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NiziUも避けて通れない「K-POP流ダイエット」の過酷な中身〈KARAはカニカマで吐血、BTSは鶏ムネ肉で…〉 - 金 敬哲

 韓流アイドル全盛の韓国では、「アイドルルックス」という最高の誉め言葉がある。小顔にオルチャンメイクをして、痩せた体型をしているK-POPアイドルの外見が、若者だけではなく、韓国国民の憧れの的になっているからだ。

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 12月2日に正式デビューした「NiziU」についても、韓国ファンの間で、この「アイドルルックス」が話題となっている。

NiziU公式Twitterより

〈やっとメイクやスタイルが落ち着いた〉
〈女神のようだね! やっぱりカメラマッサージ(カメラにたくさん露出されること)を受けたら美貌がほころぶ〉
〈実力も外貌も最高だ!〉

 実は、Niziオーディションの当時、韓国のネット上では、〈実力はあるが、韓国人アイドルよりルックスが劣る〉という厳しい反応もあった。

 それが最近は、メイクやスタイリングの変化などで〈アイドル・オーラを漂わせるようになった〉という評判が、インターネット上でたびたび取り上げられている。

「170センチ台前半でも40キロ台を維持」

 K‐POPアイドルの外見について、韓国のある芸能事務所代表は次のように話す。

「アイドル選抜基準で外見は最も重要です。ダンスや歌の実力は努力すれば良くなりますが、外見は生まれつきですから。K-POP市場がアジアだけでなく欧米にまで拡大されたことで、最近は欧米人が持っている美の基準も意識するようになった。

 たとえば、モデルのような高い身長、すらりとした脚線美、小顔などです。このような条件で選抜された練習生たちは、デビューが決まると、所属事務所によって“ビジュアル・ディレクティング”と呼ばれる外見の欠点を補う作業に入ります。ダイエット、スキンケア、歯の矯正、整形など、多様な手段が利用されます」

 この“ビジュアル・ディレクティング”の中でも特に欠かせないのが、ダイエットだ。

 K-POPアイドルは、ミニスカートやタイトな衣装など、舞台でボディーが露出するファッションを着こなさなければならない。さらに、画面上では実物より太って映る傾向があるため、一般的な細身の体型よりも、さらに細い体型を作らなければいけないのだという。

「所属事務所によって異なりますが、女性アイドルの場合、身長が170センチ以上なら『身長マイナス125』、170センチ以下なら『身長マイナス120』の数字が、理想的な体重(キログラム)だと見なします。つまり、170センチ台前半でも40キロ台を維持しなければならないのです。カメラで見ると、実物より随分太って見えますから。

 練習生としての生活では、ダンスや歌唱のトレーニング以外にも体重管理が欠かせません。毎日朝晩、体重を量り、その日食べたメニューを全て記録しなければなりません。デビューに成功してもダイエットは続きます。所属事務所は、ネット上の書き込みを細かくモニタリングしていて、どこが足りないかを常にチェックしています。例えば『顔に肉がついた』『お腹が出てきた』という反応があれば、そのアイドルはすぐにダイエットに突入するのです」(同前)

1日1000キロカロリーの過酷なダイエット

 抜群のスタイルを持つアイドルたちが実践するダイエット法は、一般人たちにも大きな関心事だ。アイドルのダイエットメニューや運動法は、一般人も簡単に真似できる場合が多いからだ。

 たとえば、NiziUと同じJYPエンターテインメントに所属していた女性グループ「miss A」の元メンバー、ペ・スジのダイエットメニューは一時、圧倒的な人気を博した。

 食事を1日1000キロカロリーに抑え、3食に分けて摂取する。朝は「鶏ムネ肉+低脂肪牛乳+サツマイモ1個」、昼食は「玄米ご飯+野菜サラダ」、夕食は「サツマイモ2個」。少ないカロリーに比べて満腹感があり、ダイエット効果が長持ちするのがポイントだという。

 SMエンターテインメント所属の人気グループ「少女時代」のメンバーが明かしたメニューも、女性の間で大きな人気を集めた。やはり1日の食事を1200キロカロリーに制限し、食べる順番を逆にするのがポイント。すなわち、「デザート→おかず→ご飯」の順に取り、野菜で満腹感を与えた後、炭水化物の摂取を減らすように誘導する方法だ。

 同じくSM所属のf(x)のメンバー、ルナの「アイドル水」は製品化もされたヒットアイテムだ。体のむくみを瞬時に取ってくれるという触れ込みの飲料で、水500ccに緑茶ティーバッグ1個、砂糖ティースプーン2杯、レモン1/4切れを入れて作る。「アイドル水」を随時飲めば、緑茶に入っているポリフェノール成分が解毒や抗菌の働きをして、レモンのビタミンCと糖がむくみを取る効果があるという。ただ、空腹時には胃に負担をかけるので飲まないほうがいいそうだ。

