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東電福島第一原発廃炉作業の視察へ

12日、大規模な水素爆発を起こし、炉心溶融と言う大事故へと至ってしまった東電福島第一原発の現地へ、廃炉作業の視察へ向かいました。今回は福島復興PT(プロジェクトチーム)原発事故収束WT(ワーキングチーム)の役員として、同僚議員と共に行ってまいりました。

私自身、昨年3月の東日本大震災発災から一週間は幹事長補佐として緊急物資の手配や計画停電への対応にあたりましたが、その後、約3か月に渡り、東京電力本社に設置された政府と東電との事故対応統合本部に入り浸りました。原子力のとてつもないエネルギーを実感したことが、今までの原子力政策を変える決意をしたことにつながっています。

今回、現地に行って改めて認識したのが、廃炉作業はこれからまだまだ超長期に亘らざるを得ないことです。単に建物を解体するだけならばそう難儀ではありませんが、使用済み燃料棒を取り出し、1~3号炉は溶け落ちた燃料を回収する作業があり、それから廃炉にするわけですから、3年や5年で完結するわけではないことは、素人の私でもわかります。一応、30年から40年と言う目処で計画は立てられていますが、これを極力安全に、可能ならば前倒しで実現できないか、特に本件に若い政治家としてかかわった私には、今後、政治家である限り逃げられないし避けられない課題だと思っています。

福島第一原発廃炉の中で、私のミッションは使用済み核燃料の処理と、炉内で溶け落ちた燃料の回収についてです。とにかく冷やし続けなければならず、その上で安全に取り出そうというわけですから、大変です。言うまでもなく、人間が近づけず、溶け落ちた燃料がどんな形で、どんな性質かもはっきりわかっていません。しかし、しっかり冷やし続けなければ、再び溶け出す可能性も残っています。

ちなみに、各号機にある燃料数は、炉内分(つまり溶けてしまった分)が、一号機400体、二号機543体、三号機543体、(4号機は定期点検中だったので0体、)それに加えて燃料プールには一号機392体(うち使用前100体)、二号機615体(同28体)、三号機566体(同52体)、四号機1533体(同202体)、共用プール6375体となっています。一体が約0.4トンですから、かなりの量です。使用済み燃料や3号炉の�燃料にはプルトニウムも含まれており、もう一度、「万が一」の失敗は許されない、途方もない作業が続きます。

起きてしまった大事故の、先の見えない後処理ですが、これを東京電力主体でやり続けることが得策か、議論が続いています。先日、東電が除染や賠償、廃炉措置に当初よりもお金がかかるとして、国に更なる支援を求めてきました。総額で10兆円にも及ぶこの処理費を、今後の東電の企業努力だけで吸収するのは明らかに無理です。というか、この福島の重荷を背負って、これから進められていこうとする電力自由化の中で、東電が十分な利益を上げ続けることはかなり難しいと言えます。もちろん、福島部分を切り離した残りが、優良企業として原発事故と全く無関係に経営をすることも、そう簡単に許されるものではありません。いずれにせよ、国策として進められてきた事業ですし、民間企業の限界もある以上、東電の切り分け、国の支援拡充は、議論を早急に進め、方向性を示さなければなりません。

現地では、高い線量の場所もあり、車の中からのみの視察となりました。たった1時間ほどの車内からの視察ですが、私は23マイクロシーベルト被爆しました。これの45倍で1ミリシーベルト、と考えると100ミリシーベルトなどすぐだとわかります。そうした環境で、一日3000人の作業員の方々が働かれています。この人たちがいなければ、福島の事故は終わりません。

福島第一原発近隣の出入りが制限区域には、原発に向かう関係者の車以外、全く人影はありません。いわゆる、ゴーストタウンです。その代わりに、鳥は元気に飛び回り、かつて飼われていた牛も時折、歩いているのに出くわします。感情的には、原子力などはとんでもない、となるのは自然なことです。私にもそうした感情は少なからずあります。同時に、社会には別の側面、別の現実もあります。

原子力から卒業できる社会を作る。この理想に向けて進みます。一方、実現が困難な理想ならば、現実にも目を向けなければなりません。原子力政策ほど、政治の責任と意志が問われる政策はないと、私は思います。福島第一原発を視察し、その思いをさらに強くしました。

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福島第一原発の司令塔、免震重要棟には神棚が。技術と、知恵と、神のご加護で、無事に作業を!

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