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脱法ハーブによる急性中毒・知っておきたい対処法1

脱法ハーブには、麻薬や覚せい剤と同じような薬物が使われています。急性中毒はめったに起きるものではありませんが、それでも、脱法ハーブの使用者の急増につれて、救急搬送事例が増加し、数件の死亡事故も起きてしまいました。
もし、誰かが脱法ハーブを吸って急性中毒を起こしたら、そして、あなたがその場に居合わせたら・・・。こんな心配が、今や絵空事ではなくなってしまいました。
そこで、脱法ハーブによる急性中毒への対処法をまとめてみました。参考にしたのは、英国政府系の薬物情報提供サイトFRNKの記事と、英国で出版された書籍などです。

[脱法ドラッグの急性中毒によって起きること]
■不安や恐慌状態
■興奮、緊張
■パニック
■体温の上昇や脱水症状
■けいれん
■意識朦朧、ぼんやり、昏睡状態
■呼吸困難

1、最初にすること
まず、あなた自身が落ち着くこと。パニックを起こしたり、暴れている相手の様子に驚いて、大声をあげたり、追いかけまわしたり、力づくで抑え込んだりしようとすると、相手を怯えさせてさらに興奮を強めてしまいます。相手を落ち着かせるのに有効なのは、静かに話しかけること。あなたが相手を助けようとしていることを伝えます。
■使用した薬物を確かめる
救急診療にとって、原因となった薬物を知ることは重要ですから、どんな薬物を使ったのか、できるだけ把握してください。周辺に、使用した脱法ドラッグがあるはずです。使い残りや、空の容器やパッケージだけでも、見つかったものを保管し、要請があれば医療スタッフや警察官に渡してください。
■状況に応じて救急通報する
脱法ドラッグによる急性中毒のほとんどは、数時間でおさまります。しかし、病院搬送された患者の中には、集中治療室で手当てを受けてようやく助かったという例もあり、さらに不幸にも死亡に至ったケースもあります。
素人判断で症状を甘く見ることは禁物です。強い症状が出ている場合や、急速に悪化しそうな場合など、できるだけ早く救急通報してください。
■中毒者を一人にしない
症状の変化を見守ることが重要です。薬物の急性中毒では、吐しゃ物によって喉をつまらせたり、無理な姿勢のために呼吸が妨げられたりして深刻な事態を招くことがよくあります。とくに意識をなくしている場合には、次回で紹介する回復体位をとらせ、静かに見守ることを忘れないでください。

2、症状別の対処法
■興奮したり暴れたりしている場合
[代表的な症状]
・薬物によっては強い精神興奮をもたらすものもあり、急性中毒に見舞われた人は、叫ぶ、泣きわめく、手当たり次第物を投げつける、家具や建具を壊すなどの行動をとることがあります。
・さらに、錯乱状態になって暴れまわるといった事例も報告されています。衣服を脱いで裸になるといった例もよくあります。
[対処法]
・静かに呼びかけ、相手を落ち着かせます。
・屋外にいるときには、人気の少ない静かな場所へ移動させます。騒音、強い光線などの刺激の少ない場所を探してください。
・錯乱状態の場合は、専門家によって安全に拘束する措置が必要です。無理に相手の身体を押さえつけると、呼吸を妨げる危険もあるので、急いで救急通報してください。

■嘔吐、めまい
[代表的な症状]
・脱法ドラッグを使用した後、吐き気やめまいなどの不快症状になやまされた経験をもつユーザーは多いはずです。
・平衡感覚が失われて立てなくなる、歩けなくなるという報告もよくあります。
・意識の混乱やけいれんをともなうこともあります。
[対処法]
・比較的軽症で、意識がしっかりしている場合は、衣服をゆるめて楽な姿勢にし、静かな場所で回復を待ちます。回復体位をとれば、吐しゃ物で喉や気道が詰まることを防止できます。
・意識の混乱やけいれんがある場合は危険です。急いで救急通報してください。

■体温上昇、心悸の亢進など
[代表的な症状]
・中枢神経興奮系の薬物には、体温や血圧を上昇させたり、心悸を亢進させたりする作用もあります。異様な発汗、ハーハー喘ぐような息遣いなどがみられます。
・高体温が続いた場合は、脱水症状によってさらに体調が悪化することがあります。
・最悪の場合は、心不全や脳出血を招き、死亡につながることもあります。
[対処法]
・相手を落ち着かせたうえで、衣服を緩めて楽にさせ、様子を見守ってください。
・水分をほしがる場合は、水を飲ませます。喉をつまらせることのないよう、注意してください。
・体温を下げる措置は有効です。身体を濡れタオルでふく、大動脈のある両脇や太もも部分を冷やすなどの手当てが効果的です。

■意識を失う、朦朧、昏睡など
[代表的な症状]
・薬物の作用によって、意識障害を起こし、意識が混乱したり、幻覚や錯乱を起こすことがあります。
・倒れたまま昏睡状態に陥ることもあります。呼びかけに反応しない、皮膚をつねっても反応しないなどの状態になったら、きわめて危険です。
・日本ではあまり流通していませんが、あへん系の薬物の中には、昏睡から呼吸停止に至る中毒症状をもたらすものもあります。この場合は、眠らせないために呼びかけや刺激を与え続けることが有効です。
[対処法]
・急いで救急通報してください。
・呼吸があるかどうか確かめてください。呼吸が止まったりごく弱い場合には、できれば人工呼吸の手当てをしてください。
・回復体位をとらせ、救急車の到着を待ちます。

次回へ続きます。

[参照]
FRANK>Emergency help
http://www.talktofrank.com/emergency-help
FRANKは英国政府系の薬物情報提供サイトで、脱法ドラッグに関する情報も豊富です。サイト内に、誰かが薬物の急性中毒に見舞われたとき、その場にいる人のするべきことについて、解説があります。記事は英語ですが、役立つ情報があるので、ぜひご参照ください。

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