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自民党税制調査会 来年度税制改正について議論開始 教育・文化・スポーツ・科学技術関連を要望

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11/19 自民党税制調査会総会で挨拶する麻生財務大臣(自民党本部で)

 「日々勉強!結果に責任!」「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とする参議院議員赤池まさあき(自民党・比例代表全国区)です。

 毎年の税制改正を実質決めているのは、自民党税制調査会の議論です。毎年各種団体から要望を受付け、それを各部会で議論して重点要望として党税調の小委員会で提案します。それを受けて、主要事項を議論し、幹部会と事務局で調整して、〇(受け入れる)×(お断りする)として提案します。それに対して、×を〇にすべく出席した国会議員で議論して、最終的に決めていきます。法案や予算の成立決定過程もそうなのですが、税はまさに党で決めていくもので、税はまさに政治そのものです。

 今年は11月19日(木)に自民党税制調査会総会が開催され、12月上旬の大綱取りまとめに向けて、議論が始まりました。

 私は、現在自民党文部科学部会長を務めており、教育、文化、スポーツの各団体から頂いた税制改正要望を取りまとめ、11月20日(金)の党税調小委員会で次のように提案しました。

●国税関連の改正要望は5項目

文部科学部会の重点要望事項は全部で9項目です。

まずは、国税関連の改正重点要望5項目は以下です。

⑴ 「1 法人税」の(1)は「技術研究組合の所得の計算の特例の延長」についてで、企業や大学における円滑な研究開発を実施する環境を整備するためのものです。経産、総務、農水、国交、環境、文科を入れて6部会の共同要望です。

複数の企業・大学が共同して試験研究を行うための法人である「技術研究組合」(技術研究組合法に基づき設立。58組合)が、組合員からの賦課金により試験研究用資産を取得し、1円まで圧縮記帳をした場合に、減額した金額を損金に算入できる特例措置が、本年度末までの時限措置とされていることから、本措置の延長を要望するものです。

共育資金の一括雑徭の非課税措置 (出所:文部科学省)

⑵ 次に「2 相続税・贈与税」の(1)は「教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の延長」についてで、教育資金を長期的に確保し、少子化の中で、若い世代が理想の子供数を持たない最大の理由は「子育てや教育にお金がかかるから」というものであり、安心して子供を産み育てる経済基盤を構築しようというものです。財務金融部会との共同要望です。祖父母等から孫等に対して一括贈与された教育資金に係る本年度末までの贈与税の非課税措置について、本措置の延長等を要望するものです。

  本措置については、平成25年度から始まって7年間、本年4月末現在で累計契約数が約23万件、信託財産設定額が約1兆6,800億円、このうち、払い出し額は累計で約6,500億円、直近1年間では約1200億円であり、教育資金の長期的確保に大いに寄与しています。

  本制度は富裕層への優遇措置であり格差固定化を招くのではないか、経済対策としての導入当初の役割は果たしたのではないかとの批判があるのですが、実際の契約実績をみると、500万円以下の利用が6割であり、いわゆる富裕層だけではなく中間所得層以下にも幅広く利用されているものです。直近1年間の契約件数も約1万件あり、幅広い需要があるものと考えています。

  また、消費税を原資として教育無償化を広げてきたことにより教育費の負担は軽減されているのではないかとのご指摘もありますが、高等教育機関の修学支援でいえば、経済的に厳しい若者に対しての支援であり、中間層には支援の崖ができています。また、一人当たりの教育費は1600万円(幼稚園から大学院の修士課程まで、小・中学校は公立に、他は私立校に通った場合の教育費)もかかるという試算もあり、今年になってコロナ禍の影響により、経済的な不安が高まる中、子供の教育費負担に係る保護者の不安を和らげることが益々必要となってきています。

これは、菅総理の掲げる「自助、共助、公助、そして絆」の理念をまさに体現する施策であり、少子化対策になるとの観点からも、本措置の継続が強く求めるものです。

現代美術品を相続税の猶予対象へ (出所:文部科学省)

⑶ 続いて(2)は「美術品市場の活性化のため現代美術品の寄託に係る相続税の特例措置の拡充」です。我が国の貴重な文化財である美術品を海外に流出させることなく国内の美術館に留め、その公開活用を進めるためのものです。

美術品を相続する際に、美術館に長期に寄託すれば相続税の8割を猶予することが文化財保護法等に基づき「特定美術品」(※)に認められていますが、「特定美術品」には、例えば、存命作家の作品などの現代美術品は含まれていないため、一定の要件の下で現代美術品も対象となるように要望するものです。

  ※特定美術品:文化財保護法に基づく認定保存活用計画に記載されたものであって、重要文化財もしくは登録有形文化財のうち世界文化の見地から歴史上、芸術上又は学術上特に優れた価値を有するもの

⑷ 次に「4 印紙税」の(1)は「東日本大震災により被害を受けた学校法人等に対する特別貸付けに係る消費貸借に関する契約書の印紙税の非課税措置の延長」です。東日本大震災の被災者等の負担軽減による復興促進を図るためのものです。

東日本大震災において被害を受けた学校法人等が、日本私立学校振興・共済事業団から東日本大震災に被災したことを原因とする貸付を受ける際、消費貸借契約書の印紙税を非課税とする措置について、本年度末までの時限措置とされていることから、本措置の延長を要望するものです。

試験研究の法人税減税 (出所:文部科学省)

⑸ 次に「5 その他」の(1)は、「試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除の延長及び拡充」で、民間の研究開発投資の維持・拡大を図り、我が国の国際競争力を強化するためのものです。経産、内閣、総務、厚労、農水、国交、環境、防衛、文科の9部会の共同要望です。

企業の試験研究費の額等に応じて税額控除が受けられる特別措置について、研究開発投資のインセンティブを高めるための控除上限の引上げを行うとともに、クラウド環境で提供するソフトウェアに係る試験研究費の控除対象への追加、オープンイノベーション型の利用促進を目的とした手続合理化等を行うものです。

  我が国の民間企業は、国全体の研究開発投資総額の約7割を担っており、本税制は、毎年、延べ数で10,000を超える法人において活用されており、大学等との共同研究を含め我が国の研究開発力の強化に寄与しております。

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