日本人メンバーも「7日間、唾液を吐き出した」

 デビューする時、さらには休養からのカムバックを控えている時には、急激に減量しなければならないK-POPアイドルたち。そのため、身体に無理をきたすほどの厳しいダイエットに苦しめられるケースも多い。

 NiziUの“姉貴分”にあたるJYP所属の人気グループTWICEの日本人メンバーであるモモは、2018年5月、同じTWICEメンバーのジヒョが運営するインターネット放送「ジヒョのキャンディ・ナイト」に出演して、衝撃的なダイエットのエピソードを披露した。

 モモは、デビューを目前にして、所属事務所から「1週間以内に7キロ減量に成功できなければ、ショーに出られない」という通告を受けた。そのためモモは、7日間、断食と運動という“死のダイエット”に突入したという。

 体中の不純物をすべて抜くため、唾液も飲み込まずに吐いた。7日間、氷だけを食べてダイエットに挑戦したが、結局7キロの減量に失敗。モモは「3日だけ時間がほしい」と頼んで、やっと減量に成功したと話した。

 モモは「寝ようと横になると二度と起き上がれなくなりそうで、怖くて涙が出た」と、当時を回想した。現在は、22インチ(約55.9センチ)のウエストサイズを維持し、女性たちのダイエットへの意欲を燃やす“ワナビースタイル”の持ち主となっている。

 完璧なプロポーションを誇るAOAのソルヒョンは、デビュー初期の体重が50キロを超えたことでマネージャーに叱られ、厳しいダイエットをした結果、47キロまで体重を減らした。

 韓国の芸能情報番組で紹介された当時の彼女のメニューは1日1食。「サツマイモ1個+鶏ムネ肉1つ+ゆで卵1個」で計415キロカロリーだった。ソルヒョンは「身長167センチなのに、会社から48キロまで体重を減らすように言われ、歌手を辞めようかと考えたこともある」と、ダイエットにまつわる悩みを明らかにしたが、現在はダイエットに成功したことで、広告界で大活躍する人気アイドルとなった。

KARAはカニカマで吐血、BTSは鶏ムネ肉で栄養失調

 その激しいダイエットのために、体調に異変があったと明かすアイドルもいる。

 KARAのメンバーだったパク・ギュリは、2015年6月のMnet番組に出演し、無理なダイエットで吐血をしたことがあると、次のように告白した。

「カニカマ1つで1日を持ちこたえながら、忙しいスケジュールのため、寝る時間は3、4時間しかなかったのに一生懸命運動をした。そうしているうちに、舞台で貧血になった。逆流性食道炎となり、吐血をしたこともある」

 実力派ガールズグループとして知られる「MAMAMOO」は、ダイエット薬を服用した事実を打ち明けた。2020年11月にKBSテレビに出演したMAMAMOOのメンバーらは、「数日間断食をしていたが、さらに腸掃除の薬を飲んで、救急室に運ばれた」「食欲抑制剤を飲んで2度も倒れた」などの衝撃的な経験を披露した。

 ダイエットによる辛い経験はガールズグループだけではない。男子アイドルもダイエット問題を避けられない。

 2017年にSBSテレビに出演したBTSのJINは、デビュー1年前にダイエットのために1年間、毎日鶏のムネ肉2パックだけを食べて、栄養失調になったことがあると告白した。

 デビュー当時、JINは身長179センチで体重64キロだったが、「ファンにもっと良い姿を見せたかった」と打ち明けた。BTSのJIMINも、やはり練習生の時、「ふと鏡を見ながらもっとハンサムになりたいと思って」、10日に1食だけ食べるダイエットをしたことがあるという。

J.Y.Parkも「週に5日は1食のみ」

 NiziUの“生みの親”J.Y.Parkこと、パク・ジニョンも、自身の歌手デビュー以降、週に5日は「1食しか食べない」という厳しい自己管理を続けている。

 パク・ジニョンは、ダイエットをする理由について、「70歳までダンス歌手として活動したいから」と話している。Niziオーディションの中でも、福岡出身の参加者、池松里梨愛に「体重はダンスに直接影響を与える」として、軽くて切れのいいダンスのためには体重調節が必要だと、体重管理の重要性を強調した場面があった。

 アイドルのダイエットがどんどんエスカレートしていることで、韓国社会ではアイドルの健康を懸念する声も多くなっている。ただ、「見せる音楽」を武器とするK-POPシーンにとって、華やかなパフォーマンスで舞台を際立たせるためには、アイドルのダイエットは「宿命」という側面もあり、その是非について議論が続いているのが現状だ。

(金 敬哲/Webオリジナル(特集班))

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