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- 2020年12月07日 06:53
草津町議会議員のリコールによる住民投票 少数派の排除にしかみえない
2020年12月6日に投票が行われた住民投票によって新井祥子町議が失職しました。
「町議リコール、賛成過半数で失職 群馬・草津、住民投票を実施」(上毛新聞2020年12月6日)
これが民主主義の結果ということになるのでしょうか。1人の町議に対する仕打ちとしては異様な感じしかしません。
もともと町長との争いがあり、その真偽については私はわかりませんし、刑事、民事で争っているということですから、それは捜査当局の捜査、裁判所の判断に委ねられることになります。
町長室での出来事とはいえ、そうした紛争に発展している以上、現時点でその真偽が町議会で判断できるような内容ではありませんから、本来であれば、この点については捜査、裁判の推移を見守るというのが穏当なあり方ではないでしょうか。
さらにその町議の言動の是非については次の選挙で問うのが筋ではないでしょうか。
しかし、町議会の対応は、まず除名処分でした。
2019年12月、議会内でのやり取りを理由にした除名処分でしたが、これは県の審決により取り消されています。
「草津町議の除名を取り消し 正式復帰 県 処分を違法と認める」(上毛新聞2020年8月7日)
審決では当然のことながら新井氏が自分の意思でした発言ではないと認定しています。
そうするとすぐに解職のためのリコールです。
これでは気に入らない少数派の排除にしか見えません。

町議会議員選挙(2019年4月21日投票)の投票結果は次のようなものでした。(敬称略)
金丸かつとし 公明 現 472票
宮崎みきお 無所属 現 455.071票
湯本てるひさ 無所属 現 412票
後藤文雄 無所属 元 368票
黒岩卓 無所属 現 340票
市川しょうじ 無所属 新 339票
中澤ひろお 無所属 現 326.416票
有坂たかひろ 共産 新 231票
宮﨑謹一 無所属 現 203.928票
中沢やすじ 無所属 元 134.583票
新井祥子 無所属 元 110票
落 園田恵一 無所属 現 90票
町長選挙(2018年1月16日投票)投票結果です(同上)。
黒岩信忠 2,364票
中沢康治 575票
今回の投票結果は、賛成2542票、反対208票というものですから、この町議会議員選挙、町長選挙の投票行動がそのまま表れている感じです。
新井氏は定数11のところで最下位当選でした。しかし、こうした選挙のあり方は、例え少数であろうと当選の可能性を与え、少数者の声であっても議会に届けるという意味があります。それを他の「多数」でもって排除してしまったら、議会制民主主義の否定です。
反対票の208票の中には、当然のことながら新井氏に投票していない有権者も倍もいたということになります。このリコールのやり方がおかしいと思っているからだと思います。
住民の意思だからでは通用しません。そこに求められているのは道理です。
北原みのりさんの草津町議会の傍聴記です。
「殺気だつ草津町傍聴席「犬だってしねぇよ」 セクハラを背中で浴び続けた気分になった」(AERAdot2020年12月3日)
「札幌市議会 松浦忠氏の除名は重きに過ぎないか 松浦氏の過去の行状など感情は入っていないか、今一度冷静に検討すべきだ」
「町議リコール、賛成過半数で失職 群馬・草津、住民投票を実施」(上毛新聞2020年12月6日)
これが民主主義の結果ということになるのでしょうか。1人の町議に対する仕打ちとしては異様な感じしかしません。
もともと町長との争いがあり、その真偽については私はわかりませんし、刑事、民事で争っているということですから、それは捜査当局の捜査、裁判所の判断に委ねられることになります。
町長室での出来事とはいえ、そうした紛争に発展している以上、現時点でその真偽が町議会で判断できるような内容ではありませんから、本来であれば、この点については捜査、裁判の推移を見守るというのが穏当なあり方ではないでしょうか。
さらにその町議の言動の是非については次の選挙で問うのが筋ではないでしょうか。
しかし、町議会の対応は、まず除名処分でした。
2019年12月、議会内でのやり取りを理由にした除名処分でしたが、これは県の審決により取り消されています。
「草津町議の除名を取り消し 正式復帰 県 処分を違法と認める」(上毛新聞2020年8月7日)
「除名処分取り消しを審決 群馬県草津町長と性交渉告白の新井祥子町議」(産経新聞2020年8月6日)やり方自体が結構、乱暴で議長が新井氏に無理やり読ませたところ(問題の性行為の部分)が品位を害するということを理由にする目茶苦茶なやり方でした。処分の対象になるのは議会の行動だけですから、除名処分にするためには、新井氏に無理やりにでもその部分を「発言」させる必要があったからです。
「新井氏は電子書籍から引用箇所を議長の指示で読み上げたのにすぎず、「新井氏の言論と評価できない」と認定。電子書籍の配信については「議場外の行為で、議会の運営と全く関係のない個人的行為は懲罰の事由にならない」とし、処分取り消しを審決」
審決では当然のことながら新井氏が自分の意思でした発言ではないと認定しています。
そうするとすぐに解職のためのリコールです。
これでは気に入らない少数派の排除にしか見えません。

2020年11月23日撮影
金丸かつとし 公明 現 472票
宮崎みきお 無所属 現 455.071票
湯本てるひさ 無所属 現 412票
後藤文雄 無所属 元 368票
黒岩卓 無所属 現 340票
市川しょうじ 無所属 新 339票
中澤ひろお 無所属 現 326.416票
有坂たかひろ 共産 新 231票
宮﨑謹一 無所属 現 203.928票
中沢やすじ 無所属 元 134.583票
新井祥子 無所属 元 110票
落 園田恵一 無所属 現 90票
町長選挙(2018年1月16日投票)投票結果です(同上)。
黒岩信忠 2,364票
中沢康治 575票
今回の投票結果は、賛成2542票、反対208票というものですから、この町議会議員選挙、町長選挙の投票行動がそのまま表れている感じです。
新井氏は定数11のところで最下位当選でした。しかし、こうした選挙のあり方は、例え少数であろうと当選の可能性を与え、少数者の声であっても議会に届けるという意味があります。それを他の「多数」でもって排除してしまったら、議会制民主主義の否定です。
反対票の208票の中には、当然のことながら新井氏に投票していない有権者も倍もいたということになります。このリコールのやり方がおかしいと思っているからだと思います。
住民の意思だからでは通用しません。そこに求められているのは道理です。
北原みのりさんの草津町議会の傍聴記です。
「殺気だつ草津町傍聴席「犬だってしねぇよ」 セクハラを背中で浴び続けた気分になった」(AERAdot2020年12月3日)
「札幌市議会 松浦忠氏の除名は重きに過ぎないか 松浦氏の過去の行状など感情は入っていないか、今一度冷静に検討すべきだ」