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皇室と愛のはざまで結婚を誓う眞子さまと小室圭さんは日本の若いカップルの苦悩を映している

秋篠宮さま「結婚することを認める」

[ロンドン発]11月30日に55歳の誕生日を迎えられた秋篠宮さまは、3年前に婚約されたまま結婚が延期されている長女、眞子さま(29)と大学時代の同級生、小室圭さん(29)について「結婚することを認める」と明言されました。眞子さまは13日「結婚は私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」という2人の気持ちを文書で公表されていました。

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秋篠宮さまは記者会見でこう述べられました。「長女が今の自分たちの気持ちというものを文書で公表いたしました。皇嗣職大夫の気持ちを尊重するということでしたね。それは結婚することを認めるということです。これは憲法にも結婚は両性の合意のみに基づいてというのがあります。本人たちが本当にそういう気持ちであれば、親としてはそれを尊重するべきものだというふうに考えています」

「あくまで私の主観になりますけれども、感じとしては決して多くの人が納得し喜んでくれている状況ではないというふうに思っています。そのことは娘も恐らく同じ気持ちを持っていると考えております」「実際に結婚するという段階になったら、もちろん、今までの経緯とかそういうことも含めてきちんと話すということは、私は大事なことだと思っています」とも述べられました。

2人の結婚は小室さんの母親と元婚約者の男性との間で「返せ」「いや返す必要がないおカネ」ともめている400万円の金銭トラブルが発覚したことで週刊誌のバッシングにあい、延期になっていました。週刊現代にこの男性が「今後、小室家に対して返金を求めることは一切いたしません」と答えていることから、結婚に向けての大きな障害が取り除かれた可能性があります。

皇族の結婚が難しいのは民間から嫁がれた上皇后美智子さま、皇后雅子さまのこれまでを振り返ればお分かりになると思います。英王室でも王族の結婚は「王冠を賭けた恋」と騒がれたエドワード8世の退位、チャールズ皇太子とダイアナ元皇太子妃のダブル不倫・離婚、ヘンリー公爵とメーガン夫人の王室離脱などさまざまなスキャンダルを引き起こしてきました。

伝統とプロトコルに雁字搦めの皇室や王室という制度が生身の人間の感情をずたずたに引き裂いてしまうからです。ネットフリックス(NETFLIX)でダイアナ元皇太子妃が登場し、英政府が「毎回フィクションという断りを入れよ」と注文を付ける騒ぎまでに発展している人気シリーズ「ザ・クラウン」のシーズン4も「王室という制度と人間の愛の葛藤」が大きなテーマになっています。

「若い日本人カップルが結婚に苦労するのと同じ理由」

2人の結婚について否定的な人は「小室さんの家柄が眞子さまの結婚相手として相応しくない」「入学金や留学費用として借りたお金を返さない人は信用できない」「安定した収入がない」「結婚で皇室を離れられる眞子さまへの1億円超の一時金から借金を返済されては困る」という理由からでしょう。しかし筆者には、今の若者の経済状況を象徴している小室さんに同情します。

1990年代前半に金融バブルが破裂してから日本では貧富の格差が広がり、高校から大学卒業までにかかる1人当たり平均約935万円(日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」)を負担できる家庭が少なくなりました。下宿や海外留学するとなると住居費や生活費など負担はさらにかさみます。日本学生支援機構によると、奨学金の平均貸与総額は241万~343万円です。


小室さんは少々おカネの無理をしてでも、キャリアアップを目指す日本の若者を代表しています。

英BBC放送は、秋篠宮さまが2人の結婚をお認めになったというニュースについて「多くの若い日本人カップルが2人と同じ理由で結婚に苦労しています。小室さんは終身雇用の仕事を持っていません。20年前、日本人男性の80%が終身雇用でした。今では 50%未満です。いわゆる日本の夢は今や多くの若者にとって実現不可能になっています」という声を伝えています。

男性“結婚氷河期”の深刻化

国立社会保障・人口問題研究所のデータから50歳時の未婚割合を見てみると、金融バブルが弾ける前まで男性5.6%、女性4.3%とすごく低かったのに比べ、2015年にはそれぞれ男性23.4%(4人に1人)、女性14.1%(7人に1人)まで上昇しています。40年には男性29.5%、女性18.7%になると予測されており、女性より男性にとって厳しい“結婚氷河期”が続きます。

バブル崩壊を機に日本ではリストラの嵐が吹き荒れました。それまでは「夫は会社で仕事、妻は家で家事と育児」という役割分担が成り立ちましたが、家計を夫が1人で支えるライフスタイルが崩壊。国際競争力を取り戻すため、非正規雇用が導入されたことも男性の収入をさらに不安定にしました。バブル崩壊前は10%を下回っていた男性の非正規雇用の割合は20%を超えています。

同研究所の出生動向基本調査(2015年)に「いずれ結婚するつもり」と答えた18~34歳の未婚男性は85.7%、未婚女性は89.3%。1987年にはそれぞれ91.8%、92.9%だったので少し減ったものの、男女とも「結婚願望」は依然として高いままです。1年以内に結婚する意思のある男性の割合では「自営業、正規雇用」と「パート・アルバイト、無職・家事」の間で格差が見られました。

女性から見た「結婚の利点」は(1)子供や家族を持てる49.8%(2)精神的安らぎの場が得られる28.1%(3)親や周囲の期待に応えられる21.9%(4)経済的に余裕が持てる20.4%で、中でも(4)を「結婚の利点」に挙げる人が大幅に増えています。一方、男性にとって「独身生活の利点」は(1)行動や生き方が自由69.7%(2)家族扶養の責任がなく気楽26.7%――でした。

結婚意思のある未婚者に1年以内に結婚するとしたら何が障害かと質問したところ、男女とも「結婚資金」がそれぞれ43.3%と41.9%と断トツで高くなっていました。結婚の意思のない未婚者が「いずれ結婚するつもり」に心変わりするとしたら「結婚したいと思う相手が現れる」に次いで「収入や貯蓄が増える」が男性54.6%、女性34.5%と2番目に多くなっていました。

結婚するしないを議論する以前に「交際している異性はいない」と回答した18~34歳の未婚者の割合は男性69.8%(1987年48.6%)、女性59.1%(同39.5%)といずれも大きく上昇していました。異性との性交渉の経験がない未婚者の割合は1990年代前半までは減少傾向にあったものの、男性では1990年代後半、女性では2000年代初頭からこの傾向に歯止めがかかっています。

18~34歳で性経験のない男性は42%、女性は44.2%。35~39歳で性経験のない男性は26%、女性は33.4%にのぼっています。バブル崩壊の後遺症はこんなかたちで若者の性生活にも暗い影を落としているのです。高齢化で日本が保守化するのは仕方がないとしても、高齢の購読者を頼みにする週刊誌の小室さんバッシングは尋常ではありません。

AP

筆者は眞子さまと小室さんに困難を乗り越えて幸せな家庭を築いてもらうことが日本の未来を明るくすると思いますが、みなさんはどうお考えですか。

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