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映画「The Last Samurai」を見て ――世界を魅了する日本の「伝統」と「武士道」 - 楊甜

この映画を観るのは二回目だが、感動したのは侍の勇気、忠誠と、最後まで戦いたその精神だ。天皇に侍たちの声を伝えたがっていた勝元(渡辺謙)は現代化に逆らうつもりだったわけではなく、日本の伝統を守るべきだと言いたかったのだろう。最終的に天皇もアメリカの不合理な協定を拒否したため、良い結果だったといえる。侍たちが命を捧げたのは、昔から伝わる「武士道」精神があってこそだ。映画ではアメリカ人のネイサン大尉(トム・クルーズ)が身を持って表した。心静かで、雑念がない、その姿からは、武士道の神聖な力が感じられた。ネイサン大尉は傷付いた心を癒し、人生の新しい意義を見つけていたが、それも武士道の魅力ではないだろうか。

とはいえ、武士道がいかなるものかを捉えるのは、日本人でないと難しい。この映画からはオリエンタリズムも垣間見える。しかし脚本家も監督もアメリカ人なので、間違っているところがあるのではないかと思う。日本の田舎の住民とインディアン(ネイティブアメリカン)を同一視しているような感じがする。田舎で静かな生活をしている農民たちは、戦うときは刀や弓などしかない。この映画が1877年の西南戦争に基づいたものであるなら、それは事実ではない。映画には虚構の部分があるのは普通だが、アメリカ人には日本の侍に対するそういうイメージがあり、侍は極端に神秘的で崇高なものだと考えて、憧れた気持ちを持ってこの映画を撮影したのではないだろうか。

現代化に至る道は血涙があふれた歴史だ。どの国家もそうだ。印象深いのは、勝元の息子・信忠が髪が切られた時に悔しさと悲しさにいっぱいに叫ぶシーンだ。髪を切る行為に、一つの時代の終わりという意味を込めたのだろう。勝元が切腹するときの美しい桜も兵士たちの土下座もハイライトといえる。最後も素晴らしい台詞が出てきた。

“I have dreamed of a unified Japan, of a country strong and independent and modern. And now we have railroads, and cannons, western clothing. But we can not forget who we are or where we come from…”

(私はこの日本が、強く独立した、現代的な国である日本が一つになることを夢見てきた。そして、今、鉄道ができ、大砲もあり、洋服も着ている。しかし私たちは、自分たちが何者であり、どこから来たものなのかを忘れることはできない)


と明治天皇が言った。

その通りだ。現代化しからたといって、伝統を捨てるわけではない。良いものにせよ、悪いものにせよ、これからも伝統と現代の日本は世界を魅了すると思う。

A Power News 記者: 楊甜

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