これによるとパンデミックの影響でオンライン販売が伸び、11月26日の感謝祭日でのオンライン販売額が前年同日比42.3%の増加となる60億ドル(約6,200億円)に達する。
また翌日のブラックフライデーでもEコマース売上は同39.2%増となる103億ドル(約1.1兆円)となるのだ。サイバーマンデーも35.3%増となる127億ドル(約1.3兆円)に上る。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、これまで以上に消費者がリアル店舗よりネットで買い物するのだ。自宅で過ごすことに慣れてしまい、外出を控えるようになったニューノーマルも影響している。
大手チェーンストアなどはブラックフライデーで、大々的なセールを行い実店舗にお客が殺到する事態を招けば、批判の対象になりやすい。
店内でクラスターが発生し、お客ばかりかスタッフまで感染のリスクにさらすようなことがあれば企業イメージを傷つけるような大問題に発展する。
また実際問題として、入店制限や時短営業を行うことで、多くの買い物客が店に入れないことになっている。
では実際にコロナ禍のブラックフライデーはどんな様子だったのか?
金曜日の早朝5時からブラックフライデーセールを開始したウォルマートでは、これまでにないほどに店内は静まりかえっていた。
ソーシャルディスタンシングで行列の長さは伸びているもののオープン30分前でも80人程度しか並んでいないのだ。オープン直前の人数は確認できなかったもののオープン30分後の店内の様子から100人を超えるぐらいだったと想像できる。
ウォルマートはノーマルキャパシティの20%ほどの入店制限を行っているが、ブラックフライデーの開始直後では全くの入店規制を行っていなかった。
家電量販店チェーンのベストバイもオープン直前5分前を確認できたが行列の人数は20人ほど。午前5時のオープンもすぐに入店でき、これまでのようにテレビに群がるような気配もない。
誰もがゆっくりと買い物を楽しんでいるのが印象的だ。オープンから20分間ベストバイにはいたが、お客もそれほど増えず店内はまばらで寂しすぎるほどだった。広い駐車場に車が4分の1程度しか埋まっていないのだ。
ウォルマートに戻り、店内を歩いたがこれまでのブラックフライデーとしては最もお客の入りが悪い状態だ。人気の家電コーナーもそれほどお客はおらず寂しい。アイランド陳列されセールとなったブランケットや下着などにお客が若干群がっている程度なのだ。
こういった傾向はウォルマートやベストバイにとどまらない。ブラックフライデーもリアル店舗の売り場からお客は消え、ほとんどはオンラインショッピングで買い物を済ませてしまうのだ。
今日は異常事態にも見えるブラックフライデーの店内の様子を画像でアップする。
トップ画像:ブラックフライデーセールのオープン30分前のウォルマート。早朝4時30分の行列は80人ほどだった。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ベストバイのブラックフライデーでオープン直後に入店できたのは18年ぶりぐらいでしょうか。2003年のブラックフライデーでは、朝8時からベストバイなどを視察するという研修日程がありました。が、結局、ものすごい長い行列ができていてグループは店に入れませんでした。その前年まではかろうじて店には入れたと記憶しています。
コロナ禍の今年は行列が短いだけでなく、ただただ、ガラガラで寂しい店内。通路にはずらっとセール品が置かれてはいますがお客がいないのです。いてもこれまでのような、どこか殺気立った雰囲気もなし。で、ベストバイのセールには70インチのサムスン4Kテレビが530ドルとか75インチでTCL製4Kテレビが500ドルなど激安品はありますが、必ずしも目玉というほどではありません。プレステ5が店が購入できるのなら行列も長くはなるかもしれませんが、それもない。わざわざ早朝起きなくても激安テレビはネットで余裕で買えるよね、ということなのでしょう。
パンデミック終息後は、ブラックフライデーのような年1の大セール日にお店にお客をどうやって戻すのかが課題になってくると思いますね。