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【映画感想】STAND BY ME ドラえもん 2

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あらすじ
のび太は、幼稚園のころに他界したおばあちゃんが繕ってくれた、くまのぬいぐるみを見つける。大好きだったおばあちゃんを思い出したのび太は、タイムマシンを使って再会したいと考え、様子を見たらすぐに帰るとドラえもんを説得して3歳だったころの過去に戻る。のび太は陰から様子をうかがっていたが、おばあちゃんに見つかってしまう。

2020年、映画館での12作目。
平日の夕方からの回で、観客は僕を含めて15人くらいでした。

前作『STAND BY ME ドラえもん』は、2014年。もう6年経つんですね。

あの映画に関しては、「いろいろ言いたいことはあるけれど、『ドラえもん』を観たい大人が大勢いるということを証明した」という点では、僕はけっこう感謝しているのです。

 ただ、ドラえもんの3D映画化に関しては、第1作がベスト盤みたいな内容だったので、あの続編って言っても、3D映像の新鮮さもないだろうし、どうかなあ、と思ってもいたのです。

「ドラ泣き」とかいうキャッチコピーも、制作側の「マーケティング」みたいなものが透けてみえるようで、少し及び腰になってしまいます。

「泣ける」ことを売りにした映画はたくさんありますし、わざわざ『ドラえもん』で泣かせようとしなくてもいいのに。

 ただ、実際にこの映画を観てみると、おばあちゃんのエピソードを除いては、そんなに無理矢理「感動」をアピールしている感じはしなかったんですよ。

 むしろ、最近のテレビの『ドラえもん』に近い、テンポの良いドタバタ劇になっていて、楽しめる場面が多かったのです。

 ジャイアンやしずかちゃんにはちゃんと見せ場があったし、出木杉くんに関しては、「やっぱり映画版には縁がないのか……」と、ちょっと笑ってしまいました。

 正直、観ながら、けっこうイライラする場面もあったんですよ。

 のび太、もう少ししっかりしろよ、さすがにそれは周りに迷惑かけすぎだし、もっとマシなやり方もあるだろう。そもそも、この物語で発生した「大ピンチ」は、ほとんどすべて自業自得というか、自分で蒔いた種じゃないか。そして、最大のピンチの原因が、ある道具の不備によるものだった、なんて、あまりにもご都合主義すぎる。

 この設定が許されるのなら、どんな過去の(あるいは未来の)過ちも、タイムマシンで何度も修正できることになってしまう。

 何やってるんだタイムパトロール!

『ターミネーター』で、「こんなのいつでも、何度でも敵は襲ってくるし、キリがないだろ……」という感じになってきたのと同じなんだよなあ。

 それに、伏線を張って回収しようとするあまり、物語がゴチャゴチャしてしまっていて、同じ場面にその時代の「のび太」と未来から来た「のび太」が平然と共存したりもしているし。

 なんというか、伏線をうまく回収してみせようとするあまり、物語の本筋がおろそかにされてしまっているのです。
 僕も含めて、観客の大部分は、制作者たちを「うまい!」って褒めたくて映画館に来ているわけじゃない。

 映画を、『ドラえもん』を楽しみたいのに。

 細部へのこだわりを感じるところはあるのですが、それよりも、物語として、もっと大事なところがあるだろうに……

 ただ、のび太の行動に関しては、あらためて考えてみると、のび太がすべて正しい、あるいは理性的な選択をするほうがむしろ「世界観ぶちこわし」ではありますよね。観ながら「のび太、もう少しなんとかならないのか……」とイライラしてしまったのは、作った側からすれば「思惑通り」だったのでしょう。

 『ドラえもん』って、基本的に、のび太が何かをうまくやろうとして、かえって問題が大きくなって、それを解決するために奮闘する、っていう話なんですよね。

 だから、「こんなの『ドラえもん』じゃない!」というのは筋違いで、「ああ、このもどかしさが『ドラえもん』なのだ」と納得せざるをえない。

 ただ、そういう「テレビのレギュラー放送的な『ドラえもん』」だと、映画館で1時間半から2時間観客を満足させるのは難しいからこそ、映画『ドラえもん』は、SF的な冒険ストーリーを毎回つくってきたのだとも思うのです。

 『1』では、歴代の名場面をつなぎあわせて時間をもたせたけれど、『2』は、30分でやれそうな話をひたすら引き延ばして100分弱にした感じです。

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