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- 2020年11月29日 15:57
コロナバブルで株式市場は加熱、そろそろ短期的な調整か(金融日記 Weekly 2020/11/20-2020/11/27)
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日米ともに、新型コロナウイルス禍が深刻さを増している。日本は連日、過去最高の新規感染者数を記録し、北海道や大阪などは集中治療室が埋まり、院内感染などから他の病気の治療も困難になりつつある。これを医療崩壊と言えば、すでにそのフェーズに入っている。また、限られた検査キャパシティの問題で検査陽性率は10%に迫り、見かけの新規感染者数も増えにくくなっており、実態ははるかに酷いのかもしれない。
アメリカも同様で過去最高の1日20万人の感染者を出し、犠牲者数は12月中にも第二次世界大戦の記録を超える。ロスアンゼルスなどの大都市は再びロックダウンされている。
●大阪、医療逼迫懸念一段と 軽症・中等症病床使用率53%
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66780830Y0A121C2AC8Z00
●米国のコロナ感染、初の1日20万人 ロスは外出禁止令
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66782060Z21C20A1000000
コロナ禍の被害が拡大しても株価が上がり続けるのはもはやいつもの光景だ。実体経済は悪化の一途を辿るが、それだからこそ、過剰な金融緩和や各国の給付金などのヘリコプターマネーが継続する、と考えることもできる。
また、ワクチン開発が上手くいき、来年中にはコロナ禍などすっかり解決されている、という期待もあるだろう。しかし、やはり給付金など、ばら撒かれたマネーが、株式市場に向かい、株を買うから上がる、上がるから買う、というバブルになっている、というのが実態ではないだろうか。
日銀の株式の市場での直接購入など、過剰な非伝統的金融緩和もいずれ出口戦略を考えないといけないときが来る。アメリカのFRB然りである。まだ、だいぶ先であるが、そのときは、コロナ禍や実体経済の改善のニュースで逆に株価が下がるような展開もありえるだろう。
あまりにも加熱し過ぎたため、今週は短期的な調整局面はあるかもしれない。
●日銀含み益5.8兆円、株式投資への批判も
https://jp.wsj.com/articles/SB10793175384125413674804587123701639016904
●「疑似MMT」実践する主要国、問われる長期リスク管理能力
https://jp.reuters.com/article/focus-pandemic-corona-monetary-policy-mm-idJPKBN2800QA
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日本株
直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移
出所: 日経新聞社

出所: 東証、日経新聞社、セクター指数はTOPIX17業種

出所: 会社四季報、Yahoo!ファイナンス
FX
直近1年のドル円とユーロ円の推移
出所: セントラル短資

出所: Bloomberg.com

出所: セントラル短資
外国株とコモディティ
直近1年のS&P500と原油価格(WTI原油先物)の推移[USD]
出所: Yahoo!ファイナンス、Bloomberg.com

出所: iShares: MSCI Japan (EWJ), MSCI Kokusai (TOK)、MSCI Core Europe (IEUR), MSCI All Country Asia Pacific ex Japan (AAXJ), MSCI Emerging Markets (EEM), GLOBAL REIT ETF (REET). Bloomberg.com: Oil WTI Futures (CL1), Gold Futures (GC1)