米製薬大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテックが共同開発した、新型コロナウイルスのワクチンについて、英国の医薬品・医療製品規制庁が、数日中に緊急承認する見通しだと、英紙ファイナンシャル・タイムズ(電子版)が、28日、伝えました。
12月7日に接種が開始される可能性がある、ということで、先進国で新型コロナワクチンが承認される初のケースとなりそうです
英国政府は、このワクチンを4千万回分確保する契約を結んでいて、1千万回分は年内に入手する予定だとしています。英規制当局は、臨床データをリアルタイムで提出してもらい、進行中の臨床試験(治験)や製造工程について企業側と協議する「逐次審査」を実施し、承認手続きにかかる時間を短縮し、早期の接種開始をめざしてきたそうです。
接種は、高齢者介護施設の入所者と職員を最優先とし、続いて80歳以上と医療・福祉従事者、その後は年齢層の高い順から接種を進めることを、政府の諮問委員会が政府に勧告しています。日本政府は、ファイザーから来年6月末までに6千万人分のワクチンの供給を受けることで基本合意しています。
ワクチン開発では、米バイオ企業モデルナや英製薬大手アストラゼネカも、最終の治験で高い効果を確認できたとする暫定結果を発表しています。ワクチン開発では、ロシアが8月に自国製品を承認しましたが、大規模な治験に基づいていず、効果や安全性の確認が十分でない、とされています。
プーチン大統領は未接種で、国民に不信感がある、と伝えられています。先進国で、安全性が確認されたワクチンが接種できるようになることは、大歓迎です。
日本でもワクチン開発は進められていますが、司令塔機能を欠く日本政府と、リスクのある巨額投資に二の足を踏む製薬会社、という状況で、日本は周回遅れといわれています。平時に対策を怠ってきたつけが、ワクチン安全保障に影を落としている、ということです。
腰をすえてワクチン開発、予防接種に取り組んでいってもらいたいものです。