが「きっと誕生日には彼女からかけてきてくれるはずだ」と、一日中、携帯電話を持ち歩き、お寿司屋さんのカウンターの上に置いて、着信を信じ、ジーっと見つめて待っていたそうです。

 そんな純粋さに惹かれ、それからは毎日電話でお話をするように。最初「好き」という感情はなかったのですが、一生懸命な彼に徐々に気持ちが傾き始めました。

「彼は変わっているからやめたほうがいい」という知人からの話を聞いて悩むこともありましたが、何度か会ううちに精いっぱいのアピールをしてくれる彼に信頼を持てるように。こうして交際が始まりました。

 正直に打ち明ければ、彼は私の好きなタイプだったわけではありません。だけど、私はあのころ、彼の恥ずかしそうにはにかんだ笑顔が大好きでした。こんなふうに言うと彼は嫌がるかもしれませんが、優しげに眉が八の字に下がった、まるで天使のような唯一無二の笑顔でした。人気が出つつあっても調子に乗るようなことはなく、子どものようにいつも褒めてもらいたがる、無邪気な青年でした。

 当時は年俸もまだまだ低い中、お金を借りて300万円で買った、中古の赤いベンツのオープンカーで、道もわからないのに新大阪駅までうれしそうにはにかみながら迎えに来てくれたことは、今でも鮮明に覚えています。

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