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世界各国のメディアが中国の過去10年間を賞賛し、今後に期待を寄せている?

 8日から中国共産党第18回党大会が開幕しました、当然中国ではこの党大会関連のニュースが大半を占めることとなっております。

 その中で相変わらず自画自賛の記事が多いわけですが、『中国新聞網』が「外媒关注十八大召开 称中国未来十年充满希望」という記事を掲載していたので、これについて少し。

1 記事の紹介

 最初にいつものとおり記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 11月8日、中国共産党第18回党大会が北京で開幕してたが、外国のメディアも注目している。記事をまとめると、中国は過去10年の間に、政治、経済、人々の生活水準など各領域で大きく発展し、18期の新しい指導者のもと、中国の未来は希望に満ちている、となっている。

過去10年の中国の業績を称賛する記事

 韓国『朝鮮日報』 過去10年間で、中国は各方面で大きい進歩を遂げた。年平均成長率は10.7%で、2010年には、日本を抜いて世界第二位の経済大国となった。この間、中国は初めての空母の運行を開始した。又宇宙ステーションに必要な有人宇宙船のドッキング技術も獲得した。

 2008年には、北京オリンピックを開催し、これは過去100年受けた恥辱を洗い流し、自尊心を回復させる大型イベントとなった。

 『朝鮮日報』は過去10年について、肯定的な評価を下している。台湾との関係も改善し、「三通」を実現させた。「科学的発展観」を打ち出し、都市と農村間の格差解消に努めた。農業税を廃止して、農村での医療と養老保険を推進した。内陸部の開発を積極的に推し進めた。

 シンガポール『聨合早報』 以前にアメリカのカリフォルニア州にも及ばない経済規模だった中国が30年間の改革開放政策で、世界第二位の経済大国となった。現在中国は「製造大国」から「創造大国」に発展しつつある。

 他にも、過去10年間、中国政府は「道徳の復興」に注意したとしている。仁愛と同情心を広めてきたが、効果が出ており、各都市では「雷鋒精神」も見ることができ、過去の冷淡さとは対照的だ。

 この他、薄煕来、劉志軍の処理等に外国のメディアは関心をもっており、中国共産党の反腐敗活動の報道も行っている。ロシアのニュースネットは「党中央、国務院は反腐敗対策を重視し、誰であろうと、職がどれだけ高くとも、腐敗を断固調査し、厳しく処分している。」と述べている。

今後10年間は希望に満ち、中国は世界に向けて走っていく。

 アメリカ『ニューヨーク・タイムズ』 中国共産党の指導者は近頃「新時期」「新しい特徴」「新知識」など「新」を強調している。これは、中国は今後も体制革新を続けること、新しい機会に挑戦していくことを意味している。

 中国共産党の組織も外国メディアの関心を呼んでいる。シンガポール『聨合早報』 現在中国共産党の党員は8200万を超えており、ドイツの人口に相当する。これほど巨大で、団結した政治エリート部隊は「人類の歴史上で前例がない。」中国は今後10年間の希望を彼らに託す。

 以前『ニューヨーク・タイムズ』は中国共産党には、更なる知識人が加入し、政党の行政事務能力を高め、より科学的な方策を推進すると分析したことがある。

 同時に、外国メディアの関心は経済、外交分野にも及んでいる。分析によると、十八大で提出された経済政策は、中国・世界の経済発展に影響を与える。

 アメリカ『タイム』 中国の新世代の指導者がアメリカに与える影響は、新しいアメリカ大統領が中郷に与える影響をはるかに上回っている。政治経済大国として、中国は金融危機が全世界に及ぶ中、世界の経済発展の望みとして、今後の経済発展の動きを決定する。

 『ニューヨーク・タイムズ』 中国共産党の指導者の経済重視は「中国が穏やかであることが、世界的経済危機の重要な保証」だからだ。

 胡錦涛総書記は8日の報告で、海洋権益の保護について言及したが、日本のメディアは高い関心を示した。日本『共同通信社』 胡錦涛の談話を引用して、中国は海洋開発能力を高め、断固として海洋権益を守り、海洋強国を建設すると報道している。また、国防の目的は国家主権、安全と領土統一を守るということも強調している。

 アメリカ『フォーリン・アフェアーズ』 18回党大会後も、中国は引き続き積極的に国際政治の舞台に現れる。同時に、中国は国際規則に「対応する者」から国際規則の「制定者」に変わっていくだろう。

 シンガポール『聨合早報』 今後10年の世界情勢はユートピアではなく、危機と不景気の連続だ。中国共産党の新指導者は中国という巨船で暴風雨の中に向っていく。彼らの頭脳は明晰で、賢明で、大胆かつ細心に勇敢に突き進めば、前途は明るいはずだ。

2 個人的感想

 結構長い記事だったので、所々省略しておりますが、それなりに原文に忠実に訳しております。長かったので、途中で止めようかと何度か思ったのですが、訳している内に、荒唐無稽さが逆に面白くなったので、結局最後まで訳してしまいました。

 アメリカメディアの一流どころが並んでおり、これだけを見ると如何にも世界各国の新聞が中国のこれまでの成果を賞賛し、今後に期待しているようですが、そんなことがないのは言うまでもありません。

 日本の記事もそうですが、新聞は公平性を保とうとすると、良い面と悪い面を併記することとなるので、多分その良い面だけを翻訳して報道したと考えるのが妥当かと思います。

 ただ、『朝鮮日報』はまとめるということで書かれているので、そのまま読むとこう報道したということです。台湾との関係改善はともかく「都市と農村間の格差解消に努めた」と分析しているのなら(中国で忘れ去られた人々(写真)中国のいかにも成金といった人たちの写真)、報道機関の能力を疑います。

 ただ、何度か書いている様に(園田政務官のパフォーマンスについての海外報道中国人に対する、日本人の好感度が下がった原因等)、中国の翻訳記事は意図的に「誤訳」をすることが多いので、何とも言えません。

 汚職についてもよくも平然と言えたものだという感じですが、経済発展に伴い、中国の教育水準も上がってきており、外国と接触する機会も増えてきている中で、いつまでもこうしたプロパガンダが通用すると思っている方が明らかな時代錯誤で、とても「新しい」時代にふさわしい記事とは思えないというのが私の感想です。

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