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【オンライン販売】、サイバーマンデーが過去最大!泥酔モバイル購入で返品も過去最大?



■「買い物の主戦場がリアルからネットへ」の描写が陳腐に感じられるほどコロナ禍ではオンラインショッピングが主流になってきている。

特に年末商戦はこの傾向が強くなる。そして11月30日のサイバーマンデーは1日のオンライン売上高としては過去最大規模となりそうなのだ。

アドビ・アナリティクスによると、サイバーマンデーの売上高は108億~114億ドル(約1.1兆~1.2兆円)に達する見込み。

大手チェーンストアを含め多くの企業がネット販売でもセールの前倒しを実施し、セールの分散化が起こっているが消費者の半数以上はサイバーマンデーがなお最も買い得と考えているのだ。

セールスフォースの予想でもサイバーマンデーの売上高は118億ドルと高い。

アドビではオンライン売上高の40%がスマートフォンを介してのショッピングと見ている一方、セールスフォースではスマートフォン・アプリを通じたショッピングがオンラインの58%と6割を占めているとの予想だ。

「買い物の主戦場がリアルからネットへ」そして「ストアアプリを介して手のひらショッピング」、さらに言うとネット注文品を店の駐車場でピックアップする「カーブサイド・ピックアップ」の買い方が増加しているのだ。

アメリカの宅配では受け手が不在の場合、玄関などドアの前に置きっぱなしとなる置き配が一般的だ。

玄関に置き配された宅配物を盗む輩を「ポーチ・パイレーツ(Porch Pirates:ポーチとは玄関の意味で『玄関盗賊』)」と呼び、ECの隆盛にともない年々深刻になっている。

今年はコロナ禍でネットショッピング需要が記録的に急増しており、ポーチ・パイレーツの被害も増大する。

ショッピングコンパリゾンなどを行う調査会社のファインダー・コム(Finder.com)が1,790人を対象に9月に行ったオンライン調査によると、アメリカ国内のポーチ・パイレーツの被害総額は昨年、54億ドル(5,600億円)にも上った。

1年間で約14%となる3,550万人が被害にあっており、平均の被害額は156.82ドル(約1.6万円)にも及ぶのだ。

したがって、大手チェーンストアはネットショッピングからリアルでもスムーズに買い物できるストアアプリと同様、カーブサイド・ピックアップにも投資するのだ。

例えば国内にベストバイやパシフィック・セールスなど約1,000店を展開するベストバイはコロナ終息後も消費者のネットを中心にした購買行動が維持されると予想。

本社近くで4店舗を改装し、店頭在庫を少なく売り場を圧縮しながら倉庫を併設、屋根付きのカーブサイド・ピックアップやネット利用客が自由にピックアップできるロッカーを導入した店舗をテストするのだ。

一方、老舗デパートメントストアのメイシーズでは年末商戦でダークストアのテストを行っている。コロナ禍で売り場に客足を望めない中、既存のデパートをネット販売に特化した倉庫にすることでニューノーマルに対応するのだ。

ダークストアとは店の中で買い物ができるインストア・ショッピングはなく倉庫に専用の駐車スペースがついた、宅配サービスやカーブサイド・ピックアップに特化したフルフィルメントセンターだ。

ダークストアは一般的に生鮮品などを販売するネットスーパーで使われる用語であり、アパレルを扱うデパートではこれまでダークストアの事例がない。

メイシーズのダークストアが極めてユニークなのはモールで核テナントとなっている既存のデパートの売り場を閉鎖し、ボピスやカーブサイド・ピックアップ、当日宅配専用の倉庫にすることだ。

メイシーズが「オモニ・サービス・センター(Omni Service Center)」と呼ぶダークストアとなるのはデラウェア州ドーバー地区にある「ドーバー・モール(Dover Mall)」とコロラド州リトルトン地区にある「サウスウエスト・プラザ(Southwest Plaza)」にあるメイシーズ。

ベストバイは売り場を縮小しその分、倉庫を併設。メイシーズは売り場をそのままネットショッピング用の倉庫に当てるのだ。

 リアルからネット、ネットもモバイルから注文、さらにカーブサイドとなれば一つ大きな問題も出てくる。それは返品だ。購入が簡単になればなるほど、売り場で商品の確認や試着等もなければ、返品率は上昇する。

一般的にオンラインショッピングの返品率は30%だが、コロナ禍でネット販売が急増する今年は40%近くにも跳ね上がるとの予想だ。店でピックアップできるからこそ、お店で手軽に返品する人も増えることになる。

リアル店舗での返品率は10%を超える程度だ。ネット売上の増加で返品が増えればカスタマーサービスがパンクしかねない。

コロナ禍の返品処理は、商品を介しての感染を防がなければならないため通常の処理とは異なるからだ。

返品処理に手こずれば顧客体験の悪化で、ネットで二度と買ってくれないかもしれないリスクを抱えることにもなる。

 「買い物の主戦場がリアルからネットへ」の裏では、チェーンストアにとって本当に難しい時代になってきているのだ。

トップ画像:アマゾン・フレッシュ・アーバイン店カスタマーサービスでブレックファストバーを返品。アメリカでは食品でも(食べていても)満足できなければ簡単に返品が可能だ。過去最大となったサイバーマンデーでは、ほろ酔い気分でネット購入した人も少なくない。返品も過去最大となりそうだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。先日、アマゾン・フレッシュ・アーバイン店で購入したブレックファストバーを返品しました。ご存知の通り、アメリカでは食品でも(食べていても)満足できなければ返品できるのです。

不味いという主観的な感想でも返品できるのです。アマゾン・フレッシュのカスタマーサービスの担当者から返品の理由をきかれたので単純に「(味が)好みじゃないから(I don't like it)」と答えたら、納得して返品処理していました。

お店にとって無条件に近い返品のメリットは、消費者に「買う」という敷居を低くさせることです。高価なものでも気に入らなければ返せばいいという選択肢があることで、お客に(試しでも)買ってもらえるため売上が伸びるのです。問題は安易な買い物が増えると比例して返品も増えることです。

感謝祭からサイバーマンデーでオンライン・ショッピングが記録的に増えていますが、そのうらで結構へべれけ酩酊状態で買い物している人が多いのではと思っています。

 ブラックフライデーで行ったベストバイでは、オキュラス・クエスト2の在庫を見て一瞬、欲しくなりました。結局(遊んでいる時間はないという理由で)買いませんでしたが、仮に酔って気が大きくなっていたら「気に入らなければ返品すればいいし」で絶対買ってたと思います。オンラインではこういった購入が増えるということです。

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