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武蔵野市 18歳までの子どもの医療費を無料へ 論点は残る

武蔵野市は、18歳までの子どもの医療費助成を行う条例改正案を議会へ提出する。実現すれば、多摩26市で初。


■所得制限なしで入院、通院対象

 子どもの医療費の自己負担分を助成するもので窓口では無料になる。11月25日に行われた記者会見資料によると、子どもの保健の向上と子育て家庭の経済的な負担軽減が目的。現在の15歳までのから18歳までに引き上げる条例改正案を議会に提出する。保護者の所得制限はない。

 助成の方法は、医療証を発行し、市内の医療機関の場合は、健康保険証とともに提示することで窓口での負担をなくす。市外の医療機関の場合は、いったん支払った後に市に申請して給付を受ける。ただし、健康保険対象外の診療や入院時の食事療養費(食費)は対象とならない。

 可決されると、令和3年4月から入院の医療費、令和4年4月からは通院も対象になる。事務手続きなどがあり、通院は一年遅れての開始となる。

■世の流れ、ではあるが

 厚生労働省が毎年行っている「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」(平成元年度)によると全国の1741市区町村で15歳まで行っているのは通院まで対象としている自治体は923あり、約53%の自治体で行われている(入院は968)。18歳までは通院で659、約38%だ。

 東京都でみると、島しょを含めて都内全自治体が15歳までを対象としている(所得制限や一部負担がある自治体あり)。18歳までで、通院までも対象としているのは、千代田、日の出、奥多摩町、新島、神津島という状況だ(品川は入院のみ18歳まで)。

 全国で比較すると15歳までが主流で18歳までは増えてきている。都内で比較すると23区と26市では二番目、26市では初めてだ。

■論点は残されている

 子どもの健康のためであり、松下市長の公約でもあったことも含めて実施することは評価したい。

 しかし、その費用は全市民で負担する。コロナ禍で税収が減ることが見込まれている現状では、多くの市民の納得が得られることが求められる。

 詳細は議案審議のさい明らかになると思うが、以前に書いた論点が残されている。

・無償化よりも、夜間・休日診療を増やすことや教員の多忙化が優先されないのか
・予防医療で医療費を削減できるは間違いだと指摘する意見や無償化すると医療費が増え国庫の負担が増えることから国からの補助金を減額される。。
・医療費無償化による受診拡大など医療保険制度全体の規律や医療提供体制に与える影響
・負担能力に応じた負担とする視点や過度な給付拡大競争の抑制
・財政計画との整合性

 さらに、このような指摘もある(厚生労働省「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」)。

「政策目的・成果が不明確であり、財源の裏打ちがない中で、少子化対策という名目のみで進めるべきではなく、他の代替的な手段と比べて費用に見合った政策効果が上がっているのか、よく考慮する必要がある。医療費助成の拡大と健康指標との関係について、未就学児で限定的に効果があり、就学児については健康水準に影響が無かったという調査があるが、今後こうした面からも更なる検証が必要である」

 詳細は議会審議で明らかになるだろう。後日、続報します。

【参考】
武蔵野市 記者会見資料 18 歳までの子どもの医療費助成の拡充に関する条例改正案の上程について
厚生労働省 報道発表資料 令和元年度「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」について
長期計画討議要綱で気になったところ(1) 18歳までの医療費(2019年01月31日)

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