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わたしたちが生きている2つの世界。

わたしたちが生きている2つの世界。
わたしたちは2つの世界を生きていると思います。

一つはライフネット生命の出口治明社長が、見事に言い表されたこの言葉。

リンク先を見る

http://hiwihhi.com/p_hal/status/92578114244325376

世界全体を70億人で運営されている一つの会社と考えると分かりやすいです。

一人一人が何らかの価値を提供することで、この会社の発展を支えているわけです。会社員、NPO、政治家、公務員、医者、弁護士、主婦、学生、子供・・・
それぞれにそれぞれの役割があり、この社会というシステムが維持され、そして進化していきます。
そしてその中で自分がどの部分の役割を担いたいのか。これを明確にすることで、仕事のやりがいは変わっていく。
もちろん自分や家族が生きていくために働く、という考え方は、当然尊重されるべきです。それが使命感となって、毎日の仕事が充実して、たまらないということであれば全然問題ないと思います。
ただもしそうでないのであれば、一度考えてみても良いかも知れません。
一度しかない人生を、自分は何を成し遂げることに費やすのか。
世界経営計画の中で、何を担当したいのか。

色んな意見があると思いますが、私は世界は進歩してきたと考えています。
前進と後退を繰り返しながら、しかし歴史を通して見てみれば、人間は確実に豊かになってきています。

たとえば・・・

- 平均寿命が伸びた。
(100年前は43~44歳。約30歳も伸びたことに)

- 誰とでも結婚できる。
(身分制度を超えての結婚は非常に難しかった)

- 日本中、世界中を旅行できる。
(土地に縛られて無理だったり、そもそも移動手段がなかったり。あと移動を禁止されていた時代もありました)

- いつでも世界中の友だちと連絡が取れる。
(今の携帯電話ってテレパシーと同じですよね)

- 欲しいものは注文したら次の日に自宅に届く。
(手に入らないものを探すほうが大変なぐらい)

などなど。

何百年前の王様がどんなに望んだとしても、決して叶えられない願いごとを、少なくとも日本にいる我々は、誰もが望めばこれらを謳歌することができるわけです。王様でも特権階級でもないのに。これを進歩と言わず、何を進歩と言えるでしょう。

もちろんいきなり、今の世界になったわけではありません。
その時代時代の人たちが、少しずつ少しずつ進めてきた、歴史の積み重ねの結果です。
そしてそれが何千年と続いたその最先端に我々は生きています。
いや、まだまだそんな豊かな国は一握りで、途上国の人達は全然そんな生活できないじゃないか!とか、物質的に豊かになったかも知れないが、そのぶん心が荒廃しているんじゃないか!
とか色んな反論あると思います。

そうです。

世界はまだまだ完璧には程遠いのです。

だから、もし今の世界に不足している点、理想とはかけ離れている点がはっきり見えているのであれば、そしてそれを心から何とかしたいと願い、自分が何らかの貢献ができると考えるのであれば、それを仕事にすべきです。

一人一人のそういう想いの積み重ねが、人間の進化の原動力であり、歴史なのでしょう。

いやいやいやいや!

「自分の仕事はそんなたいしたものじゃないから」

とか

「自分にはそんな大それたことをする能力はない」

とか

自らを世界経営計画のサブシステムであろうとする時に、卑下する必要は全くありません。
有名な逸話に「3人のレンガ職人」があります。
ご存知の方も多いとは思いますが、ご紹介します。
(結構長いです。)

「3人のレンガ職人」

====引用ここから====

世界中をまわっている旅人が、ある町外れの一本道を歩いていると、一人の男が道の脇で難しい顔をしてレンガを積んでいた。
旅人はその男のそばに立ち止まって、
「ここでいったい何をしているのですか?」
と興味をもって尋ねた。

「何って、見ればわかるだろう。レンガ積みに決まっているだろ。
朝から晩まで、俺はここでレンガを積まなきゃいけないのさ。
あんた達にはわからないだろうけど、暑い日も寒い日も、風の強い日も、日がな一日レンガ積みさ。腰は痛くなるし、手はこのとおり」

男は自らのひび割れた汚れた両手を差し出して見せた。

「なんで、こんなことばかりしなければならないのか、まったくついてないね。もっと気楽にやっている奴らがいっぱいいるというのに・・・」

旅人は、その男に慰めの言葉を残して、歩き続けた。
もう少し歩くと、一生懸命レンガを積んでいる別の男に出会った。
先ほどの男のように、辛そうには見えなかった。旅人は尋ねた。

「ここでいったい何をしているのですか?」

「俺はね、ここで大きな壁を作っているんだよ。これが俺の仕事でね。」

「大変ですね」

旅人はいたわりの言葉をかけた。

「なんてことはないよ。この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。
ここでは、家族を養っていく仕事を見つけるのが大変なんだ。
俺なんて、ここでこうやって仕事があるから家族全員が食べていくことに困らない。大変だなんていっていたら、バチがあたるよ。」

