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日本共産党と自由民主党の小沢氏控訴審無罪判決に対する反応に呆れる

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 うちのブログが政党の批判をするときは、今現在権力を持っているか、これから持とうとしているところを批判するのが常なので、日本共産党を批判するというのは珍しいのですが、小沢氏をあまり評価しない私の目から見ても、以下の共産党の機関紙しんぶん赤旗の記事はひどすぎます。

小沢被告に高裁無罪

陸山会事件 「秘書に任せた可能性」

 資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)罪に問われた元民主党代表で「国民の生活が第一」代表の 小沢一郎被告(70)の控訴審判決が12日、東京高裁でありました。小川正持裁判長は一審東京地裁の無罪判決を支持し、検察官役の指定弁護士の控訴を棄却 しました。

 控訴審では小沢被告が、土地購入代金を2004年分の収支報告書に計上せずに先送りし、提供した4億円を簿外で処理することについて、違法性を認識していたかが主な争点となっていました。

 小川裁判長は「小沢被告が(簿外処理の)枠組みに関心が薄く、漠然と認識していたにとどまる可能性がある」と指摘。「4億円の簿外処理を適法に実現するとして了承した可能性もあるとした一審判決が不合理とはいえない」としました。

 指定弁護士は控訴審で、04年に土地代金の融資を受けた際に、小沢被告が関係書類に署名した事実を指摘、違法性を認識していた根拠に挙げていました。小川裁判長は「売買契約の経緯は、事務的なこととして(小沢代表は)秘書に任せていた可能性がある」として、退けました。

 また一審判決で認定していた石川知裕衆院議員(39)ら元秘書の虚偽記載の一部を認めませんでした。

 控訴審では被告人質問もなく1回で結審。指定弁護士が申請した新証拠を採用せず、具体的な審理は行われませんでした。

 一審の被告人質問で小沢被告は、収支報告書の作成を秘書任せだったとのべ、「(記載内容を)見たこともない」と説明していました。

小沢氏に監督責任「潔白」と言えるか

指定弁護士

 東京高裁での控訴棄却を受けて12日、検察役の指定弁護士3人は司法記者クラブ内で会見し、「主張が受け入れられず残念」と口々に無念をにじませました。

 判決の感想を問われた村本道夫弁護士は「内容的には承服しがたいところが多々あった。本件で行われた不可思議な処理について、控訴審は向き合っていないのではないか」と語りました。

 2010年に東京第5検察審査会による2度の「起訴相当」議決で小沢一郎被告が強制起訴された、この事件。

 大室俊三弁護士は「(小沢被告は陸山会の)会計責任者を指導監督する立場にあるわけだから、今日の判決も認定した内容虚偽の収支報告書を『私は知 らなかった』で、(小沢被告が)自分の潔白を訴えていいとは思わない」と指摘。検察審査会の議決について、「きわめて常識的で妥当な判断だと思う」と語り ました。

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 まず、赤旗の見出しからして小沢被告となっているのですが、一審・二審ともに無罪で確定確実な小沢氏のことを、一般紙ではさすがにもう小沢「被告」とは書かず、小沢氏とか小沢代表などと書いています。先に、東電OL殺害事件では再審無罪判決が出る前から、赤旗は他紙と同様、マイナリ「さん」と書いていたのですから、いまだに小沢被告と書くのは、これは極めて意図的な呼称ではないでしょか。

 次に、無罪判決となり主張が認められた小沢氏側の弁護人の談話は一切載せず、検察官的役割を果たした指定弁護人のコメントを二人分載せるというのも極めて不公平です。こんな一般紙ありません。

 なにより、なぜ本件が無罪となったのか、小沢氏の元秘書らに対する取り調べで行われた違法な誘導や虚偽の捜査報告書と言う証拠ねつ造により、ほとんどの取調調書の証拠能力が否定され、証拠採用されなかったという事実がどこにも書いてありません。本事件で最も汲み取るべき教訓の一つは、捜査機関の違法な捜査方法をいかに抑制するかと言う課題のはずなのに、それには一切触れていないのです。

