- 2020年11月28日 16:19 (配信日時 11月28日 15:15)
勝間和代「これからは"都心に近く、駅から遠い物件"がオススメである理由」
1/2自然豊かな田舎となにかと便利な都心。これから住むにはどちらがいいのか。経済評論家の勝間和代氏は「いまは、田舎に行かなくても穏やかな暮らしはできる。都心に近く、なおかつ駅から遠い物件を選ぶのがいい」という――。
※本稿は、勝間和代『自由もお金も手に入る! 勝間式超スローライフ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kohei_hara
長時間労働に代わる「新しい形」の働き方
アフターコロナの時代には「あらゆることがいつでも情勢に合わせて変化する」ことを前提にすべきでしょう。つまり、仕事の仕方も、生活の仕方も、サステイナビリティ(持続可能性)が課題となります。
なぜなら、持続可能な働き方というのは変動に対して耐性を持つ働き方であり、時間的にも収入的にも余裕を十分に保つことができるから。今回の新型コロナのような様々な外的ショックにも耐え得る、ベストな働き方なのです。
長時間労働ありきの旧来型の生活から脱却し、幸せでサスティナブルなライフスタイルに切り替えるために、私は「都市型スローライフ」を提唱します。
これまでの「スローライフ」といえば、「自然豊かな田舎に暮らして、ホームガーデンを耕しながら、年収が低くてもいいから落ち着いた、自然豊かな田舎に暮らして」というようなイメージが強かったと思います。
しかし、私が提唱するスローライフは、それとはだいぶ違います。
現代生活のテクノロジーや利便性を駆使しながらも、忙しすぎる交感神経優位な外界から少し遠ざかり、ある程度資本をかけて装備された自宅を中心に、毎日を幸福度高く暮らす「新しい形」のスローライフなのです。
通勤しなくなっても都会の近くに住むべき理由
今後もリモートワークが続くとすると、通勤を前提としたオフィス周辺に限らず、より自由度の高い住居の選択肢が可能になります。だからと言って、本当に都会から遠く離れていいのかというと、そうとも言いきれないでしょう。自宅中心に仕事や生活を行うにしても週に1~2回は外出をして、様々な用件を実行する必要性は出てきます。
例えば、私は定額制の美容室サービス「MEZON」に入っており、複数のいろいろな美容室に行っていますが、やはり銀座や六本木など、都心に近い美容室ほど技術が高いという実感があります。払う金額が同じであれば、より技術が高い方へ通う方がコスパは当然良くなります。
美容院に限らず、飲食や医療施設、文化的施設においても、強豪の激しい地域にある方が、より良い技術やサービスが得られる可能性が高い傾向があることは事実です。
都会に近く、駅から遠い物件がオススメ
それでは、具体的にこれから住むべき物件とはどんな物件なのでしょうか。
ある程度都会へのアクセスも確保した上で、それなりに利便性が良く、仕事するスペースも確保できるくらいの床面積がある。そのうえで住宅費が高すぎない物件を探すとなると、「駅から遠いけれど駅自体は都心のアクセスが良く、かつ、築年数がある程度立っている物件」というのが現実的です。
毎日の通勤が有る場合には駅から遠いことが負担になりますが、週に数回であれば、そこまで問題にはなりません。むしろ、家賃とのバランスでどのぐらいの広さをどのぐらいの単価で手に入れられるかの方が重要です。
よくスーパーマーケットや大型ショッピングセンターのそばに住むのが良いといわれますが、すでにオンライン環境が整った現代では特に必要はなくなりました。Amazonフレッシュやイオンなどのネットスーパーの配達エリアであれば、大きな問題はないでしょう。
田舎に住まなくても自然のリラックス効果を得る方法
私たちは自然の中に身を置くとリラックスし、ストレスが減り、様々な機能が活性化されます。だからこそ田舎暮らしを推奨する人も多いのだと思います。
私もそのこと自体は全く否定しませんが、私が推奨するスローライフでは週に数回の都市部における外出や社交が要素にあるため、自然豊かな環境と都心の利便性とのトレードオフが生じます。
それに対する私の解決法は「VRの積極活用」です。「VRで見る自然なんて、まがいものだ」と考えるひとが多いと思いますが、今のVRは大変高精細になっていて、私たちの脳が「本物の自然だ」と勘違いできるレベルまで精度が上がっています。
私たちはお芝居を見ても、映画を見ても実体験と同じように感動できます。それと同じように、VRで見る自然も脳が勘違いして精神に影響するレベルになっているのです。私は自然環境と都市部の利便性を両立する、今のところ一番優れた解決方法だと感じています。
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