旅人は、男に励ましの言葉を残して、歩き続けた。
また、もう少し歩くと、別の男が活き活きと楽しそうにレンガを積んでいるのに出くわした。

「ここでいったい何をしているのですか?」

旅人は興味深く尋ねた。

「ああ、俺達のことかい?俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!」

「大変ですね」

旅人はいたわりの言葉をかけた。

「とんでもない。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだぜ!素晴らしいだろう!」

旅人は、その男にお礼の言葉を残して、また元気いっぱいに歩き続けた。

====引用ここまで====

 

職業に貴賎はない、というのは、そういう意味で、真実です。
自分がその仕事にどういう意義を持って、向き合っているのか。それが大切なことだと思います。
ほぼあらゆる大きな仕事というのは、一人の力では成し得ません。多くの人が何らかの組織に属して、仕事をしているのは、そういう意味でもあります。

そしてどの組織にもその存在の目的があり、理念があります。それはほとんどの場合、この世界に何らかの価値を提供するというもののはず。
であるならば、自分がそこに属し、仕事をしているということは、その組織の目的達成に貢献することであり、ひいては世界経営計画の一端を担っていることに繋がっていくわけです。

だからこそ、管理職の方は、自分のチームのメンバーにどうやったら、こういう使命感を持ってもらえるかが最重要の課題になるでしょう。

もし自分が部下がいない一スタッフであれば、その使命感を持てるかどうかで、仕事に対する取り組み方、意欲、充実感が全く変わるでしょう。

そして、本気でそういう仕事の仕方をしたいと願い、それでも使命感を持てなかったら。もっと自分がやるべきことがあるのではないか、と感じてしまったら。

その時は自分が担当すべき、別のサブシステムを勇気を持って探しにいくべきではないか。
それが一度しかない人生を、悔いのないように生きる、一つの方法なのだと思います。

まとめると、

- ほとんどの人にとって、仕事とは日中のかなりの時間を費やすもの。

- その時間をどれほど充実したものにできるかは、人生の充実感や幸福感に直結する、非常に大事な事柄。

- だからこそ、「なぜ自分はこの仕事をしているのか?」という問いに対して、きちんと考えておく。答えを持っておく、ということが求められるのではないかと思います。

 

一方で。

こんなに長々と書いてきてこんなことを言うのもなんなのですが・・・

世界経営計画って、自分が自分である必要ってないんですよね。

歴史上の偉大な発明や発見ですら、複数の別の人間によって、ほぼ同時期になされていることがほとんどです。

つまり、その人がもしいなかったとしても、誰か別の人間が近いうちに同じことを実現してしまうのです。究極的には、自分の替わりはいくらでもいるわけです。
そうかな?ワンマン社長がいる会社で、社長いなくなったらその会社やっていけなくなるよね?

という意見もありますが、その会社はやっていけなくなったとしても、その会社が実現しようとしていた理念や目的は、それが世界にとって意味があるものであれば、別の会社や組織がいつかきっと実現するでしょう。

例えるならば、誰も頂上まで登ったことがない山があったとして、誰が最初に頂上に旗を立てるのか、という競争をしているようなものかも知れません。

だからこそ、自分がこの世界で本当に実現したいこと、登りたい山を見つけること。
そして、その実現に自分が最適であると世界に証明するために研鑽を積み続けること。
これが求められるのではないかと思います。

ただ一方で、仕事が人生の全てではありません。
もう一つ大事なことはこの世界経営計画以外の世界。

今までの世界が客観的・公的な世界だとすれば、こちらは主観的・私的な世界

要はプライベートってことですね。
家族や友人。自分にとって、大切な人たち。
彼ら彼女らとの時間を互いにとって、どれだけ実りあるものにできるかが、人生の幸福感に大きく影響します。

自分にとって大切な人たちは、ほとんどの場合、相手にとっても自分は大切な人です。家族や友だちに、代わりになる人など、いません。ひとりひとりが、かけがえのない存在であり、特別なのです。
それは自分の存在が相手にとってもかけがえのないものである、ということでもあります。
大切な人たちとの関係、時間、交流は、世界全体への影響は未知数です。

でも、私的な世界、つまり自分の周りの大切な人たちにとっては、自分の振る舞いや行動や気持ちが大きな影響を与えるのです。

仕事には自分の代わりはいます。

でも、自分の周りの人たちにとっては、自分の代わりはどこにもいないのです。

親しい人をこの世から亡くす経験をするたびに、私はそれを痛感します。
だからこそ、自分の大切な人たちのことを真剣に想い、どうやったらよりよい時間を共に過ごせるのかを考え、行動に移すことは、生きていく上でとても大切なことだと考えています。

公的な世界と私的な世界のどちらもおろそかにすることなく、まるで車の両輪のように、両方の生き方を実践していく。2つの世界をしっかり生きていく。まだまだ全然できていませんが、そうありたいと本気で願っています。

最後に、尊敬する古賀洋吉さんの言葉をご紹介します。

リンク先を見る

http://twitter.com/yokichi/status/110218765895090176

そのとおりだと思います。

泣いても笑っても、人生は一度きり。お互い、よい差を残したいですね!

長文にも関わらず、読んで頂いて本当に感謝です。よかったらぜひご意見、ご感想聞かせてください!

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