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菅義偉首相、地元で語られていた『釣りキチ三平』のモデル説

少年時代は渓流釣りに明け暮れていたという(時事通信フォト)

 漫画家の矢口高雄氏が11月20日、膵臓がんで亡くなった(享年81)。同じ秋田県湯沢市雄勝出身で生前交流があったという菅義偉首相は、異例ともいえる長文の追悼コメントを寄せた。

「先生の代表作である『釣りキチ三平』は、秋田をはじめ、日本中の美しい自然を舞台にした躍動感あふれる作品で、まさに『不朽の名作』と言えましょう。当時の釣りブームのきっかけともなりました。

 私も大の釣り好きで、少年時代は、映画のロケ地にもなった役内川で渓流釣りに明け暮れました。矢口先生に感じていた親近感と懐かしさは、このような私の少年時代の思い出にも由来するのでしょう」(日刊スポーツに寄せた追悼コメントより)

 菅氏の釣り好きは地元で有名だったことが、ノンフィクション作家・森功氏による評伝『総理の影 菅義偉の正体』(小学館)で詳述されている。小中高の同級生で元湯沢市議会議長の由利昌司氏によれば、あまりの釣り好きに地元では菅氏が『釣りキチ三平』のモデルではないかとまで言われていたというのだ。

「漫画の『釣りキチ三平』は成瀬川で、官房長官(当時)は役内川だから、ちょっと違うけど似たようなものでしょう。官房長官のうちのすぐ近くに役内川が流れています。椛山発電所のところあたりが、釣り場でした。いまでも釣れると思うんだけど、こっちでは『チクザッコ』と呼ぶウグイとか、イワナ、ヤマメとかたくさん生息しています。竿の先に針をいっぱいつけてボーンと引く、いわゆるひっかけです、昔の釣りは」

「私なんかは潜ってモリで突いたほうが早いし、そんなに簡単に親が釣竿を与えてくれるものでもないしね。年配の人は別だけど、われわれのような子供で釣りをする人なんて、そう多くはいませんでした。官房長官ももちろん潜りをやったけど、それでは醍醐味がないと言っていました。まだ雪が残っている水の冷たい四月の初めのころから釣る。三十センチ以上のイワナがいる時代でしたから、たしかにあれは醍醐味がありました。官房長官は子供にしては珍しく、釣竿を持っていてな。われわれのはせいぜい七夕のあとにつくる竹竿ですが、官房長官のは畳めて次々と足すタイプの立派な釣竿でした。そんなのを持っているのは、釣りを商いにしている人か、本当に道楽でやる人くらいでした。官房長官は好きだったね。年配の人の中に交じってやっていました」(同書より)

 本物の“釣りキチ”だからこその哀悼だったのだ。

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