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「引用が中心のコンテンツ」はモラルに欠けるのか—「他人のふんどしで稼いでいる感」の未来

先日、読者の方から「(この記事)ほとんど引用じゃん…」というコメントを頂いたので改めて書いてみます。これ、たまに言われるんですよね。

引用が中心のコンテンツにも価値がある

僕は、引用が中心の「紹介記事」「まとめ記事」にも十分価値があると考えています。

例えば先日書いた「「自閉症の子どものためのコミュニケーション・ロボット」をイギリスの小学校が導入」という記事は、海外のニュースサイトの引用で構成されていますが、無価値とはいえないでしょう。

僕が紹介することで「自閉症の子どものためのロボットが存在する」という事実を知る人は増えますし、場合によっては「うちの学校でもロボットを導入してみよう」なんて話も生まれるかもしれません。この場合、僕のコンテンツが独自取材によって書かれたものであるかは関係ありません。

また、「「フリージョ」—「ソーシャルメディア×女子力」で活躍するフリーランスな女子たち」という記事も、ほぼ引用で構成されています。こちらもやはり、僕が紹介することで、「フリージョ」というコンセプトと、このPDFレポートはより広く知られることになるでしょう。

空気読本の編集者とは知己の間柄ですが、「宣伝ありがとう」と喜びこそすれ、彼らが僕の記事に対して嫌悪感を抱くことはないと思います(自宅に紙版のレポートが5部送られてきたぐらいなので)。

引用・転載であっても、それを伝えることが無価値であるはずがありません。僕が海外のニュースをしばしば拾って紹介するのは、「これを日本語で紹介しておけば、誰かの役に立つだろうな」というモチベーションです。

また、NAVERまとめは文字通り引用中心のコンテンツですが、ご存知の通りかなり読まれています。「2chまとめ」も莫大なPVを稼いでいます。引用や転載が中心の「まとめコンテンツ」には、少なくとも人に読まれるだけの価値はあるということでしょう。

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「他人のふんどしで稼いでいる感」

これはコンテンツの質というよりは、モラルや好みの問題なのでしょう。引用が中心のコンテンツだと、一部の人が「他人のふんどしで稼いでいる感」を抱き、何だか怒りだすことがあるんですよね。いわゆる「嫌儲」というやつです。

「他人のふんどしで稼いでいる感」は完全に主観的なものなので、例えばこのブログひとつとっても意見が分かれます。事実として僕のブログは他人のコンテンツを引用・流用しているので、「他人のふんどしで稼いでいる」と言われれば否定はできません。そりゃ全部がオリジナルなわけないじゃん、という感じです。全てがオリジナルなテキストを求めているなら、僕のブログなんて読まずに小説でも読んでればいい話です。

「他人のふんどしで稼いでいる感」はあらゆるコンテンツに偏在しています。

例えば、「YouTubeの動画を紹介するテレビ番組」が放送されるときも、テレビ局に対して「他人のふんどしで稼いでいる感」を抱く人たちが現れます。

例えば、雑誌でネット文化について触れた特集記事なんかが掲載されると、同様に「俺たちを食い物にしている感」を抱く人たちが現れるでしょう(大昔に連載していたネットランナー(現在廃刊)でも、この手の批判をけっこう受けていた覚えがあります)。

ネットメディアでいえばBLOGOSだって「他人のふんどしで稼いでいる」というそしりを免れないでしょうでしょう。BLOGOSはメディアの特性上、オリジナルコンテンツはごくわずかです(が、僕はBLOGOSには価値があると思っています)。

当事者同士が納得しているか

「他人のふんどしで稼いでいる感」を考える上での一つのポイントは、「当事者同士が納得しているか」ということでしょう。

例えばBLOGOSでいえば、彼らは著者の承認を得た上で転載しているので、もし誰かがBLOGOSに対して「あいつらは他人のふんどしで稼いでいる」と非難したところで、「関係のない第三者が勝手に騒いでいるだけ」という構図になります。得てしてそこには成功者の没落を願う、嫉妬・ねたみという感情が隠れています。

当事者同士が納得をしていない場合は、問題に発展してしかるべきです。例えば僕のブログも一部のサイトに、あたかも自分のコンテンツであるかのように転載されてたりするのですが、これは流石に文句を言いたくなります。あれは何なんですかね…。

「2chまとめ」に批判が集まるのは、「自分と自分たちの書き込み」が無断で使われることに対する嫌悪感が原因なのかもしれません。「電車男」のときにも話題になってテーマですね。この周辺ではこちらのQ&Aなどが参考になりそう。

掲示板(2ちゃんねる)の書き込みの著作権に関して | 法律のQ&A【OKWave】

2ちゃんねるによるまとめサイトへの規制は法的な根拠があるか|弁護士ドットコムトピックス

僕の基本的なスタンスは、「当事者同士が納得していれば、引用だろうが転載だろうが構わない」というものです。もちろん2chまとめを装った悪質な広告など、ミスリーディングなものはダメだと思いますが。

「編集」が民主化されていく上での摩擦

2chまとめ、NAVERまとめの台頭が象徴するように、「まとめ」という手法は、インターネット上のコンテンツ制作における主要な方法となっていくでしょう。コンテンツが溢れ続けるインターネット全体を整理するための、「編集活動」が活発化していくという未来です。

その意味では、「ほとんど引用じゃん」という非難も、長い目で見れば意味を成さなくなっていくのでしょう。「ほとんど引用」であることは、もはや前提となるわけです。

現在起きている「まとめコンテンツ」に対する嫌儲的な反応は、あくまで一時的な摩擦だと思います。どう抗っても、どう嘆いても、これから「他人のふんどしで稼ぐ」人たちは増えていくでしょう。見方によっては、NAVERまとめはそんな人たちの巣窟です。が、それはそういうものですし、そもそもウケるまとめを制作するためには高い技量が求められます(NAVERまとめはマジで難しいです)。

嫉妬を胸に隠し、当事者でもないのに変な正義感を抱き、「こいつはパクリだ!」と騒ぎ立てるのはナンセンスです。「あなた」が騒ぎ立てる理由はあるのでしょうか?何はともあれ、他人の一挙一動を気にしている暇があるなら、もっと自分の人生を生きましょう、といういつもの結論です。

ちなみに僕のブログは引用元さえ明らかにしてくれれば、転載は全然OKです。明らかにスパムなサイトを除き、これまで文句を言ったこともありません。むしろ転載・引用してくれるのは嬉しいことなので、積極的にやって頂きたいと思っているぐらいです。

関連本。入門書としては最適とのこと。未読なので早く読まないと…。

リンク先を見る
デジタル時代の著作権 (ちくま新書)
posted with ヨメレバ 野口 祐子 筑摩書房 2010-10-07

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