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「あなたがすべて食いつぶした」…なぜ福島瑞穂氏は身内から糾弾される? 村山富市氏との「決定的な違い」- 「週刊文春」編集部

 政治をめぐる対立は、ここ最近、「親安倍」「反安倍」の構図だったが、社民党の中だけは、別の対立が続いてきた。「反みずほ」である。

【画像】社民党の前身の党から首相にまで登り詰めた村山富市氏

 村山富市元首相を生んだ社会党を前身とする社民党は11月14日、臨時党大会を開き、分裂が決まった。4人の国会議員のうち党に残るのは福島瑞穂党首(64)のみ。福島氏の党運営に不満を持ち続けた「反みずほ」の吉田忠智幹事長、吉川元(はじめ)副党首、照屋寛徳衆院議員の3人は離党し、立憲民主党に移る。SNS上では所属国会議員が福島氏一人になる事態に、大手銀行のキャッチフレーズを模して「これぞ『ワンみずほ』だ」と揶揄が飛ぶ。


鳩山政権では内閣府特命担当大臣に ©共同通信社

 党大会は無残そのもの。照屋氏は福島氏に「あなたが03年に党首になって、全国の党員、先輩方が築いた遺産をすべて食いつぶした。自覚はないのか」と糾弾。その最中、「親みずほ」派の地方議員から、激しいヤジが照屋氏に飛んだ。福島氏も「私のみが食いつぶしてきたと言われるのは極めて残念。党を再生させるために私の力を存分に使って党員に恩返ししたい」と猛反論。政治記者は「不仲すぎる夫婦は離婚しようとしても協議すらできない。社民はそれと同じなのに、表立って協議し、余計に不仲になった。今後も国会では立憲と社民は同じ会派を組むのに、先が思いやられる」と呆れ顔だ。

首相に登り詰めた村山氏と福島氏の違い

「(全国比例ではなく)参院東京選挙区に立候補し、リーダー役を務めて欲しい」「衆院議員に転じるべき」。照屋氏ら3人の国会議員は参院全国比例区で当選を重ねる福島氏に、リスクを取って勝負するよう度々求めてきた。だが、福島氏はいつも「全国遊説するから比例区がいい」と拒否。加えて、他党との交渉など「汗をかく裏仕事」をせず、TVや政権批判の会で気持ちよく正論を吐く「表仕事」だけをする福島氏の姿勢にも仲間の不満は募っていた。

 かつて村山氏が首相にまで登り詰められたのは、裏方の国会対策を長く担い、野中広務氏や亀井静香氏ら自民党の実力者と人間関係を築いていたから。

「かつての社会党は、表で正論を吐きつつ、裏で政府・与党と握り、自らが望む政策を実現させるしたたかさがあった。時に批判されたが、その懐深い体質が党の財産だったのは確かだ」(政治部デスク)

 当の福島氏は早速周囲に「次の衆院選の候補は全部女性にするかな」「おっさんじゃなくて若者ばかりを候補にしようか」と新たな社民党像を模索し始めた。ただ、故郷の宮崎県連は合流賛成、福島氏が代表を務める神奈川県連は合流反対など、各地方組織も分断。75年の伝統を持つ党の遺産は確実に失われつつある。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年11月26日号)

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