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那須35歳女性死体遺棄「服を着ていない状態で発見」29歳容疑者は老人ホーム勤務の元介護士「鍵が開いていたので…」 - 「文春オンライン」特集班

「昨晩は一睡もできませんでした。石や葉っぱをどかしながら遺体を探す音、車のドアの開閉音がずっと聞こえていて……。気が付いたら朝になっていて、家を出ると規制線の前にはマスコミが20人くらい集まっていました。もちろん亡くなられた方が一番辛いのでしょうが、家の目の前に遺体が埋まっていたことを毎日思い出すようになると思うと……」

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 憔悴しきった様子でそう話すのは、遺体発見現場となった栃木県那須町の別荘地のすぐ近くに住む住民だ。


佐藤喜人容疑者 ©文藝春秋 撮影・細田忠

「抵抗されたので首を絞めて殺した」と供述

 9月下旬から行方不明になっていた東京・豊島区南長崎在住の富塚沙織さん(35)が12月5日、栃木県那須町の山中で遺体となって発見された。

 富塚さんの死体を遺棄した容疑で逮捕されたのは、豊島区目白5丁目に住む保育士・佐藤喜人容疑者(29)だった。佐藤容疑者は今年9月下旬、面識のない富塚さんの自宅に侵入し、那須町の別荘地に遺体を遺棄したとみられる。

「今月5日、行方不明になった富塚さんについて捜査を進めていた警察が任意で佐藤容疑者を事情聴取したところ、佐藤容疑者が『女性の遺体を埋めた』と供述し、犯行が明らかになりました。遺体は佐藤容疑者の親族が所有するとみられる那須町の別荘の敷地内で見つかりました。

 逮捕後の取り調べに対し、佐藤容疑者は『面識はなかった』『鍵が開いていたので金を奪う目的で女性の部屋に侵入したが、抵抗されたので首を絞めて殺害した』『スコップで穴を掘って埋めた』などと供述しています。しかし、過去にも女性に対してわいせつ行為に及ぶなどの問題をおこしており、金銭目的以外の犯行の可能性も視野に入れて捜査しています」(捜査関係者)

容疑者は「丁寧に挨拶してくれるきちんとした方」

 富塚さんの自宅付近の防犯カメラからは、富塚さんの後をつける佐藤容疑者の姿も確認されている。富塚さんの自宅から約1キロほど離れた目白の高級住宅街の近くに、佐藤容疑者の自宅アパートもあった。

 佐藤容疑者を知る近隣住民は驚きを隠さずに語る。

「1年ほど前からこのアパートにお母さんと2人で住んでいます。引っ越しの時には60代くらいのお母様が挨拶に来てくれました。(佐藤容疑者は)とにかく物静かでおとなしい人。挨拶すると丁寧に返してくれるし、うちの子供が騒がしくしていても、『気にしないでください』と気をつかってくれる男性でした。

 いつも茶色い作業着みたいな服を着て煙草を吸っていましたね。でもベランダで一服を済ますのではなく、わざわざ近所の喫煙所まで吸いに行っていたのですごくきちんとした方という印象だった。まさか逮捕されるとは……」

佐藤容疑者が5年前に語っていた“福祉の道を選んだ理由”

 佐藤容疑者は2013年に福祉系の専門学校を卒業後、2014年から2019年頃まで埼玉県にある特別養護老人ホームに勤務していた。紺色のポロシャツに茶色いエプロンという制服姿で、24時間体制のサポートが必要だったり、寝たきりとなってしまった高齢者を看る介護士だった。

 当時、この老人ホームが発行した冊子「施設だより」に、佐藤容疑者の意気込みが記されていた。

《母親が保育士をしていたことで、福祉に関心を持った。学校で保育分野と介護分野の両方を学ぶ機会があり、子供から高齢者まで楽しく生活が送れるように支援が出来たらと福祉の道に進んだ》

《利用者からさりげない気遣いの言葉を頂き、人と関わりの大切さを学び成長の糧にしている》

《安心して楽しく、より多くの時間を●●●(注・施設名)で生活が送れるように事故予防に努めている》

 しかし、こうした慈善精神に満ちた言葉とは裏腹に佐藤容疑者は凶行に及んだ。犯行後も、豊島区内の認可保育園に出勤している。

死体遺棄現場付近に住む住民の証言

 冒頭の住民は、佐藤容疑者の親族とみられる“別荘の所有者”も見かけたことがあるという。

「ご年配の白髪頭の男性がよく庭の手入れをしていて、挨拶したこともあります。車は白い乗用車で、埼玉か大宮のナンバーだった記憶があります」

 富塚さんはこの閑静な別荘地の地中深くから、服を着ていない状態で発見された。富塚さんの知人が肩を落として生前の富塚さんの様子を明かす。

「沙織ちゃんは、内気で控えめだったけど打ち解けると笑顔でよく喋る素直な女性でした。ファッションも、可愛らしくフリフリな洋服をよく着ていて、女性というよりは“女の子”という若々しい印象がありました。

 沙織ちゃんの、おっとりしているけど少し早口になりながらニコニコ話す姿が今でも目に浮かびます。本当に残念です」

 社会部記者が語る。

「佐藤容疑者は、自身の会員制SNSのプロフィールで『那須には0歳の時から毎年行っている』、『2019年にも友人と那須を訪れている』と明かしています。つまり容疑者が現場周辺に土地勘があったのは確実です」

 警察は、近く殺人容疑でも佐藤容疑者を逮捕する方針だ。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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