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検察官の取調べを受ける被疑者に対して弁護士が助言できる範囲

取調べの可視化が行われていない状況下で検察官の取調べを受ける被疑者に対して弁護人たる弁護士は、どこまでの助言が認められるか、というのは弁護士の倫理に関する重要問題である。

被疑者の防御権を実効有らしめるために検察官の取調べを隠し録りすることも許される、とまで言う人は多分いないだろう。

普通の弁護士は、被疑者に検察官の取調べを受けるまでに十分時間があるようであれば徹底的な事前トレーニングを施す。
それこそ、国会での質疑以上の徹底的な想定問答を繰り返す。

勿論、被疑者には黙秘権があることを教え、黙秘を続けた場合にはどんなことがあるかも教える。

絶対に検察官の作成する供述調書に安易に署名してはならないことや、自分が供述していないことが調書に記載されないように何度も点検すること、納得がいかないことは最後まで納得できないと署名を拒否し、さらには調書の書き換えを要求すべきことも助言する。

そして、取調べが終わったら検察官がどんなことに関心を持っていたか、自分がこれにどう答えたのか記憶が新鮮な内に記録に止めるよう指示する。

そして、繰り返し打ち合わせを行う。
徹底的に打ち合わせを行う。

これが大体の弁護士の仕事ぶりである。

時々普通の弁護士のやり方とは違うやり方を勧める人が出てくるが、大体は危ない。

どんな場面でも徹底否認を勧める人もいるようだが、これはどちらかと言うと反権力の立場に立つ人。

危ない証拠は残すな、というアドバイスもかなり危ない。
万一、弁護士からそう指示された、などと言われてしまうと、弁護士の資格問題になってしまう。

弁護士の仕事もぎりぎりのところまで行くと、結構難しくなる。
自分の依頼者のことだけ考えていると、とんでもないことになってしまうことがある。

こういう基本的なことを踏まえて、本当のことを教えてあげるのが大体はいい弁護士である。

佐藤優氏を最高の刑事弁護人、と以前紹介したのは、あくまで刑事被告人としての自分の経験を踏まえて刑事事件の被疑者に適切なアドバイスを出来る人だということを述べただけで、場面が違えばやはりただの素人だということになる。

これは仕方のないことである。

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