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少数民族の追加選挙要求にどう応える?

ミャンマー スー・チー国家最高顧問
和平プロセスにも影響

日本財団 参与 宮崎 正



ミャンマー総選挙で投票が見送られたラカイン州など一部地域の追加選挙の扱いがミャンマー和平の今後を占う要点となりつつある。国軍と交戦状態にあった地元の反政府武装勢力アラカン・アーミー(AA)が選挙の実施を求めて一時停戦に踏み切り、今後の成り行きに未だ停戦に合意していない少数民族武装組織の注目が集まっているからだ。焦点は選挙に大勝した国民民主同盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー国家最高顧問の判断にかかっている。

11月8日の総選挙ではラカイン州とシャン州の一部、議席数で下院15議席、上院7議席の投票が「治安上の理由」で見送られた。総選挙では476の改選議席のうち396議席をNLDが獲得して圧勝しており、追加選挙でいかなる結果が出ようとNLDの単独過半数に影響はない。

ただしミャンマーの辺境に位置する両州は少数民族政党の勢力が強く、ラカイン州では5年前の総選挙で、地元のラカイン民族党(ANP)が上・下院計29議席のうち22議席を獲得した。今回は計8議席にとどまり、投票が見送られた計16選挙区(小選挙区、当選者は各1人)の追加選挙の実施を強く要求する事態となった。

国軍もAAの停戦に応じるとともに追加選挙の早期実施を支持する姿勢を打ち出しており、ミャンマー国民和解担当日本政府代表を務める笹川陽平日本財団会長が日本政府の選挙監視団長の立場でラカイン州の未投票地域などを視察、これを基に3日、首都ネピドーを訪れスー・チー氏に追加選挙の実施を打診したものの同氏は即答を避けた。

長い間、内戦が続くミャンマーでは、20に上る少数民族武装組織のうち10組織が現在も停戦に応じていない。中でもAAとカチン独立機構軍(KIO)など中国と国境を接するカチン、シャン両州の3組織で構成される「北部同盟」は反政府色が強い。追加選挙の扱いは、これら組織の今後の動きに影響を与える可能性が高く、国際社会からも注目される事態となっている。

次期国会が召集される来年2月1日までに追加選挙が実施されないと、当該の議席は当面、空席扱いとなる。笹川会長の問い合わせに対し選挙管理委員会は条件が整い次第、実施する旨、答えたといわれるが、最終的な判断はスー・チー氏にかかる。今後の和平プロセス、統一ミャンマーの実現にも影響するだけに当面、目が離せない状況が続くことになる。

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