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小室圭さんと眞子さま「一発逆転」の難しさ 国際弁護士取得でも米エリート街道は“レッドオーシャン” 「私の同級生たちを見ても……」 - 山口 真由

《女性の6割が慎重派》全体では過半数が「待つべき」と回答 眞子さま・小室圭さんご結婚アンケート結果発表 から続く

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 11月30日に55歳のお誕生日を迎えた秋篠宮さまが、会見で眞子さまと小室圭さんの「結婚を認めるということです」と発言され、波紋が広がっている。


©JMPA

 文春オンラインでは11月13日に眞子さまのお気持ちが発表されたことを受け、11月14日より12月1日まで「眞子さまと小室圭さんの結婚についてどう考えますか?」というアンケートを行った。その結果、同様のアンケートを行った昨年に引き続き、過半数が「待つべき」と回答している。

 なぜ国民は眞子さまと小室さんの結婚に慎重姿勢なのか。小室さんが取得を目指している「国際弁護士」という資格はどのようなものなのか。そして、上皇さまと美智子さまのご成婚から続いてきた、「皇室の自由恋愛」とはどのようなものなのか。

 ハーバード・ロースクール留学を経てニューヨーク州弁護士資格を取得し、現在は信州大学特任准教授として「家族法」を研究する山口真由氏に聞いた。

◆ ◆ ◆

 眞子さまと小室圭さんにしてみればお節介に映るでしょうが、国民感情としては「眞子さまのことを自分の妹や娘と重ねて心配している」のが率直なところだと思います。幼い頃から成長を見守ってきましたし、優等生というイメージもありました。眞子さまに幸せになって欲しい、という気持ち自体は偽りのないものです。

 結婚は人生の大きな節目ですから、本来であれば眞子さまが選ばれた方と結婚されるのが望ましいのはもちろんです。しかし「この結婚はうまくいかないのでは」という懸念が大きくなれば、結婚自体への批判に繋がる。今の世論は、まさにその状況だと思います。

問題は弁護士資格取得よりも「就職」

 国民がお二人の結婚生活の行方を心配する理由の1つに、小室さんの経済力についての懸念が挙げられると思います。

 現在、小室さんは国際弁護士の資格を取得するためにアメリカのフォーダム大学に留学をしています。しかし無事資格を取得できたとしても、経済的に自立して生活していくのはそんなに簡単な話ではありません。私のハーバード時代の同級生たちを見ていても、弁護士資格が全てを解決するとはとても思えないのです。

 実は小室さんが目指しているニューヨーク州の弁護士資格の試験は、日本の司法試験ほど難しいものではありません。ですが問題は、資格を取った後の「就職」にあります。

 小室さんが書かれた論文や過去のインタビューを見ると、企業法務やファイナンスといったビジネス方面に興味があるように感じます。「弁護士になるかどうかはまだ決めていない」ということでもあるので、弁護士資格を取得したうえで、ゴールドマンサックスのような証券会社でファイナンス分野に進むというキラキラなプランをお持ちなのかもしれません。

 たしかに大手証券会社などに入れれば、新卒としては最も豊かな部類の生活が可能です。その先には億単位のお金を稼ぐエリート街道の入り口に立ったと言えるでしょう。ニューヨークは生活費が高いと言っても、皇室の品位を損なうような生活を強いられる可能性は低いでしょう。

 しかし世界中の弁護士志望者が目指すこのエリート街道は、まさに“レッドオーシャン”です。ビザの関係もありますから、アメリカで就職するならばアメリカ人が有利。それを覆すほどの実力がなければ、弁護士資格は取ったものの希望の就職先が見つからない、ということも大いにありえます。

名門大学「T14」とそれ以外の溝

 そして私が気になっているのは、アメリカの法曹界には「T14」という絶対的な評価基準があることです。ハーバード、スタンフォード、イェール大学といった14の名門校を出たか、それ以外かで、アメリカ法曹界では決定的に待遇が違います。小室さんが通われているフォーダム大学は決してレベルが低いわけではありませんが、T14には入っていません。就職活動でも就職後も、それは間違いなくキャリアに響きます。

 さらに今はコロナ禍で、学生がインターンで事務所で働く機会も少ないので、自己アピールも難しい。小室さんが人を惹きつける才能を持っていたとしても、エリート街道を切り開くのはかなり厳しいと言えそうです。

 アメリカは州ごとに法律が定められていて、ニューヨーク州で取得した弁護士資格が使えるのは、基本的にニューヨークだけ。もちろん、ニューヨークで資格を取っただけでは日本での弁護士活動も不可能です。日本で独り立ちして働くためには、少なくとも海外で1年以上の実務経験を経てから、最終的に外国法事務弁護士への登録が必要になります。

 日本に帰国するとなると外資系の弁護士事務所が就職先の候補にあがると思いますが、ここでも「T14の大学を出ていない」ことは大きなハンデになります。アメリカでも日本でも、小室さんが経済的に安定した地位を手に入れるためには多くの難関を突破しなければいけないということです。

 さらに経済的な問題が解決されたとしても、まだ皇室特有の価値観の問題が残っています。もしかすると、こちらの方が根は深いかもしれません。

 いまの日本は、近代的な価値観と現代的な価値観が拮抗している状態。かつては結婚というのは「家」対「家」の約束事で、家長に結婚を容認・拒否する権限がありました。それが戦後になり、「家」と「家」から「個」と「個」の合意によって結婚は成立するというようになりました。1970年代ごろからは日本でも、「運命の人と出会って恋愛をし、その先に結婚がある」というロマンチックラブイデオロギーが一般的になっています。

小室圭さんと母親は日本人には“異物感”が強い?

 皇室においても、美智子さまのご成婚時には「ミッチーブーム」が起こり、皇族の自由恋愛が受け入れられるようになりました。眞子さまも同じように、自分が好きになった相手として、小室さんとの結婚を選ばれたのだと思います。

 父親である秋篠宮さま自身も、自由恋愛で紀子さまとご結婚されたわけですから、結婚に対しては現代的価値観をもっていたはずです。しかしご自身が親の立場になり、眞子さまが結婚相手に選んだ小室さんの家の金銭トラブルへの対応などを見るに及び、「結婚は個人の自由」という信念が揺らいだのかもしれません。秋篠宮さまの「結婚と婚約は別です」という言葉にそれが象徴されているように思います。

 そもそも私たち日本人の国民性として、集団の意向を理解して寄り添うことを重視する傾向が今でも強いです。その中で小室圭さんとその母親は“異物感”が強いのではないでしょうか。

 金銭トラブルにしても、自分が困っている時に助けてくれた人が困っているのであれば「今の僕の収入では、これくらいしか返せませんが、今後このように返していきます」と、それぐらいの素朴なことでよかったのに、なぜそれをしないまま、ニューヨーク州の弁護士という華やかな道を進むことで一発逆転を目指すことになるのでしょうか。そうしたところに、一般的な日本人の感覚とのボタンのかけ違い、コミュニケーションがとりにくい雰囲気がありますよね。

 それが「こんなに眞子さまのことを心配しているのに……」といういら立ちに繋がり、1億円超の一時金に対する批判も出てきたのではないのでしょうか。

 経済的問題、価値観の問題、これらがクリアになれば国民の納得も得られるのでしょうが、現時点では前途多難だと感じずにはいられません。眞子さまが幸せになられる結末をお祈りしています。

眞子さまの“自由恋愛”はなぜ反発を受けるのか? 戦後の皇室スタイルが直面する「国民とのズレ」 へ続く

(山口 真由/Webオリジナル(特集班))

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