
[シドニー 2日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁は2日、国内経済について楽観的な見方を示した上で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による影響からの回復は不安定でまだら模様になると警告、長期的な政策支援の必要性を示唆した。
総裁は議会経済委員会で、第3・四半期と第4・四半期の国内経済について「しっかりとしたプラス」成長を見込んでいると述べた。
その上で、「見通しには依然として強い不透明感が伴う」ものの、「時間とともに明確になってきたのは、オーストラリアでは失業率の高止まりや非常に低い賃金の伸び、インフレが数年にわたって続き、われわれの目標が達成できない見込みであるということだ」と指摘。
「現在の環境において理事会の優先課題は高水準となっている失業率に対処することだ。われわれは中銀が備える手段を用いて可能な支援措置を取る意向だ」と述べた。マイナス金利政策については導入する可能性は極めて低いとの見解を改めて示した。
ロウ総裁の発言後、オーストラリア統計局が発表した第3・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比3.3%増と、ロイターがまとめた市場予想の2.6%増を上回った。
豪中銀は1日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを予想通り過去最低の0.10%に据え置き、1000億豪ドル規模の量的緩和プログラムを維持した。