 また、検察審査会の強制起訴により裁判になった事件は6件で、そのうち判決に至った事件は3件なのですが、3件ともすべて無罪になっています。市民の司法参加と言いますが、強制起訴制度の見直しが必要なことは誰の目にも明らかです。そこに触れないで、指定弁護人の「検察審査会の判断は極めて常識的」というコメントしか載せないのは、片手落ちもいいところでしょう。

小沢一郎氏・陸山会事件は不起訴にすべき事件だった。検察審査会の強制起訴は人民裁判であってはならない

 

 私は、日本共産党のぶれのない活動には敬意を表しますし、しんぶん赤旗の記事がネット上で見やすくなったのは本当に良いことだと思います。

 また、私の脱原発・消費税増税反対・TPP反対と言う衆院選投票基準から言うと、共産党は国民の生活が第一よりはるかに信用できる投票先だとも思います。しかし、もはや人権問題であるこの事件について、「政敵」であるからといって、この取り上げようでは、日本共産党の変化はいまだ足らないと言わざるを得ないでしょう。

沢氏無罪確定 「国民の生活が第一」は石原・橋下新党「俺様が第一」よりは2万パーセントましだ


 政治的に言っても、東京都知事選では、脱原発と反貧困・護憲の宇都宮健児前日弁連会長を、国民の生活が第一も共産党も推薦するという形になるといいなあと思っていましたが、共産党がこの態度では無理です。

日弁連会長より東京都知事にこそふさわしい宇都宮健児さんを応援します!

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 他方、自民党の安倍総裁と石破幹事長のタカ派ペアの反応は、再び政権を担おうとする政治家としては許されない酷いものとはいえ、想定内でした。

「国民は無罪と無実は別と思っている」(安倍総裁)
「有罪と断定できないという意味での無罪だったと思う」(石破幹事長)

 安倍氏のようなことを言いだしたら、これまでの無罪判決を受けた人は、すべて社会において(裁判では無罪でも本当はやっている)という目で見られることになります。なんのために裁判はあるのか、本人は刑事被告人の負担に耐えたのかわからなくなります。安倍氏は足利事件の菅家さんや東電事件のマイナリさんにも同じ言葉を投げかけるのでしょうか。

 無罪は無罪なんです。

 しかも、有罪率99・9%!の日本において、無罪になれる人なんて1000人に1人しかいないのですよ。日本の無罪ほどガチの無罪はありません。安倍氏は、この暴言だけでも政治家失格。まして、首相に返り咲くなんて100年早いでしょう。

 また、石破氏は、無罪とは何かがそもそもわかっていません。

 刑事訴訟法第336条は「被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。」と規定しています。

 これは、検察側に有罪の挙証責任を負わしめ、検察官が合理的な疑いをいれない程度に有罪であることを裁判官に確信させない限り無罪となる、近代法の大原則である「疑わしきは罰せず」という推定無罪の原則をあらわしたものです。

 逆に言うと、どんな無罪でも「有罪と断定できないという意味での無罪」なのです。

 こんなこと言ったら政治生命が断たれるような社会じゃないといけないと思うんですが。石原・橋下ペアと極右ぶりを競い合う安倍・石破ペアに、人権感覚を求めても無駄なのでしょうが、こんな人たちが次の選挙で政権を担うのかもしれないと思うと暗澹たる気持ちになります。

 しかし、しんぶん赤旗の「潔白と言えるか」という見出しも、安倍・石破氏ら並みの「推定有罪」を示唆すると言われても仕方ありません。「確かな野党」日本共産党のしんぶん赤旗は、たとえ政党の機関紙であっても、裁判については政治ではなく、人権と司法の問題として語る落ち着きを求めたいと思います。

陸山会事件東京高裁判決要旨

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