
回転寿司チェーン「くら寿司」が入店から退店までの間に店員と対面することのない「非接触型サービス」の展開を10月13日に発表した。対象店舗を順次拡大するとともに11月17日にはモデル店舗「スマートくらレストラン」の1号店として「東村山店」(東京・東村山市)を、12月1日には同じく「スマートくらレストラン」の関西1号店として「甲子園店」(兵庫・西宮市)をオープンしている。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大への対策および店舗運営の効率化を目的とした非接触型サービスでは、店員と接触(接客サービス)および機器に接触(タッチ操作など)を可能な限り減らし、特にセルフレジ導入店舗においては店員とは「完全非接触」な状態を実現する。
具体的には受付や席案内、注文、提供、会計において利用者が人や物に対して極力接触をしない「コンタクトレス」「タッチレス」なシステムを構築していくという。
今回は都内の店舗を実際に利用して、非接触型サービスを体験してきた。利用した店舗ではセルフレジが導入されていなかったため、支払い時は店員と対面することになったが、それ以外は店員とほぼ関わることはなかった。そんなくら寿司において席から簡単に料理やドリンクが注文できる「スマホで注文」を中心にレポートする。
■受付から席までの案内
店舗に入ってまずは受付を済ませる。セルフ案内機は店舗によって機器にタッチせず、指を近づけるだけで操作できるタイプもあるということだが、今回利用した店舗ではタッチパネルのタイプだった。

店頭の受付機を操作して発行された受付番号が記載されている「整理券」を持ち、番号が呼ばれるのを待つ。待ち合いスペースでは、モニターと音声で番号を知らせてくれるようになっており、自分の番号が呼ばれたら店内の案内機に進む。
なお、受付機では待ち時間の目安も表示される。筆者が訪れた時は40分以上の待ち時間が表示されたが、受付だけ済まして帰ってしまっている人も多かったためか15分強で受付番号が呼び出された。

案内機のゲージがいっぱいになる前に画面にタッチすると「テーブル番号」が記載された「案内票」が発券される。その案内票を持ち、指定された番号のテーブルに向かう。案内票は会計時に必要なので、すぐに捨てたりぐちゃぐちゃにせずにちゃんと持っておこう。
ちなみにこの店舗では案内機に紙おしぼりが設置されていたので、必要ならここで紙おしぼりを持っていくことになる。筆者は今回余裕でスルーした。なぜなら心に余裕があったからだ。

くら寿司では新型コロナウイルスの流行以前からレーンを回る寿司皿に「抗菌寿司カバー」が取り付けられている。くら寿司といえばこの「抗菌寿司カバー」か「ビッくらポン!」が象徴的であることは、くら寿司を利用したことのある人ならわかってもらえるだろう。
■「スマホで注文」を使って注文をする
各席に設置されているタブレットには「スマホで注文」の簡易的な利用方法と、利用するために必要なQRコードが記載されている。レーンを流れる寿司に手を伸ばしつつ「スマホで注文」を使う準備をしてみよう。



タブレットに表示されているQRコードをスマホで読み込むと「結果」の画面に推移する。「テキストをコピーする」をタップもしくはQRコードの詳細のURL部分を選択→コピーする。
その後、ブラウザを起動させてアドレスバーに「ペースト(貼り付け)」してアクセスすると「認証中」の画面が表示される。しばらく待った後、正常にアクセスが完了するとトップ画面(メニューの画面)に推移する。メニューの画面は最初に表示されるが、ほかの画面に移動して再度メニュー画面を表示する場合は、左下の「MENU」をタップする。



メニューの画面はトップ画面にあたる「すべて」のカテゴリを含め、横に10ページ分移動でき、カテゴリ毎のメニューを見ることができる。画面を左右にスワイプするか、メニュー画面上部のタブをタップして移動する。



画面左下の「検索」をタップすると商品の検索画面になる。検索ボックスにキーワードを入力すると候補のキーワードが表示されるのでタップする。検索結果の画面で商品をタップすると商品画面に推移し、シャリの量と注文数(皿数)を選択して「注文する」をタップすれば注文完了だ。
操作はとても簡単なので、試しに「あさり入り味噌汁」を注文したところ、ほどなくして届いた。くら寿司では、レーンが上下2段になっており、下の通常レーンは寿司などが回転しており、上のレーンは注文した商品が届くようになっている。
ちなみに、レーンからあさり入り味噌汁の器を取った際、少々手が汚れてしまったため、こういう時には紙おしぼり!と思ったが、席周辺には用意されていなかった。なぜだか余裕ぶって案内機に置いてあった紙おしぼりを持って来なかったことが痛恨の極みだ。席に着く前に紙おしぼりの用意をしておくべきだったと反省した。